2010年8月17日火曜日

我が手で「映画」が撮影出来るEOS 7D

EOS 7Dは、動画撮影機能「EOSムービー」を持っていますが、来年公開予定の映画「歓待」が、満を持して全編を7Dのみで撮影しているそうです。

EOS 7Dは、発売直後だけの一時的な盛り上がりではなく、発売からおよそ一年近くの期間をプロフェッショナルに精査され、映像撮影という世界においては最上位の「商業映画」の撮影機材として認められるというのは、重みの違う喜ばしさがありますね。

実際に、他人様がどうだから、という話だけではなく、私自身、ブログやツイッターに書かせて頂いております通り、EOS 7Dの高い実力には感心させられるばかり。内容はともかくとして、今や、日常のホームビデオが我が手で撮影出来る映画という映像レベルに到達している事実に震えますね。

家庭用のフル・ハイビジョンカメラは、ソニーの第一号「HDR-FX1」から始まり、「HDR-XR500V」、そして、キヤノンEOSムービー誕生と、立て続けに歴史的な革命が起きており、休む暇も無い状態になってきました。眠れないくらいに嬉しいものがあります。

さて、EOS 7DのEOSムービーですけれど、写真向けに高画質と高感度を両面から極めた画期的な大型センサー「キヤノン1800万画素APS-Cサイズセンサー」と、映像処理チップ「DiGiC-4」を源泉としたハイビジョン映像により、HDR-XR500Vという、小型の家庭用ハイビジョンカメラに革命をもたらした名機と比べても、ディテールや立体感、明暗差の幅など、その情報の豊かさには隔世の感があります。

画質においては、現時点で既に究極の状態に到達しており、あとは1920x1080/60pの搭載が待たれるくらいでしょうか。

問題は、ボディの操作性にあると言えるでしょう。

あくまでも写真機としての操作性なので、ビデオカメラのように歩きながら撮影したり、気軽に撮影するには至っておらず、レンズも動画対応していないため、撮影中にリアルタイムで露出を変更したり、ピントを変えるというのは、メカニズム的に考慮されていない弱点であり、ビデオカメラ型のEOSの登場が熱望されます。

ただし、操作性に関しては美点も多いのです。設定や操作は写真機のそれを踏襲しており、面倒ではあるけれども、分かりやすい。

たとえば、メイン電子ダイヤルでシャッター速度を、大型サブ電子ダイヤルで絞りを、上部ボタンでISO感度を、それぞれ素早く変更出来るし、EOSムービーだから操作が分からなくなるという事態が起きないのは、文句無くありがたいと思います。

コントラスト、色の濃さ、シャープネスなどの画質調整でさえも、「ピクチャースタイル」(写真の風味を変える、EOSの画期的な画質変化システム)がそのまま引き継がれるため、写真機として覚えた知識のみでハイビジョン撮影が行えるのです。

しかも、カメラの設定は、モードダイヤル上の「C1」「C2」「C3」の三カ所に記憶可能であり、作りこんだ設定をその場限りにする事なく、ダイヤルを合わせるだけで即座に復帰させる事が出来るのも見逃せない美点であります。これも写真機とハイビジョン撮影で完全に共通であります。

EOS 7Dの悩みは、かような映画レベルのハイビジョン映像が撮影出来るものですから、こちらも過剰に気負ってしまって、持ち歩きも三脚と一緒というケースが多くて疲れてしまうというところでしょうか。
まぁ、手持ちでフレームががたついた映像もそれはそれで味がありますけれど・・・。

とにかく、このようなカメラで出会えた事を感謝しております。
本当にありがとう。