2018年9月30日日曜日

EOS KISS Mで雨の秋保大滝へ。初の4K本格撮影開始。

前回、EOS KISS Mの4Kムービーテストを終えて「これならば、ずっと使いたいと思える」と判断出来たため、いよいよ4Kでの本格撮影に入る事としました。

あいにくの雨降りでしたが、EOS KISS Mは、レンズ交換式カメラとしては破格の、小さなサイズと高画質を両立したカメラなので、傘を片手に本格撮影する事すらも可能と踏んでそのまま秋保大滝に出発しました。

秋保大滝の滝つぼは、足元が極めて悪く、雨や雪の日は、特に手足を使って進まないと滑って転んで怪我するほどの場所ですが、小さなEOS KISS Mと共にであれば、全然問題なしという判断です。


↑4Kムービーですが、フルオートはやめて、マニュアルにし、以下の基礎設定をしました。

(1)シャッター速度は1/60秒に固定し、これは動かさない。

(2)レンズ光学補正で、色収差の補正は行う。

(3)ピクチャースタイルは「ディテール重視」。

(4)高輝度側階調優先をONにする。

--------------------------------------------------
上記を固めた上で・・・

(5)ISO感度と、絞りは、その場に応じて変更する。
  ※今回はISO感度は1250、絞りはF/8がメイン。

(6)フォーカスは、MFにして、オートフォーカスは使わない。

・・・という事にしました。

EOS KISS Mは、従来の(EOS KISS X7以前など)機能省略タイプのEOS KISSとは全く異なり、中堅機の要素がかなり入ってきています。

たとえば、ピクチャースタイルやレンズ光学補正はモードで独立して設定できませんが、シャッター速度や絞りは、動画モードと、写真のマニュアルモードで別々に記憶してくれるようになっており(!!!!)非常に、非常に、非常に助かりました。

これなら、固めた設定をダイヤルに記憶しておける「Cモード」が無い・・・という、EOS KISS Mにして、まだ引き継がれる制約に苦しむ事が劇的に少なくなります。

ムービーはどうあってもシャッター速度1/60秒で撮りたいので、Cモードが無いと、逆に1/60秒ばかりでは撮るわけがない写真と混ぜて使うとなると、大変な苦労になるわけです。


↑いよいよ、秋保大滝の滝つぼに降りて行きます。

三脚は使わず、手持ちのみ。

動画の時に発揮される「ボディ内5軸手振れ補正」がしっかり搭載されており、これがまた実に強力で、4Kを大画面プラズマテレビで鑑賞しても、画のふらつきが気になる事は特にありませんでした。

EOS KISS Mは、よくキー数が少ないと言われますが、実際にそれが原因で苦労するのか?と言われると、特にそんな事は無いです。

EOS KISS Mだけに限らず、キヤノンのカメラは、タッチパネルが実に優秀な「操作パネル」として機能するため、むしろ、パネルによって操作ボタンは数多くて分かりやすくて使いやすいとさえ言えるほど。

よりキー数の少ない一眼レフのEOS KISS X7でも、キー数の少なさで苦労した事は全くありません。

キヤノンの、タッチパネル・ハードウェアキーのハイブリッド設計は、とてつもなく優秀と言えます。


↑雨降っている秋保大滝の瀑布!!とんでもねぇ量の水滴が襲って来ます。

EOS KISS Mは防塵防滴構造にはなっていないため、タオル防衛が必須で、このあたりは体の小さなカメラならではの技です。

傘を片手に水滴も防御しながらの撮影ですが、片手撮影がまるで苦にならないほど、EOS KISS Mは小さくて軽い。

正直、この段階においては、もう人情としてさすがに体の大きなカメラは使いたくないと思わされます。

そして、フォーカスですが、完全にMFです。

MFは不安な思いもあったのですが、結果的には快適!

EOS KISS Mは、ミラーレスの特性もあり、MFを積極的に使いたくすら、なります。

さらに援軍となっているのが、EF-M 15-45mm F3.5-6.3 STMレンズの美点。

とにかく全長が極めて短いため、ピントリングを片手でも微調整出来るほどで、しかも、リングがスカスカではなく、ほどよい調整感。

EVFには、マニュアルでピントが合った位置に「青色でマーキングを入れる」ピーキング機能をONにしてるので、手早くピント合わせも可能。

このピーキングは、本当に凄いです。

もう、ピーキング無しのカメラを買うのは怖くなるほどの高い効果に助けられまくりです。


↑画質ですが、さすがに830万画素だけあって、水しぶきまで表現できています。

正直、4Kというよりは、フルハイビジョンにダウンコンバートした時の濃密感が凄く、「コンプリート・フルハイビジョン」という印象です。

なんやかんや、映像ソースは、同規格のモニタに映すのがベストではなく、一つ上の規格のダウンコンバートがベストかなぁと。

だったら、4Kモニタに映す最高の映像は、その流れだで言えば4Kソースではなくて、より上の8Kのダウンコンバートを待たなくてはならないという感じですかね・・・先が長くてそれは待たなくていいや・・・。


↑4K映像の精細感はさすがのものがありますけど、動きもなかなかです。

24pだと、ちょうど映画的な質感があって、家のプラズマテレビで簡単な上映会なんかをやると、画面がもちますね。

逆に60pだと、確かに技術的には素晴らしいのですが、正直、上映会での反応の薄さは60pが一番ヤバイですね。

はっきり言ってしまうと、60pの動きって、普通の人からしたら、そんなの当然の動きなので、滑らかだーとか何とも思わないわけです。

24pや30pの非日常感はそこには全くないフツーの事で、よほど被写体が魅力的じゃないと逆に持たないという寸法です。

また、容量がきついですね。

4Kのビットレートは、フルハイビジョンがAVCHD規格時代に大騒ぎしてた24Mbpsとか28Mbpsを、軽く笑い飛ばすほどの驚異の120Mbpsもあり、たったの15秒で230MBくらい行ってしまいます。

となると、容量の節約と、映画感の濃さも含めて、24pしか撮れないとは言えども現状ではベストかなぁと。

30pや60pで撮れるに越した事はないので、将来搭載されれば良いとは思いますが、今は4K容量のとんでもなさに戦慄してるので24pが一番良いです!


↑4K映像が違うのが、「もや」とか「水しぶき」の緻密さですね。

雨の中の映像だと、ハッキリと4Kの威力が分かります。

ただ、このあたりは、EF 70-200mm F4Lレンズとか、とびきりの描写力を持ったレンズであれば、フルハイビジョンでも結構いける所ではありますが、軽量コンパクトレンズを極めたEF-M 15-45mm F3.5-6.3 STMレンズでも行けるのは、規格の持つパワーというところか。

830万画素の静止画は、十分に印刷に耐える・・・というか、ダイナミックレンジなどの基礎画質はAPS-Cセンサーを受け継げるわけだから、1/2.3インチあたりの小サイズセンサー2000万画素と、どっちが良いのかと思えるくらいの画質にはなっているかも。

少なくとも、ISO感度1250を何の躊躇もなく使えるのはでかい。

そう、ここの映像(から切り出した静止画)は、全部ISO感度1250とか、高感度設定で撮ってるんですよね。

↑木々の間から見える秋保大滝。

EOS KISS Mの4Kは、画角が狭くなる特性があるのですが、私の撮影だと、これがかなりのアドバンテージになっています!

EF-M 15-45mmは、デジタルズーミングがかかった状態の方が、標準的に撮れて、望遠も強く、大絶賛です。

これで不足な時には、超広角ズームを導入すれば済む話で、15-45がズームにとても強くなる特性の方が個人的には大切。

写真だけでなく、4Kも、EOS KISS Mはとても自分に合うので、大変なお祭り騒ぎになっています。