2010年8月3日火曜日

EOS 7Dは、やはり映画カメラ並みのハイビジョンカメラ

体の大きさはある程度課題だとしても、写真機としては、もうこれ以上望むものが無いくらい素晴らしい出来映えのEOS 7D。
ではもう一つの顔であるハイジョンカメラとしてはどんなもんなのか

まず、画質面では、プログレッシブの29.97フレーム/秒映像で良しとするならば、もうこのカメラを超えるものなど必要ないと思うくらい完璧です。

全てのEF/EF-Sレンズが使えるので、超広角撮影も、背景のぼけも思いのまま。
今回掲載させて頂いた映像は、EOSムービーからカメラ付属のユーティリティ(ZoomBrowser EX)で静止画を切り出したものを、PSPの壁紙にしてもバランスの良い横960ドットに縮小したものです。
元々は1920x1080ドットですが、この状態においては、ハイビジョン映像からの静止画切り出しにもかかわらず、かなりのクオリティ。もちろん2L判の印刷に耐える高画質です。
全てマニュアル撮影。蝶以外は全て蔵王です。

長年ああでもないこうでもないと悩み続けているビデオカメラから見れば、この早熟ぶりは一体どうしたもんでしょうね。
EOSムービーは、まだ全然始まったばかりの世界なのに、もう画質面で極限まで到達しているのは、ちょっとどうなのかと。

キヤノンが誇る新世代の1800万画素APS-Cセンサーは、感度とか解像感とかダイナミックレンジとか、ビデオカメラが散々悩んでいた問題を全く問題としておらず、あまりにも別次元過ぎて気がつかないレベル

ただし、今さら書くまでもない事でしょうけれど、このEOS 7Dの動画撮影は、普通の難しさではないです。録画ボタンを押せば良い画が撮れる事は無いと思った方が良いです。
ビデオカメラの代わりに買うのはやめた方が良いです。
練習して、自分に合う方法を試行錯誤して、しかるべく撮影して初めてどうにかなるという感じで、どっちかといえば、高性能ビデオカメラに慣れた人ほど使えなさそう。その意味では、写真から入った人の方が向いているかも知れません。操作性は写真機まんまだし。

ただ、EOS 7Dの癖を理解してしまうと、全方位のカバーは無理ですが、驚くほどに快適に撮影できのも確か。

まず、ビデオカメラと決定的に違う点は、撮影途中のオートフォーカスが事実上使い物にならない前提でもって、撮影するという心構えです。これは、そういうものであって、最初にフォーカスを決めてしまって撮影するものなのだ、そういうものなのだ、と理解しちゃえば良いんです。

くれぐれも、液晶を見ながらピントを合わせる「ライブモード」は遅い上に信用できないので使わない方が良いです。
最初にピントを決めてから撮るのだと理解してしまえば、具体的な対策として、液晶の表示を一瞬中断してしまおうともいいから、超高性能が約束されている「一眼レフセンサー」を使う「クイックモード」にすべき。

AFボタンで一瞬でピントが決まる速度は、少しでもストレス軽減に役立てましょうというところです。
また、フォーカスは液晶で5倍と10倍に拡大して厳密にチェックできるので、フォーカスアシストを持たないビデオカメラとは比べられないくらいピント面では逆に問題が無いのも嬉しい点。

その後はどうか。
マニュアルモードであれば、シャッター速度や絞り、ISO感度、ピクチャースタイルなどなど、写真機まんまの操作でいけるので、確かに面倒で即応性はないとはいえ、変に迷わない分快適です。
画質は、ピクチャースタイルでかなり好みに変更できます。
コントラストを低くしてダイナミックレンジを広げるとか、色を薄くするとか、かなり自由に追い込めます。

ビデオカメラの世界をまず一旦無視して、写真機としてのEOSの作法を持ち込んできたという成り立ちを理解して、全く新しいハイビジョン機材として捉えれば、AVCHDを遥かに超える40Mbpsオーバーのビットレートや、リニアPCM記録の音声など、新世代を満喫できるはずです。

簡単ではありませんが、その威力は絶大なので、これは頑張るしかないでしょうね。