今回の記事では、ドイツはラミー社初の日本人デザイナー、深澤直人さんの手による「ラミー・ノト・ブラックシルバー」について書かせて頂きたいと思います。
このノト、その響きからピンと来られたかも知れませんが、デザイナーさんの名前「直人」から来ています。
日本語を言いやすいようにした(醤油->ソイソースとか)パターンかな。
しかし、そこまでするとは、ラミー社はよっぽどこのデザイナーさんの仕事を気に入ったんだろうなって思えてしまいますね。
ラミー社のペンとしては求めやすいのですが、れっきとしたドイツ製です。
ラミー・ノトは、樹脂に木肌加工を施したラミー2000や、マット加工したスクリブルと違って、コスト的な話もあったのかも知れませんが、比較的、樹脂の質感をそのまま出しているタイプのペンです。
このため、質感の話をしてしまうと、角度によってはやや物足りなく感じてしまう事もあるかな?というのは否めません。
私が購入させて頂いたのは、シルバー塗装を施された「ブラックシルバー」バージョンですが、このシルバーも「塗りました」感が強いのもあって、ノトはこと質感においてはやや不利と言わざるを得ない・・・というのが、正直な第一印象でした。
ただ、ノトの魅力は、決してデザイン優先ではなく、優れたデザインがそれで終わっているのではなくて、全てが使いやすさに直結している点にあります。
ノックは、静粛性にこだわるラミー社のボールペンの中でも特に静かで、もはや無音と言っても差し支えありますまい。
ノック中にどこかにパーツが擦れるような感覚もなく、もはや言うべき事のないメカニズムです。
また、丸みを帯びた大きな三角軸は、握りやすさ満点。
ラミー・ノトのスタイリングは、これまたオフィスなど堅い場所でも非常に映えます。
実際に仕事に投入してみましたが、程よい全体のカジュアル感が緊張感をほぐしてくれます。
そして、航空機のように長くて滑らかに絞りこまれていくペン先や・・・
ノトの大きな特徴の一つである、ズバッと切り込まれたように見せるクリップなど、堅い場所の空気をふんわり溶かしてくれる力がありますね。
ノトの書きやすさは、ラミーというだけでなく、あらゆるボールペンの中でも屈指の出来栄えなのではないでしょうか?
形状が優れているために握りやすく、見た目よりも重さがあるため、手の中での落ち着きも良い。
リフィルのLM22も、油性らしい重みあるタッチ。
乾燥が早いのか、書き出しの一発目でインクが出にくい癖はありますが、一旦書き始まれば快適なので、味付けとして楽しむことも可能です。