2013年1月3日木曜日

三菱鉛筆「クルトガ・ローレットタイプ・ガンメタリック」

立派なペンが欲しいと願い始めた時、最初に求めたのが、三菱鉛筆のピュアモルトとクルトガ・ローレットタイプ・シルバーでした。

新年という記念もあり、「クルトガ・ローレットタイプ・ガンメタリック」を購入させて頂きました。

ローレット加工された金属グリップがあるものの、全体来に黒く染め上げられたボディがディテールを埋没させ、第一印象だけで言うと、ごくオーソドックスな事務用シャープペンシルに見えてしまうのが、このモデルの特徴なのかなと感じます。

しかし、デザインワークは一見するとおとなしめですが、細部の加工や仕上げはさすがに丁寧で、使っているうちにその良い味がだんだんと染みてくる、日本製の凄味を静かに示してくれるシャープペンだろうと思います。

ガンメタリックカラーの軸は、ローレットと違って樹脂製なのですが、樹脂っぽさはあまり感じません。
塗装表面のコーティングがうまく作用し、見た目に良い意味の重さがあるのです。

ノーズ・コーンは製図シャープばりの構造ですが、リード・スリーブ(パイプ)は短め。

三菱鉛筆は、クルトガを製図用シャープとしては分類していないようですが、この短いスリーブと、芯の太さを機械的にコントールする「クルトガ・エンジン」の存在から慎重になっているのかなと思います。

樹脂軸部分の仕上げの丁寧さは、特筆すべきものがあります。

また、書き文字のレイアウトや配色も上質感をスポイルしない配慮があって、立派なシャープペンが欲しいなぁという願いにも、確かに答えてくれそうな頼もしさがあります。

クルトガが他のシャープペンシルと決定的に違うのが、芯をクルクルと回して文字の太さを均一にしてくれる「クルトガ・エンジン」

ボールペンのジェットストリーム・インクもそうですが、定価ベースで1000円台から、さらにそれ以下の普及クラスにも、こういったプレミアム技術を惜しみなく投入するのが日本流か。

手持ちのシルバーモデルと、今日購入のガンメタリックとを並べて写真を撮ってみました。

購入はシルバーを優先しましたが、こうして並べてみると、やはりガンメタリックも良いもので、今日買えて良かったとホッとしますね。

ペン先ですが、この写真を撮影した時はまだシャープペンシルの芯の先端がペッタンコですね。
でも、書き続けていくと、芯がクルクル回転するため、芯の先端が円錐形に研がれて行きます。

回転しているのを分かりやすく筆記者に見せるべく、ローレット部分にはインジケーター窓が開けられています。

窓の中には、芯の回転に合わせてクルトガ・マークが回転するギミックが仕込まれていて、そういう遊び心も素敵です。


ただ、芯を自動で回転させる仕組みであるため、どうしても独特の「揺れ」があります。
クルトガは、芯先がガッチリとしていないと駄目だという方には合わないペンですが、それもまた個性。
特にこういうテクノロジー・ペンは個性を認めて付き合って行く覚悟が求められるのでしょう。