なんかこう、ホラー映画でズガンと気に入ったものが最近観る事が出来ていない・・・!
リングとか、着信アリ(初代)とか、エスターみたいな、ガツンと来るようなのは無いものか・・・。
などと毎回思いながらホラー映画を観るわけですが、今回はついに(個人的に)大当たりが出ました。
「クワイエット・プレイス」は、既に世界が滅ぼされてしまった後という時代!
しかも、大きな音を立てると、どこからともなく化け物(世界を滅ぼした元凶)が現れて殺されてしまう!!という苛烈な世界観の中で、数少ない(と思われる)生き残りの一家の日常が描かれて行きます。
音を立てたらいけないったって、どうせ大した事ないんでしょ? その設定途中で忘れたみたいなアクション映画になっちまうんでしょ?などと、かなりなめ切った態度で鑑賞に臨みましたが、前半で背筋を伸ばして襟を正して鑑賞するくらい、気合の入った映画になってました。
正直、ここ最近で見た映画の中では一番良かった!!
確かに一部粗い所はあるものの、長らく待ち望んでいた傑作ホラーが観られた!と言って良いかと思ってます。
というかめちゃくちゃ面白い。
音を立てたらいけない、というのが、かなり徹底してます。
なんと前半は手話で話が進行し、セリフなし!!
吹き替え版を作っても意味なしの映画になってます。
音を立ててはいけない場面がかなり長く丁寧に描かれ、段々と「え、ちょっと長くねー?」と観客もさすがにイライラして来るのですが、それはもう監督の思うつぼというやつかな。
このイライラによって、いかに音を立てるのが深刻な事なのか、ふと他人事だった観客にも何か自分のことのように刻み込まれて行きます。
時間をかけて下地を作る・・・昔はこの手法をとる映画も多かった気がしますが、今は誰もかれも辛抱しない時代なのでその手法は敬遠されがちで、やってくるのは逆に新鮮。
音を立てると殺しに来る化け物も、この手の映画は姿を現したら白けると思うと、そうじゃない。
主人公が、兵士でも何でもない普通の一般家庭なので、化け物に対抗なんか最初から出来るわけもなく、恐怖感は生半可じゃない。
怪物は盲目で音を立てない限りは大丈夫というのがまた随所で生かされてて怖い。
この化け物、音を立てると、テレビだろうと小動物だろうと、何がそうさせるのかブチ切れて速攻でブチ殺しに来るので本気で怖い。
標的が人間だけじゃなくて全部というのが今までに全然いない恐怖。
正直、個人的な感覚では、初代のプレデターよりもこっちの方が遥かに怖いです。
そんな中、家族の母親が急に出産・・・。
いやいやいや、それは音を立てないわけいかねーーわ!!
どーーーすんだよ!!絶対にもう、どーーなんのーーー。
もう、椅子から立ち上がりそうになるくらいの盛り上がりですわ。
女性の強さ、母の強さに感動します。
もうね、この時代に、今さらホントこんな良いホラー(サスペンス?)作れるものなのか?と怖いのに嬉しくなってしまう。
化け物も怖いし。
ちなみに、化け物は、まぁ世界が滅んでいるくらいだから、アメリカ軍すらも歯が立たなかったんでしょうね。
なんか鉄の壁は一発で大穴開けるし、スピードは超速いし、皮膚は装甲になってたり、アメコミの強敵かよ。
アメコミの強敵に、普通の一般家庭が直面とか、無慈悲過ぎてもう大変です。
一体どうなるのか!? ラストはちょっとアメリカ映画っぽい感じはあるけどもう一回観たい。
ちなみに、この作品は、決して娯楽一本やりではないので、飽きずに観る事が肝要です。