2018年10月11日木曜日

EOS KISS Mのサイレントモードを研究

いきなり我が家の主役カメラに躍り出たEOS KISS Mですが、全EOS初の完全無音「サイレントモード」が備わっています。


↑おっ、PowerShot Gみたいに!?といきり立つ感じ(PowerShot Gは元々無音で、スピーカーから録音したシャッター音を流すので逆ですが)ですが、ただし、制約があるのです。

PowerShot Gのように、どんな時でも無音に出来るというわけではなく、あくまでも、シャッター速度・絞り・ISO感度はオートになる「シーンモード(SCN)」、その中の「撮影方法=サイレント撮影」という扱いです。

たとえば、シャッター速度1/100秒、絞りF/5.6、ISO感度640のMモード撮影をしていたとして、そのままで音だけを消す・・・というような使い方はできません。

音を消したければ、モードダイヤルをMモードからSCNに変えないといけないわけです。


↑ちなみに、SCNは、特にサイレント撮影のためだけのモードではなく、他にも、料理モードや手持ち夜景モードなどさまざまなモードがあり、最後に使ったモードが記憶されるという仕様になっているのに注意が必要です。

今回の記事では、SCNは、そのままサイレントモードとして書かせて頂きたいのですが、このSCN、他にも興味深いモードが沢山あって、いっちょう使ってみるか!という気持ちになりますね。


↑(※写真は全て、EOS Rプレミアムセッションの模様で、サイレントモード撮影しています。)
EOS KISS Mのサイレントモードは「音が静かとかじゃない本当の無音」です。

PowerShot G5Xですらも、本の小さく「カチッ」とスイッチ音みたいな感じで音がするのですが、KISS Mは、場合によってはそのくらいの音は出るかも知れないですが、おおむね、ビデオカメラのフォトモードに匹敵するくらい無音です。

ただ、それだと、いつ撮れたのか??というのが分からないため、ファインダー(モニター)の周囲に一瞬白い枠がパッと表示される仕組みになっています。


↑さて、サイレント撮影の特徴を色々と研究してみたいと思います。

(1)シャッター速度、絞り、ISO感度は、やはりフルオート
 →ここでかなり引っ掛かる方がいらっしゃると思いますし、それは人情だと思います。
ただし、EOS KISSのオートモードは、正直言って、ハイエンドのプロカメラマンも真っ青なくらい優秀であるため、普段オートを使わないカメラマンも、これをきっかけにその威力を味わう事が出来る、という事で、KISSの異常に進化したオートモードを体感出来るチャンスと捉えると良いのではないでしょうか。
実際、明暗差の大きなシーンも、見事に表現していて、これが一発でパッと行けるのは文句なし。

(2)キーのカスタマイズはキャンセルされる
 →EOS KISS Mに備わった中堅機に近いキーカスタマイズ機能ですが、SCNにすると、全部キャンセルされるのに注意が必要です。
すなわち、AF/MFの切替はカーソルキーの左、親指AFは出来なくなり、シャッターボタン半押しのみ・・・つまり、工場出荷時の設定そのままという事です。

これはさすがに、使いこなしている人ほどに「あれれっ」となる混乱ポイントだと思われます。
私も、親指AFが効かなくなるので、1回間違えて押し直す・・・という感じになりました。

(3)フォーカスは他モードが継承される
 →Mモード等で、フォーカスをMFにしたりAFにしたりすると、サイレントモードにしても継承されます。
また、Mモード等で、AF方式を、ゾーンにしたり、顔認識・追尾にしたりすると、そのままサイレントモードにも継承されますね。

(4)露出補正は可能
 →ISO感度はオートのみですが、[Q]でクイック設定メニューが出せるので、そこから露出補正が可能(=ISO感度を低く抑えたり、高くしたり、おおまかにコントロール可能)だったりします。
ただし、露出補正は電源を切ったりすると調整前に戻ってしまうので注意が必要です。

EOS KISS Mは、もちろんフルサイズセンサーには負けるとは言え、ISO感度を高くしても非常にキレイであるため、ISO感度がオートでガンガン上がってもそんなに気に病む必要はないからかなり良い感じです。


↑サイレントモードは、EOS Rでは、「サイレントシャッター」として、一部の場面を除いて自由にサイレントが可能となりましたが、EOS KISS Mのモード式も、夜景などのマニュアル設定が必要な条件では厳しいでしょうが、通常の撮影では全く問題ないように思えます。

これはひとえに、繰り返してしまいますが、EOS KISS Mのオート能力が異常なまでに優秀という所に支えられています。

昔なら「オートしかできない」というのはひたすらマイナス要因でしたが、オート能力を極めているEOS KISS Mだと、特に問題も無いのではないか、と、穏やかな気持ちになれたり。


↑ISO感度6400でも、全然問題なくキレイなので、オートでISO感度がどんどん上がっても気にしなくて良いかも知れないです。

それと、大きなポイントなのですが、昔のEOSと違い、「オート」だからといって、JPEGのみしか撮影出来ないという事が無いです。

JPEG撮影では望めない、ディテールをしっかり残した、C-RAW、RAW撮影が出来ます。

C-RAW、RAW撮影が出来さえすれば、別にオートでも構わない、という時もあるのではないでしょうか。

それと話は変わるのですが、C-RAWは凄いです。

2000万画素のPowerShot G9X Mark2のRAWよりも、2400万画素のEOS KISS MのC-RAWの方が、ファイルサイズが小さいか互角です。

画素数が増える=ファイルが巨大化して迷惑!!という流れで、高画素は忌避していたのですが、C-RAWでまさかの逆転ホームラン。

EOS Rの3000万画素くらいまではなんとか耐えられそうです!!