2018年6月23日土曜日

最後の小型一眼レフかも?! EOS KISS X9の安心感は極上

個人的な好き嫌いは別にして、世界のカメラはもうミラーレスの時代に突入しており、フィーリング面などで優れるものの小型化に限界がある一眼レフは、もはや、一体いつまで生き残るだろうか?って事を考えさせられる状況に移っている・・・のかも知れません。

かく言う私も、もう世の中ミラーレスなのだから、四の五の言ってないで、キヤノンのEOS M(か、次の新型ミラーレス規格)を考えないといけないかなぁ・・・と悩むところ。



■EOS KISS X9の安心感はすごい!!

そんな中、キヤノンで最小最軽量の一眼レフ「EOS KISS X9」を思う所あって使ってみましたが、とてつもない安心感と納得感で笑顔になれました。

まず、操作性に何の心配も引っ掛かりもないのが凄い。


■安心の親指AF

EOS KISS X9で親指AFをするには、カスタマイズが必須。

これをして、背面右上の「田」ボタンで親指AFを出来るようにしたわけですが、ボタンの場所、角度、押し具合何の文句もなし。

このボタンですが、確かに、EOS KISS X9のモデルとなった「X7」と比較すると、プニャッと柔らかくなっていて、最初は「ん!?」と違和感があるのですが、何回も押しているうちこの感覚が癖になり(※個人差があります)「これはアリ」と思えるようになりました。

そもそも、ミラーレスのEOS M(EOS KISS Mや、EOS M6など)を使って親指AFをしてみると、EOS KISS X9のようにはいかないのが分かります。

EOS Mだと、親指AFボタンが、新感覚なのか何なのか、グリップの端っこギリギリに斜め角度で配置されており、個人的にはちょっと指が外れやすく不安に感じます。


■安心のマニュアル操作性

私はカメラを常時マニュアルモードで使うのですが、EOS KISS X9は、本当に何の不安もない安心の操作性です。

このあたりは、EOS KISS X7の美点を全部継承して、さらにパワーアップしているのです。

まず、EOS KISS伝統の「Avボタン」がしっかり生きている。

このボタン、長年のEOS KISSマニュアル愛好者の私からすると、死活問題なくらい重要なボタンです。

EOS KISSには、伝統的に「背面大型サブ電子ダイヤル」が装備されないまま来ているのですが、そのトレードオフとして十分に受け入れられるのがこのAvボタンです。

サブ電子ダイヤルを回して絞りを変えるか、Avボタンを押したまま上面電子ダイヤルを回すか、そのどちらでも良い!!と思わせてくれるからこそ、文句なし。

あと、背面液晶の表示を、「かんたん」から「標準」に変える必要がありますが、EOS KISS X7と同様に、「背面液晶が極めて優秀な操作パネルの役目を果たすようになる」ため、タッチが困難な過酷環境下での使用とかにさえなければ、逆に、時としてあのEOS 7Dすら超える操作性を生み出したりします。

このあたりは、非常に良い意味で、従来のEOS KISSの良さを全て継承しているため、全く不安がありません。


■さらなる操作性アップ

EOS KISS X9は、地道に操作性が磨き上げられていて使っていて非常に快適です。

地味に良いのが、[DISP]ボタンの存在で、ここは背面液晶のON/OFFをワンタッチで出来るだけのボタン。

「だけ」なのですが、この存在が地味に快適度数をかなり上げてくれています。

わずかのバッテリ消費も惜しく、すぐに背面液晶を消したい、逆に、すぐに表示したい・・・これが専用ボタンになっているのは地味にでかい。

急にどうしてこの場所にDISPボタンなのか?と最初思ったのですが、結構押す癖が付きそう。


■安心の光学ファインダー・シャッター周り

派手な高解像度EVFや、45点などの多点AFが花盛りの昨今ですが、EOS KISS X9の光学ファインダーは9点式。

しかし!! もともと、F/2.8対応の中央部1点は高い信頼性があり、それを継承しているのは良い事。

他の8点も、DiGiC-7の処理能力で改善されている望みもあるし。

そもそも、多点は、EOS 7Dほどの高い能力があればこそ生きて来るもので、そうでなければ、逆に意図しない位置にピントが気まくり逆に失敗の温床になりかねない。

むしろ中央部1点に賭ける方式のEOS KISS X9の方が、機械に振り回されない分、失敗が少ないのではないか?

このあたりは、同じAFシステムを採用するX7を使った上で体感しています。

それと、ファインダー倍率も、EOS KISS X7を継承しているため、KISS史上最大倍率の0.87倍が維持されており、さらに純正のマグニファイアを装着すると、1.04倍まで拡大が可能という楽しみもあります。

あとシャッター周りもX7の良さが継承され、さらにパワーアップしているのは凄い。

静音モードも、ノーマルモードも、気に入っていたEOS KISS X7のフィーリングが継承されているので文句なし。

むしろ、値段について厳しいコスト制限がかかるX9では、下手に新設計されていたら、さらなる低コスト化が予想され結果が怖い事になっていた可能性もあったか。

ますますX7の継承は良かったと思えます。


■さらにミラーレスも安心

・・・という、一眼レフの良さを全部備えた上で、EOS KISS X9は、しっかりミラーレスも安定しています。

EOS KISS Mに搭載された、DiGiC-8世代のミラーレスには負けてしまうとしても、そもそも、動体は中央部1点に賭けた光学ファインダーでかなり対応出来る上に、既にEOS KISS X9世代のミラーレス性能は十分に高いから問題なし!!

一眼レフのアドバンテージとしては、このようにハイブリッドという所も大きい。

ミラーレスでは厳しい所は光学で使えばいいし、逆に、三脚使用時などの光学で無理がある所はミラーレスが大活躍。

この選択が任意に出来る安心感は(従来からありますが)とてつもなく大きい。


■電源が安心

EOS KISS X9は、一眼レフなので、バッテリ消費なしで風景が見られるのは地味にグレード・ビッグ・アドバンテージです。

風景をしっかり見ながら時間をかけてシャッターを切るスタイルは、EVFでは、バッテリーが消耗して行く時間との戦いなので、写真カメラというよりかビデオカメラの世界になってしまいますね。

しかも相当にバッテリ食います。

立ち上がりの良さも全然違うし、逆にEOS KISS X9は、(体はちょいとだけ大きいけど)一眼レフのアドバンテージを全部持つ、新世代の安心型ミラーレスカメラ!!と言ってもいいかも知れない。