2009年9月10日木曜日

EOS 7Dのレンズ選び

EOS 7Dは、単に新型のカメラが出るというだけではない、非常に重要な存在になります。
キヤノンには長い間APS-Cのプロスペック機が存在しておらず、それゆえにAPS-C用レンズが低く見られたり、専用フォーマットのEF-Sの存続さえも疑われているほどでした。

しかし、待望のプロスペックEOS 7Dが登場したことにより、ようやくAPS-C専用レンズ、EF-Sレンズをスッキリ安心して選べるようになったのです。

■シグマ30mm F1.4 EX DC HSM■

APS-Cのメリットを遺憾なく発揮しているのが、このシグマ30mm F1.4ではないでしょうか。
30mmクラスの大口径レンズをフルサイズ用レンズから選ぶとなると、新品でも20万円近くになってしまいますが、このレンズならば、なんと新品で5万円を切ります

レンズ名に付いているEXというのは、キヤノンで言うところの高級モデル「Lレンズ」に相当するグレードなのです。レンズの構成は極めて贅沢で、非球面レンズ1枚、特殊低分散ガラスのSLDレンズ1枚、さらに強化された特殊低分散ガラスのELDレンズ1枚。
キヤノンで言えば、UDレンズとスーパーUDレンズという極上の組み合わせになります。
それでこの価格というのは、ものすごい企業努力と言うしかないです。

超音波モーターHSMが装備され、AFでピントを合わせた後でも、構わずそのまま手でピントリングを動かして調整する「フルタイムMF」が可能なのも大きなポイントです。

ただ、私の個体のみかも知れませんが、EOS 20DのAFセンサーとの相性はまずまずなのですが、EOS KISS X2との相性は良くなく、ライブビューによるマニュアルAFメインになっているのが残念。
ただ、両カメラのAFセンサーを比較にならないくらい圧倒的に上回る、EOS 7Dの19点フルクロス・中央デュアルクロス新型センサーならば、もっと良いかもと大きな期待をかけています

このレンズで撮影した写真を掲載させて頂きますね。
EOS KISS X2でのマニュアルモード撮影。シャッター速度1/100秒、絞りF/5.6です。


■トキナーAT-X M35 PRO DX■

トキナーの35mm F2.8レンズです。35mmクラスというと、低価格なのに大口径でしかも確かな解像力を誇るキヤノンのEF 35mm F2が長年人気を保っていますし、私もこれは非常に欲しいです。
しかし、最新デジタル設計かつ、キヤノンの2倍寄れる最短撮影距離0.14mのマクロ能力が魅力のトキナーも負けるものではありません。

プロカメラマン高橋良輔氏がEOS 40Dを使って撮影した実写サンプルがありますが、色の美しさ、解像力の高さ、ボケ味の良さなど、みとれてしまうくらい実に見事です。
それに、被写体との距離を実質気にしなくて良い35mmレンズというのは、やっぱりかなりの貴重品だと思います。

■EF-S 60mm F2.8 USM■

キヤノン純正にして、EF-Sレンズ唯一の単焦点レンズとなるEF-S 60mm F2.8 USMです。
とにかくAPS-Cのメリットを最大限に活かした、非常にコンパクトで写りが良いレンズです。
超音波モーターUSMが搭載されていることから、等倍マクロレンズではありますが、普通に高速AFの60mmレンズとして常用も可能という、お得感の高さ、利便性の高さが魅力です。

また、マクロ撮影をしてもレンズの全長が変わらず、コンパクトさを崩しません。
さすがにキヤノンのUSMだけあって、スムーズな感覚のフルタイムMFも可能。

(プロスペック機も無い)APS-Cでしか使えないのが惜しい」といわれ続けたマクロレンズでもありますが、いよいよEOS 7Dの登場によって、そういった不安感が払拭されますから、ますます買いやすくなると思います。

■タムンSP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II■

標準ズームならばコレが決定版か。
17-50mmの開放F/2.8の大口径ズームレンズなのに、重量はわずかに440g。まさにAPS-Cならではメリットが光る一本と言えるでしょう。

オートフォーカスの高速性まで考えると、キヤノン純正EF-S 17-55mm F2.8 IS USMを選びたい気持ちもあるのですが、キヤノンはタムロンの二倍を超える価格でありながら、やっぱり防塵防滴では無いので、EOS 7Dとの組み合わせには悩むところ。
やはり安価で軽量で、しかも最短撮影距離が0.27mと、キヤノン純正の0.35mよりも大幅に優れるタムロンを推したいところ。

伊達淳一氏のサンプル写真を見ると、そのシャープな描写はEOS 7Dにも期待感が高まります。

ただ、個人的にはタムロンのAPS-C用レンズは、チョコレートの包み紙みたいな太い金色リング模様がかなり安っぽいのでやめて欲しいところ・・・すみません個人的な意見ですが、少なくとも、もっと細くすべきでは。
シグマEXシリーズは同じ金リングなのに、あれだけ高級感あるんですよ・・・

■トキナーAT-X 107 DX Fisheye■

トキナーの10-17mm F3.5-4.5魚眼ズームレンズです。
魚眼レンズは、フルサイズセンサー用のシグマ15mm F2.8 EXが値段も安い名玉で、私も愛用しております。しか、現在店頭に並ぶ新品は、デジタルコーティング対応を理由に急激な値上げをしてしまい残念。
しかもその後に続くAPS-C用バージョンも高額なプライスで出てきたため、なかなかオススメしにくくなってしまいました。

APS-C用としては、やはりこのトキナーの魚眼ズームになるでしょう。
10mm側では、強烈な対角線魚眼レンズ。しかし、17mmにすると、少々歪曲のきつい広角レンズとして、幅広く活用可能なのも魅力。
シグマの単焦点F/2.8と比べて、少々ファインダー像が暗くはなりますが、それでもF/3.5だから大きくは気にならないレベルだと思います。

高橋良輔氏がEOS 30Dで撮影した写真を見ても、ズームだからって単焦点に負けない鮮明さを誇っているのが分かります。
魚眼レンズと広角レンズのハイブリッド。このレンズは写真表現においてもかなり高い価値を持っていると思います。

一眼レフは、ミラーやプリズムを使うことによる実像式の光学ファインダーと、交換レンズが魅力。
EOS 7Dがどのような味わいを見せてくれるか、一日も早く知りたくてたまりません。