日本が生み出した世界に誇る家庭用のスーパーコンピュータ・ゲームマシン「プレイステーション4(PS4)」。
日本では世界に比べて売れてはいませんが、携帯ゲーム機のヴィータさんもそうですが、これは良いマシンだと心から思えるからこそ、全然心配していません。
今回の記事では、PS4がなぜ凄いのかを簡単にですが、熱くまとめてみました。
■ソニー独自設計のパーツが凄い!!
PS4は、誤解されている方もいらっしゃいますが、単にAMD社が売っているAPU(CPU+GPU)を安く買ってきて適当に搭載してOKってやつではなく、ゲームで威力を発揮するように、ソニーが特別な設計を施したPS4専用開発品(PS4-APU)となっています。
PS4-APUは、とても強力な数値演算能力を発揮するように設計されています。
CPUの8コアはもちろんですが、GPUの支援が半端な強さではないのです。
元々18もの処理ユニットを備え、極端に強力な数値演算能力を持つPS4のGPUですが、グラフィック描画と汎用処理を自由に両立できる仕組みを作りこんでいます。
大雑把に言うと、CPUが処理で苦しい時に、GPUに余力がある場合は助けに来る仕組み。
このあたりは、PS3で新規開発した、いまもって超強力な数値演算能力を誇るCellプロセッサの知識と経験と実績があってこその大成功と言えるでありましょう。
PS3のCellプロセッサの巨額投資はネガティブな話題にもなりますが、Cellやってからこそ、今のPS4が誕生出来たというのは忘れてはならない大きな点だと思います。
また、容量8GBを持つメインRAMですが、これはCPUとGPUから区別なく自由にアクセスする事が出来る設計になっており、ここもソニーが「凄いゲームを実現するためにどうするか」を元に考えた美点となっています。
■トータル設計が素晴らしい
PS4は、凄いゲームを実現するためにソニー設計が反映されたPS4-APUやメモリだけではありません。
完全ソニー独自のセカンダリー・プロセッサが備わっています。
常時ゲーム動画の録画や、ネットワーク処理、背後で同時に進行するインストール処理などなど、ゲームに直接関係ないけれども同時にやらないといけない重要な処理を、ゲーム処理に影響を出さずにこなしてしまえる構造になっています。
また、携帯ゲーム機のヴィータ(PSVITA)とのリモートプレイですが、リモートプレイ用の映像を作り出すハードウェアも備えており、一つ一つのパーツだけでなく、全体の力でもって、より凄いゲームを動かす事が出来るようになっています。
また、ヴィータもそうなのですが、強力なハードウェアを出来うる限りゲームに全力投入できるように組まれたOSの存在も大きいのです。
このように、PS4は、いかにして限られたコスト、技術の中で、ゲームを最大限に凄く進化させる事が出来るのか?を真摯に考え抜いたマシンであり、世界のゲーム機の歴史における金字塔であります。
このため、おそらく、将来、単に性能の数字が良いパーツだけ並べたマシンを作ってみただけでは、PS4に思わぬ苦戦をするのではないかと思われます。
また、ソニーにとっても、ヴィータとPS4が終わりではなく、より深くコツを掴んだため、この先のヴィータ2(PSVITA2)やPS5と言った、さらなる次世代機でもさらなる躍進が期待できるのではないでしょうか。
個人的にはPS4より凄いマシンが出ても、もはや分からない世界になっていますが・・・。
PS4は、突然ソニーが「そうだ作ろう」と思って生み出せたものではなく、PS1、PS2、PS3と脈々と培ってきた技術の集大成で、時として採算度外視で血を流しながらゲーム技術の発展に尽くしてきた努力という宝の結晶だと思います。
Cellプロセッサの開発も、ふりかえれば世界を変え、新しく進めた功績は絶大で、大成功と言うほかありません。
お金儲けがへたくそで、色々言われるソニーではありますが、この頑張りには素直に敬意を表したい。
これからもかなり大変な道のりが続くと思われますが、熱く期待して行きたい!!