2012年8月5日日曜日

今だからこそパナソニック稀代の名機3CCDデジカム「NV-DJ100」

パナソニック3CCDデジタルビデオカメラ「NV-DJ100」を防湿ケースから取り出して見ていたら、この稀代の名機をそのままハイビジョン版にしたカメラが出れば良いのになぁ・・・という思いが強まってしまいました。
今回の記事では、そんなNV-DJ100を手にとりながら、色々と思う所を書かせて頂きたいと思います。
本日もどうかよろしくお願いいたします。


NV-DJ100の良さは、今の家庭用小型ハイビジョンカメラではもう望めないファインダーの良さにもあります。
接眼のしやすさを考慮した大型で見やすいファインダー。
情報量が少ないはずのSD時代ファインダーなのに、内蔵されるファインダー用液晶は、0.5型で16万画素タイプという気合の入ったもの。
フルハイビジョン時代に、これに完全に負けるファインダーだらけなんて・・・仮にタイムスリップして当時の人に説明しに言っても信じてもらえずに追い返されるだけでしょうね・・・。

ましてやファインダー無しのカメラが主流だよなんて言ったら「お前カメラメーカーがそんな事するわけないだろ!」って相当怒られるはず。


ファインダーは大きくて見やすいだけでは終わらず、当時の「常識」として、水平から垂直まで自由に角度が調整出来ます。
パナソニックは超小型モデルNV-GS200Kですらも自由に角度を調整可能としたファインダーを搭載していて、突然各社やめてしまったのが本当に悲しかった。
ソニーのHDR-PJ760Vが「このままではヤバイ」とばかりに復活させたのは大きな救いですが、一回限りの特別措置なのか継続してくれるのか・・・。

ビューファインダーは、設計が非常に面倒だし「廃止してコストダウン・ラッキー」展開は分かる気はするけれど、高度な機械の製造こそが日本製品の持ち味だから逆に消費者に教えてあげるというのもメーカーの重要な使命だと思うんです。

いつも生意気な事ばかり書いてしまって申し訳ありません。


NV-DJ100は、マニュアル操作用のボタンやダイヤル類が惜しげも無く搭載されています。
ダイヤルは、当時流行していた「ジョグダイヤル方式」で、シャッター速度や絞りを素早く割り当てて快適な操作が可能です。
このカメラは、私の本格的なビデオカメラ購入第一号だった事もあり、これが普通の事なんだろうなと思ってましたが、今ではどんどん遠くなる一方の楽園だったんだなぁと思い知る事ばかり。

ちなみに、フォーカスリングのフィーリングは「まさに業務用機そのまんま」の高品位なもの。
重みのある滑らで粘り気たっぷりの回し心地は、今でも・・・というか、今だからこそ驚くしかありません。


マイクも、デザインより機能重視だーっという感じで、しかも機能を重視したらデザインもカッチリとハマったという理想パターンですね。

ただ、当時のビデオカメラの内蔵マイクは、「遠くに聞こえるか近くに聞こえる(最悪パターン)か?」という違いで、結局はテープの走行音を拾ってしまう宿命があって、そこは現在のフラッシュメモリ記録が勝る部分でありますね。


NV-DJ100は、当時は小型軽量でしたが、今の基準から見るとかなり大柄。
でも、今こそこのサイズが欲しい気がします。
小型機の上がいきなり本体2キロオーバー・価格40万円という現在の状況は極端過ぎる・・・
NV-DJ100のサイズで、今の技術を投入したなら、相当なマニュアル機能を実現出来るだろうし、センサーにしても、もしかしたら1/3インチ3センサーが行けるかも知れない。

それに、この曲線を自在に操った伸び伸びしたデザインはどうでしょう!
「これはテレビ局用のカメラだよ」って言われても違和感の無い、いつどんな時代でもトップに位置する揺るがないデザインには惚れ惚れします。

HDR-PJ760Vが出てくるまでは、どんなカメラをも寄せ付けなかった無敵のオーラ。

それに「3CCD」のホログラム調の加工は、当時「家庭用小型機のハイエンドを買った」という実感に溢れたナイスな演出だと思います。

ハイエンドというのは、やっぱりこういうありがたみというか演出が無いと寂しいものです。


見れば見るほど、NV-DJ100のテープ部分をメモリカードにした上で、その他はそのままにハイビジョン(1080/60p)モデルが欲しいですね。

ターンエーガンダムの歌じゃないですが、「時代が未来に進むなんて、誰が決めたんだ?(そうとは限らない)」というのが最近多い気がしますねー。気だけですが。