ついに、一時は日本では売っていないのではないか?とまで心配し悶々としていたシャープペンシルを手に入れる事が出来ました。
その名は、スイスの名門カランダッシュ社の傑作「カランダッシュ849コレクション・ペンシル・シルバー」です。
実は849のボールペンの美しさと高い実力を知っていたため、849ボールペンを握るたびに、「ああこれのシャープペンがあればなぁ」と落ち着かない事になってました。
ネットを見て849に「ペンシル」の文言を見た時は、もう全身の血管に電気が流れて即発注!!でした。
紙製のケースの中から、いよいよカランダッシュ849を取り出すと、さすがはカランダッシュ。
いつもなら剥がすのに苦労するバーコードシールですが、カランダッシュはシールを軸にベタ貼りするような事はせず、むしろ、プラ製の保護カバーのような形態となって軸を守ってさえいます。
バーコードのカバーですが、剥がしやすいようにミシン目まで入っており、実に簡単に外す事ができます。
こういう配慮は、メーカーが自分が生み出した作品 "筆記具" への敬意すら感じられて、手にさせて頂くこちらとしても、背筋が伸びる思いです。
シール剥がしたら糊がベットリでは悲しすぎますものね。
おぉこれだ!!ボールペンと同じ美しさだ!!
これだ、これだ、これだーっ!!
抑えきれなく、轟々と燃え上がる喜びの心。
ペン尻のノックは、ボールペンでは「すっ」と非常に静粛にペン先を繰り出していましたが、ペンシルでは「カチッ、カチッ」と小気味よいメカニカルサウンドを奏でてくれます。
ペンシルだともっと細くなっているのではないか? と心配したノックパーツも、そのままボールペンと同じボリュームで、心から気に入った849デザインが維持されているのは何よりです。
ノックをすると、収納されていたリード・スリーブ(パイプ)が、0.7mmの強靭芯と共に繰り出されます。
製図用シャープペンシルほどではないにしろ見晴らしも良く、ちゃんと水準以上の剛性も確保されています。
カランダッシュ849コレクション・ペンシル・シルバーは、ラッカー加工の層に守られた落ち着いたグレーシルバーの色彩が、見目麗しい繊細なラインを描く軸にうまく噛みあい、落ち着いた大人の美貌に恵まれたペンと言えるでしょう。
重心は、特徴的なカランダッシュ・フォームのクリップよりやや下くらいの高い位置にありますが、ちょうど手に接して支える部分に置かれているため、非常に安定して心地良いですね。
実際に筆記すると、とにかくバランスが良くて筆が大変に進む感じです。
0.7mm芯は、最初から入れてもらえているサービス芯をそのまま使わせて頂いておりますが、やや硬めのHBかな、ノートにも手帳にもメモにも過不足の無い丁度良い線が書けて、待ちに待った甲斐のある手応え。
ペン軸は、ラッカー加工の手触りが優しく、かつ滑りにくく、金属由来の根源的な強さと熟考されたバランス設計、良いもの同士が高い相乗効果を出しあってくれて、もはや「書くヒーリング・ツール」に昇華している印象です。
本当に出会えて良かった。