2009年2月19日木曜日

最も現実的な3センサー機、パナソニックHDC-HS300の出来や、いかに?


光の三原色を3つのセンサーで受光する3センサー方式は、ビデオカメラならではの方式であり、その高コストをものともしないダイレクトな構造には、やっぱりロマンを感じてしまいます。

3センサー方式といえば、何と言っても、ハンディカムの最高峰の称号を欲しいままにする、HDR-FX1000が私の中では大きな存在ですが、いかんせん40万円近い価格と、まさかバッグの中に入れて持ち歩くわけにはいかないビッグサイズが、相当な高嶺の花となっています。

そんな中、最も現実的な3センサー機が登場しました。
3センサー機に執念を燃やすメーカー、パナソニックの新型機、HDC-HS300です。

もともと私は、大のパナソニックファンでした。所有しているNV-DJ100はDVカメラの名機と言われるほどです。1/4インチの3CCD (27万画素)の画は、今見ても好ましいものがあります。

さて、時代は進み、最新のハイビジョン機であるHDC-HS300は、ついに305万画素(×3MOS)に到達しています。小寺さんのレビューも来ました。

[HDC-HS300のレビューはこちら]

外観は、小型ボディなのにやたらと文字が目立つレイアウトで不必要に安っぽさを演出してしまっている気がしますが、レンズの周りの大型リングなど、カメラとしての安定感を感じる部分もあります。
しかし、ブラックの本体カラーに赤リングって、何かあちこちでよく見ている気がするなぁ・・・と思ったら、もろにキヤノンが誇る超高性能レンズシリーズである、Lレンズのカラーリングではないですか。

ただ、個人的に絶対に受け入れられないのは、ファインダーを引き出した時の(個人的に、ですよ)安直過ぎる悲惨なスタイル。これはイヤだ・・・。

画質は、解像力がしっかりしていて、極端なデジタル補正感も無くて好ましい感じです。
このあたりは、昔と違って3センサーのみの特権ではなくなっていますが、パナソニックの頑張りが感じられると思います。
どちらかというと、ソニーと似た方向性かなという印象で、良い意味で柔らかくて立体感があり、それでいて、パナソニックの哲学を感じる濃い目の発色もファンにはたまらないところでしょうね。

ただ、このカメラが悪いというわけではありませんが、業界が小型カメラは当然だから!!としてきた2枚絞り羽根のせいで、背景のぼけがとっても汚くて、どんなカッコイイ映像も台無しです。繰り返しますが、このカメラが悪いというのではなくて、業界が小型カメラの消費者をあなどったツケとしか言いようが無いです(ソニーは、いち早く、HDR-XR500VとHDR-520Vによって、背景のぼけの美しさを実現していますが、消費者が誰も気にしない事になってしまうと今回限りという悲しさになってしまうかも知れません・・・。気付いてあげて下さい)。

何はともあれ、手が届く3センサーのカメラの開発を死守してくれているパナソニックは、一つの機種の評価うんぬんを超えた存在であり、これからも3センサーカメラの開発の継続を心からお願いしたいです。