2017年8月20日日曜日

銀塩写真の素晴らしさに今さらショック。MP600で銀塩デジタル化開始。

今やカメラと言えば問答無用でデジタルですが、家の片づけをしていたら、数十年前の親の写真とか、私が生まれた時の写真とか、大量も大量の銀塩写真が出てきました。

そこで、長年愛用しているキヤノンの複合機MP600にて銀塩写真をデジタル化開始しました。

私はデジタルカメラの黎明期にすぐデジタルカメラに突入してしまったのですが、今さら銀塩写真の素晴らしさに大いなるショックを受けてしまいました。

今回の記事ではその辺の話を書かせて頂きたいと思います。


まず、キヤノンMP600について書かせて頂きたい。

この複合機は、本当に心から気に入っていて、特にデザインは史上最高です。

発表時に「なんだこのプリンタ欲しい!!」と目を見張ってから、本日まで、ずっとお気に入り。

シルバー塗装と、ピアノブラックに輝く樹脂のトーンも笑顔です。

9600dpix2400dpiの5色インクによるプリントも申し分なし。

キヤノンとしては、いいからそろそろ買い替えしろよ!!と言いたいところでしょうが、ようやく、MP600に近いくらい良いなと思える「ピクサスTS8030」というのが出て来たので、買い替えじゃなく、買い増しとして考えたいなーと。


いかんいかん、MP600をほめる記事になりかけている!!

今回の主旨は、このイメージスキャナ機能によって成り立っています。

銀塩写真をスキャンするためのキーデバイス。

スペックはCIS方式(立体物は正確にスキャン出来ない薄型方式)で2400dpi x 4800dpiの16bitカラー。

文句なし。

付属ソフトウェアで銀塩写真をスキャンする時は、600dpiが最高になってたので、600dpiでスキャンをしてみました。

ちなみに、サービスプリント(L判)だと、最大で約470万画素相当、結婚式の写真とか大きなサイズだと、1400万画素にも到達してくれます。

16bitカラーだから諧調も緻密。

申し分のないスペック!!・・・だがしかし、この事が、オリンパスの81万画素CCD登場と共に早々と100%完全にデジタルに切り替えた私の心を、いまさらながらチクチクと刺してくれる事となりました・・・!!


付属ソフトは、キヤノンの公式サイトのソフトウェアダウンロードから入手します。

古い製品なんで、対応OSはWindows7用のみ、とはなっておりますが、実際にはWindows 10でも構わず使用する事が出来ました。

いよいよ、昔の銀塩写真をスキャニング!!

ちゃんと隙間を開けて写真を並べると、サービスプリントサイズなら、最大で5枚は同時に600dpiでスキャン出来ます。

300dpiだとスパーーッと素早くスキャン出来るのですが、600dpiだと、ジジジジジジジジジジ・・・という感じで、かなり長いです。

この待ち時間を活用して、大量に出て来た(ずっしり重たい)アルバムから、写真をバリバリはがす作業を延々とやってました。

数十年前とかになると、なんかもうアルバムの台紙と完全に癒着してて、ハサミで切り取る作業に・・・。

どんどんデジタル化が進行してゆく銀塩写真。

銀塩写真なんか、古くて色あせしてて、どんなもんよ!?と甘く見ていたら、とんでもない事になりました。


親が、その昔、シンガポールに旅行した(本人は香港と言っていたけど、シンガポール?)時の写真です。

当時は、もちろんデジタルカメラなんかありません。

しかし!!今、600dpiで、極めて十分以上な470万画素(サービスプリントと言っても微妙にサイズが変動してて一律ではなく450万から470万くらい)。

カラーは、16bitカラーで、銀塩の豊かな情報量をほぼそのままデジタル化。

な、な、なにい!!とーーっても良い感じ!!

しかも、デジタルのようなギスギスしたものではなく、ふわっと味のある、あの憧れの銀塩そのまんま!!そのまんまなのは銀塩写真だから当たり前だけど、そんな感じ!!


胸を突きさす、果てしないノスタルジック感。

デジタルでは絶対に不可能な世界がそこにあった。


何十年もの時を経て蘇る銀塩写真。

これは・・・なんという味の良さだろう。

600dpiだと、銀塩特有の粒状感もそのまま取り込む感じで、勝ち負けじゃないけれど、デジタルでは絶対に勝てない!!

絶対的な敗北感にうちのめされてしまう。

へっ、古い写真なんぞ・・・などと甘くみていたら、逆に、デジタルが到達できない銀塩の世界の厚みに軽く吹っ飛ばされてしまった。

ううううーーーむ。

デジタルが捨てたり、忘れている世界が、あった!!

もちろん、今から、こういうノスタルジックな画質を作って欲しいなどとは言わないし、こういうのはデジタルフィルターで作るべきものでもないと思うけれど、その分、ショックは大きい。

まぁ、そういう感情の部分は封印して語らないとしても、なんか、早々とデジタルに移行して良かったのだろうか?という思いは出て来てしまいますね。


かなり昔の写真も、600dpiなら、470万画素で色も銀塩まんまでデジタル化できてしまう!!

デジタルカメラは、超高額で普通の人は買えないようなデジタル一眼レフが、2000年越えたあたりにようやく何とかなり始めたくらい。

それまでのは、もう、単純に現像の手間がいらないという部分特化で、画質はかなり厳しいレベル。

早々と高くて画質が問題外のデジタルカメラに移行するより、そう、あのEOS 20Dが登場するまでは、銀塩のEOS 7あたりを買って粘れば良かったかなぁ・・・とか思ったり。

まぁ、当時、デジタルカメラというだけで銀塩写真カメラマンから鬼のようにバカにされていたけど、画質面では反論できないっすね。

EOS 20D登場までとか言ったら極端でも、少なくとも、PowerShot G3登場までのデジタルカメラは、ノスタルジックとか無いですねん・・・。

古いデジタル画像は、見るだけで、懐かしいじゃなくて「ぐわぁ・・・」という溜息が出てしまう。

たとえば、映画で言うと、昔のミニチュアの特撮とかって、ちゃちいとか思わないわけです。

知恵と工夫で撮影した結果に「うわすげぇーなこれは」としか思わない。

古いCG映画なんて「んー(完了)」で終わり。

ちょっと違うけど、言いたいことが分かってもらえたら幸いです。

というか、というか(2)、デジタル化なんか、こうして後からいくらでもやれるわけで、銀塩で何年かやれば良かったかなぁ。

なーーーんて今さら思ったりしちゃわされちゃうわけじゃいじゃい。

銀塩写真の味ってすげーですな。

今さら銀塩のEOS 7が欲しくなったり・・・って、さすがに、もう今はデジタル一眼レフがずらり立派に「成人」してるわけで、今から戻るのは無いか。

あーーー銀塩すげぇですな。

これからは、より一層銀塩をリスペクトして生きていきます。