2009年10月24日土曜日

憧れのレンズについて「EF 24mm F1.4L II USM」




憧れのレンズについて語る記事シリーズです。
第一弾は、キヤノンが世界に誇る超広角大口径レンズ「EF 24mm F1.4L II USM」です。

このレンズの初代は、1994年当時に、キヤノンとして初めて有毒物質を使わないエコガラスを採用したレンズでもあります。エコガラスは、鉛などをバリバリ使用したレンズと比べて透明度が低くて描写力が不利な傾向があるようなのですが、今ほど問題化していない当時からよく高度な判断を下せたものだと感心させられますね。

スペック的にも、このレンズは、オートフォーカス対応の超広角24mmでありながら、驚異的な開放F/1.4を実現した、まさに径の大きなキヤノンEFマウントならではのユニークなレンズの一本であります。
色の美しいLレンズの中にあっても、特に色の美しさとボケの美しさが高く評価されていますが、ただ、防塵防滴でもない24mmの単焦点が実売20万円近いという価格、倍率色収差がかなり大きいなど時代にそぐわない旧式設計がネックとなり、高い描写力を持ちながら4万円ほどのEF 24mm F2.8の方を買った方が良いという判断もアリなのが、このレンズ購入最大の壁だったろうと思います。

さて、そうこうしているうちに、EF 24mm F1.4L USMは、レンズの部材から部材の配置まで完全に新設計のII型にリニューアル。いよいよEF 24mm F1.4L II USMの登場となったわけです。
キヤノンは、あくまでも高価なLレンズ中心とはいえ、ズームレンズ全盛時代の中、積極的に単焦点レンズを強化してくれていますが、その中でも、特に強化が成功しているレンズが本レンズではないでしょうか。

実は私は、EOS 5D Mark2発表会の時に、EF 24mm F1.4L II USMレンズを、愛機のEOS KISS X2に装着して実写しておりました

実写した写真を二枚掲載させていただきます。
被写体はともにEOS 5D Mark2ですが、ナナメになって写っている写真が開放F/1.4です。
ピントは5Dのネーミング・バッジに当ててあります。

EOS 5D Mark2と正対した写真は、F/5.6に絞って撮影しました。

さて、レンズの使用感ですが、これはもう極上そのもの。

とにかく、オートフォーカスの速度は、最新鋭の超音波モーターUSMだけあって、もはや言うまでも無いのではないかと思いますが、例によって極めて高速で静粛。
世界最高速度ランクとはこうだ、と言わんばかりの快適性を味わう事が可能です。

そして、描写力は、開放F/1.4のレンズとしては、驚異的なまでに解像力が高くて最新鋭設計を感じます。ピントの合った部分の鮮明さは、これが本当にF/1.4なのかと、何度も見直してしまうくらい現代的なガッチリとした描写を見せています。
輝度の高い部分に若干のパープルフリンジは感じますが、F/1.4としては問題にならない水準。

そして、超広角レンズ離れしたボケ味の美しさも特徴です。元々24mm F1.4は、超広角レンズ離れしたボケの美しさを評価されていましたが、その持ち味が継承された格好です。

F/4やF/5.6などに絞り込むと、もはやその解像力の高さは揺ぎ無く、同時に発売されたEOS 5D Mark2のフルサイズ2110万画素センサーを意識せずにはおれません。
いや、EOS KISS X2の1220万画素APS-Cセンサーの能力をも、一段階や二段階など軽く上げてくれるレンズなのは間違いありません。

このレンズは、初代にはどういうわけか無かった防塵防滴構造がようやく採用され、さらに、徹底的にフレアやゴーストを抑制するSWC(サブウェーブレングス・ストラクチャー・コーティング)という新開発の特殊コーティングを施されており、対角線魚眼レンズもかくやという超高度な耐逆光性能を獲得しており、もはや使う場所を選びません。

このレンズは、本当に欲しい。
実は、私は、ある高名な写真家の先生と直接お話する機会があり、「どんなレンズがおすすめですか」と聞いてみたところ、「24mm L買え」とアドバイスを頂いた事があるのです。
先生から「キミはどんなレンズ使っているんだ」という問いを受けてEF 28mm F2.8」ですと即答した事に対しての流れだったかと思うんですが・・・すみません先生。20万円超えレンズは高くてまだ手が出ません・・・