2012年10月10日水曜日

ちゃんと洗浄したモンブラン、魔法のような大活躍

昨日、意気揚々とモンブラン万年筆を仕事に投入してみましたが・・・何と途中でインクが出なくなってしまって撤収せざるを得ませんでした。

私のこのモデルって、おそらく安いやつなんだろうけど、でも安いってもモンブランだからイイ値段するだろうし、相当昔のやつ(死蔵して10年くらい?)という不利もあり、故障なんかしてたらアウトっぽい。
頼むから、今回のは故障じゃなくて洗えば治る症状であって欲しい・・・!!

というわけで、ネットを調べて万年筆の正式な洗浄方法というのがあるのを知り、その通り以下の手順でもって洗ってみました。

(1)桶の中にぬるま湯を張る

(2)万年筆から首軸を外し、インクカートリッジも外す。

(3)それを桶のぬるま湯の中に浸けて一晩おく。

(4)一晩経過したら首軸を取り出し、流水ですすぐ。

(5)しっかりと拭き取り、乾燥させる。

以上を守り、ドキドキしながら本日仕事でリターンマッチ。

「おおっ、まるで魔法だ!」 と言いそうになるくらい滑らかで漆黒の書き味が、滑らかに途切れる事なく続いてくれました。
嬉しいのはもちろんですが、安心して泣きそうになりました。

一夜限りの夢とかで終わったら悲しいもの・・・。

ただ、ちょっと気になるのが乾燥のしやすさです。
エアコンの風が直接当たる場所で仕事してるんですが、30秒とかそこらでペン先のインクが乾燥してしまうんですよー。

乾燥するとインクが紙に乗らなくなって非常にビビリます。
ちょっとペンを空走させれば、すぐにモンブランの魔法の書き味が戻ってはくれるんですが、心臓に悪いのであります。

まぁそれも万年筆の個性なのかなぁ・・・。

ちなみにこのモンブラン、私が母から受け継いだ「プラチナ万年筆社のポケット」と比較すると、ペン先が非常に美しいまま保たれてます。
「ポケット」が、ペンポイントが摩耗して何も無くなっていて、ペン先本体の18金で書いているような状態なんですが、モンブランは、イリジウム(イリドスミン?)の玉が丸々残っている感じなんです。

うまくすると、まだまだ長く使えそうですね。


(追記)
その後、A4用紙一枚分くらい書くとまたインクが出なくなってしまいました。
おかしいと思って調べてみると、どうもインクカートリッジが経年劣化して、中身のインクが半分固まっている状態のようです。
インクカートリッジの中をのぞくと、真ん中のインクだけがペンに流れてきて、周りは固着してバウムクーヘンみたいな形になってました。

それもそのはず、このインクカートリッジは、入っていた紙パッケージが黄色く変色するくらい昔のもので、値札シールの百貨店はもう仙台に無いくらい昔のものなんです。

インクが使えていたのはラッキーだったと言えるでしょうね。

それと、話は代わりますが、正体不明だったこのモンブラン万年筆、ネットでしゃかりきに調べてもよく分からなかったのですが、速攻で廃番になったSライン シルバーラインというモデルらしいのです。
廃番が早すぎて数が少ないらしい。
あまり人気が無かったのかなー・・・でも、個人的に「細身でシルバー」の万年筆は好みなので、もしも現代に新品でこのまま販売されていたとしたら「欲しいなー、欲しいなー」と熱に浮かされていたと思います。

■おまけコラム

万年筆のペン先の先端は「ペンポイント」と呼ばれていて、ここは非常に硬い貴金属の塊で強化されています。
硬い貴金属とは、イリジウムや、イリジウムやオスミウムの自然合金「イリドスミン(イリジウムの割合が多い場合)」「オスミリジウム(オスミウムの割合が多い場合)」が主に使われているようです。

超硬度なので何百万文字も書く事が出来る程の耐久力をペン先に与えてくれていますが、一般には、このイリジウム等の強化部分が磨り減って無くなったら寿命と言われています。

普段あまり馴染みのない貴金属も、万年筆ではバンバン出てくるので新鮮な気持ちです。

貴金属と言っても、金・銀・プラチナまでという方も多いのではないでしょうか。
万年筆の世界だと、オスミウム、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウム・・・と全ての貴金属が出てくるのでこれまた新鮮な気持ちになれますね。