2019年5月29日水曜日

EOS KISS Mを使った後でも魅力たっぷりのEOS KISS X7

世界最小最軽量一眼レフのEOS KISS X7ですが、ミラーレスに真っ向から対抗出来るミニ一眼レフとして、今や伝説名機になった感がありますね。

本当にミラーレスの(しかも中級機の素養を持った)EOS KISS Mが登場した後でも、その威力を感じる事は出来るのだろうか?? そういえば、今まで全然試して無かったなと思い出し、いよいよEOS KISS Mと一緒に持ち出してみました。


結論から言うと、EOS KISS X7は、ミラーレスカメラが逆にヤバさを感じなければならない!!というくらいに高い威力と深い魅力を堅持していて、キヤノンはこれを生産中止してしまって良かったのか?と言いたくなるくらい優秀です。

一眼レフとしては英断とも言える小さなグリップと、だからこそ生み出し得たオンリーワン・デザイン、そして、実利である「体感上で極めて小さく感じる事」全てが高次元でバランスしていて、EOS 7Dにも匹敵する永続性があります。


↑実際に撮影しても、これはもう、文句なしに一眼レフの醍醐味を存分に味わえます。

シャッターモードが「通常」と「静音」の2種類あるんですが、それぞれに独自の魅力があるため、大げさに言うと良いカメラを2台分買ったのに匹敵すると言ってしまいましょう。

通常の「パッキュ!!」という力強いフィーリングと、静音の「シャカコン」という慎ましいフィーリング、どちらも目が覚めるほど素晴らしいです。

あのパーフェクトなEOS 7D Mark2も、通常と静音で2つの大きな魅力を備え持っていますが、今だからこそ、EOS KISS X7を同列に語っても良いくらいです。

EOS KISS X7は、商売上は、後継機のX9とX10が出ており、そちらもとても良いカメラではありますが、X7の後継機というよりは「別シリーズのミニ一眼レフ」であり、やっぱりX7の後継機は登場していない、もしくは、ミラーレスのEOS KISS Mが後継機であるという印象です。


↑EF-S 24mm F2.8 STMレンズで撮影してみました。

光学ファインダーは、どこに行っても「9点式AF」を揶揄されますが、中央部1点は、F/2.8対応のクロスセンサーであり今もってその信頼性に陰りはありません。

ミラーレスと違い、純正のマグニファイヤーを装着出来るので、ファインダー倍率を1.02倍(相当)まで拡大出来るのも選択肢として嬉しい点ですね。


↑光学ファインダーは、通電していても通電していなくとも、どんな場合、どんなタイミングでも被写体を確認できるのはあまりにも大きい。

しかも、EOS KISS X7の起動速度はわずか0.1秒。

ミラーレスのEOS KISS Mは、ディープ・スリープからの復帰に何とその20倍以上も長い時間を要するため(EVFが消灯したままで見えない)、一眼レフとの差がまだまだ大きい事を実感させられますね。

しかも、撮影していると、EOS KISS X7は、操作性も極めて優秀なのが分かります。

小さい、小さいと言われる本体ですが、全く問題ないです。

私は常時マニュアルモードで運用してるのですが、絞り値を変化させるためのAvボタンの位置がとても自然なのがあまりにも大きい。

たとえあのEOS 7Dと並べて使っても、KISS X7に大型サブ電子ダイヤルが非搭載って点を、特に不満に思わなくて済んでいるほどレベルが高いです。

背面は固定液晶ですが、本体との美しい一体感があるため、可動でなくとも全く不満が無い上に、一体感があるからこそ、操作パネル感覚で使えるため操作性もむしろ快適です。


↑EOS KISS X7は、撮影していてとても楽しいですね。

ミラーレスとしては、旧世代の「ハイブリッドCMOS AF2」という方式なので、スムーズに対応出来るレンズと出来ないレンズで差がついているのと、動体向きではないという特性はあります。

ただ、動体は別に一眼レフで撮ればいいし、使い分けられるのはありがたい。

現在キヤノンが鋭意開発中の、EOS 7DとEOS 1Dを置き換えられる超レベル次世代ミラーレス方式が軌道に乗った後であればともかく、現状は、ミラーレスと一眼レフのハイブリッドカメラの安心感はとてつもないものがあります。

EOS KISS X7の心配は、やはりその耐久力ですね。

EOS 7Dと同じくらい一生もののカメラと思っていても、クラス的にどうしても部材や構造は緩くせざるを得ない。

でも生産中止されてるから、代わりはないし・・・。

もう一台買っておくべきだったと思わずにはいられない一台ではありますね。