2011年12月23日金曜日

想像以上に頑張るプレイステーション・ヴィータ

ようやく待ちに待ったPSVITA、プレイステーション・ヴィータが手に入って大喜びの毎日ですけれど、その実力も私の想像以上に高くて驚かされる毎日でもあります。


何しろ今回はOSが本格的マルチタスクという大変なものなのに、それをソニーは独自開発(おそらくはFree BSDベース)しています。
マイクロソフトやGoogleと比較してしまうと、失礼ながらOS開発では素人同然のソニーがそんな大層なものをうまく作れるのか、不安が大きかったのです。

確かに、初回なので、まだまだOSには安定性や利便性など荒削りな部分が多々ありますね。
標準搭載のアプリもデモンストレーションレベルだったりしてますし。
正直、今はだめで今後のアップデートに大いに期待したいという点は多いです。
それはソニーもわざわざ指摘されるまでもなく分かっていて、「今作ってっから、うるさくしないで待っておれ」と言いたいところでしょうね・・・


そんな中でも、ツイッターに関しては、既に日常でメインにすらなれる実用レベルに到達しています。androidのICONIA TAB A100に匹敵するんじゃないかと思えるほどなんですよ。




ゲームや他アプリを使っていて、あっと思い立ったらすぐにツイッターアプリに遷移して、ヴィータ自身のカメラで撮影した写真を織り交ぜてのツイート。
ツイートを終えたら、パッと元のゲームや他アプリに戻る。
・・・これがもう当たり前のように出来てしまうんですよ
ね。androidやWindowsに負けないような動きが、今やゲーム機でも出来る時代になったわけで、そりゃもう感動してしまいますね。

それと、ヴィータは音質も実に素晴らしいものとなっています。
内蔵ステレオスピーカーは、音が躍動的に広がる驚異の作り込み。
音源たるや、さすがは音楽のプロフェッショナルでもあるウォークマンのソニー。
最新世代音楽プレイヤーとしても通用するレベルの音源は、繊細でクリスタルのようです。
耳元で伸びやかに響き渡る音楽を聴けば、これはもうヴィータをメインの音楽プレイヤーとして使うしかない・・・と思いたいのですが、それを操るアプリがまだちょっと頂けないので、惜しい限り。



標準の音楽アプリは、前述したようにデモンストレーション的なものでしかないんですよね。せっかくのゲームキーでの操作も出来ず、スリープタイマーもありません。
せっかくのヴィータの持つ、まさに最新ウォークマン級の音質を楽しみながら眠りたい。
ここは、一刻も早い高機能タイプ音楽アプリの配信に期待したいところです。

ちなみに、音楽プレイヤーについては、何も無いところで文句をたれるつもりはなく、既にソニーが1700万台も世の中に出しているPSPがあって、そっちの音楽アプリは最高に使いやすいと思うからこそなんですよね。PSPのスーパーパワーアップバージョンでもあるヴィータが、おしなべてPSPにアプリ面ではかなわない現状には、アレレ??という思いがどうしても出てしまう。
まぁ、良いものだからこそ色々言いたいわけです。

さて、次は情報端末として命綱ともなるブラウザです。
確かに、ゲーム機のブラウザとしては間違いもなくトップでしょうけど、とはいえ、優秀なandroidのブラウザやWindows7のChromeブラウザと比較すると、処理速度は遅くてJavaScriptの対応も甘め。



過酷な比較のようですが、ヴィータはそういうハイレベルで戦うマシンと期待されている(個人的にも期待している)わけで、もうこれはしょうがないですね。

一回や二回では済まないでしょうけど、アップデートを辛抱強く続けて、将来的にはandroidにも負けないぞ、と言える日が来るのを待ちたいですね。ヴィータの性能はそれを可能とする潜在能力があります。良い意味での才能の化け物。

ただ、現時点でも、iGoogleはしっかりと使えます。ピンチイン・ピンチアウトによる素早い画面の拡大縮小で、小さくなりがちなニュースの文字も何とか実用的に確認出来るし、iGoogleを中心にした情報閲覧端末としては、今でも決して駄目ではないです。

さてさて、ゲームの方は・・・これはもうさすがは「本職」で申し分ありません。
プレイステーション最新モデルの実力に酔いしれるばかり。ゲームについてはまた別途記事を書かせて頂くとして、今回の記事では、OSとからめたプラスアルファの部分はどうか?という点ですね。

ゲーム中にもスクリーンショットの撮影が可能(PSボタン+スタートボタン)なのが、さすがヴィータという部分か。
ただし、スクリーンショットをどう扱うかは、ゲームメーカーが制限出来る仕組みになっているらしく、たとえばバンダイナムコ社の「リッジレーサー」では、ゲームタイトルが自動で表示されたりします。
逆に言えばそういうコントロールが可能だからこそ撮影が許されたのかなと。


とてつもなく大きいのは、マルチタスクOSの本領発揮の「ゲーム中に自由にOSに戻れる」という機能。
PSPでは、ゲームを一旦始めたが最後、ゲーム中に設けられたセーブポ
イントでセーブして終了するか、途中経過を破棄して終了するまではOSに戻れませんでした。

たとえば、PSPでカーナビ使用中に、2分間で画面を消す設定にしたままだったのに気づいた時の絶望感を知れば、いつでもゲームやアプリを終了させなくとも自由にOSに戻れるヴィータが、いかに大きなメリットをその身に宿しているか思い知ります。
ゲームと言えば、ヴィータは、PSP用ソフトがそのまま動きます。ただ、PSPのようにWindows7 PC側にダウンロードしておいて、好きな時にUSB2.0ケーブルで接続して高速に転送・・・という事が出来なくなっているんです。
全てをヴィータだけで完結しないといけません。「も」出来るじゃなくて、「しか」出来ないというのが現状。

ヴィータからPSストアに接続すると、PSPで購入しておいたゲームソフトがちゃんとリストで表示され、ダウンロードが許可されているもののみ、ダウンロードボタンが表示される仕組みになっています。
これらソフトは、PCの助けを借りる事は出来ないので、全部ヴィータからダウンロードとインストールをやり直す必要があります。
これは面倒だという話もあるし、それ以上に問題なのが、やはりまだシステムが未成熟なのに、そんな重い処理をどんどんさせて大丈夫かい、という心配。

仕様的には、さすがはマルチタスクOSだけあり、ギガバイトクラスの容量のファイルのダウンロードを連続して指定可能になっていて、バックグラウンドで続々処理されます・・・が、それをやってしまうと、処理に忙殺されてしまうのか、OSの動きがガタガタになってしまう事があります。タッチパネルの反応にまで悪影響が出るほどに。

今はユーザーがヴィータを気遣って操作する必要のある時期だと痛感。
やはり1本づつが無難と言えるでしょう。

このあたり、自分で何でも出来るヴィータは、そこはもう文句なしにエクストラオーディナリー。しかし、その反面、未成熟なこの時期に色々やらされて酷くいらぬ損をかぶっている印象もあります。

さて、これだけの規模のマルチタスクOSの、それも初回バージョンとなれば、色々と不具合もあって当然だし、リセットもありうる前提での運用も覚悟しなければならないでしょう。
でも、今後、数回のアップデートを経て成長して行けば、とんでもなく素晴らしいシステムになっていく手応えはズシッと感じます。
ぶっちゃけ、androidという素晴らしい先生がもういるのだし、出来る部分から学んで自分の血肉にしていってくれたらいいと思うのです。

開発者の方にとっては、今はかなり辛い時期でしょう。でも、これを乗り越えたら、知識や経験面において大変な財産を得ることになると思います。
日本ゲームメーカー独自OSとしてもヴィータOSには期待が大きく、その成長を暖かく見守りたいなぁと強く思えます。

がんばって!! うんと期待しています!!