以前の記事でもちょこちょこと書かせて頂いておりましたし、先日のボヤ騒ぎでも既に大活躍済みですけれど、ついにEOS 7Dに人生初の外付けステレオマイク「オーディオテクニカ AT9941」を購入しました。
EOS 7Dは、写真機としてはもう一生モノ。稀代の名機だなぁとしみじみ感動の毎日なんですが、オーディオテクニカAT9941が活躍するのは、写真ではなくてEOSムービーの方。
AT9941の話をする前に、EOSムービーの話をちょっとさせて下さい。
ぶっちゃけ、当初はNEX-VG10までの「つなぎ」であろうと甘く見ていたハイビジョン動画撮影機能EOSムービー。しかし、実際は、そんな甘っちょろいものではなくて、与えてくれるものがあまりにも大きい、とんでもない機能だったんですよね。
なにしろ、家庭用ではありえないだろうと、夢に見てもあきらめていた、映画並みの超超高画質や、雲の上の存在だったプロ用ハイビジョンカメラの操作系を、全然違う方向、一眼レフの写真機の高度なマニュアル操作体系をそのまま使う事で実現してしまったキヤノンの英断が見える。
もちろん、まだ発展途上ではありますが、それは手抜きを感じる事とは違うんで、全然OKです。キヤノンがまだ開発しきれていない機能であったり、写真機というハイビジョン撮影をするには元々無理なスタイルであったり、しょうがないと思える部分であって、頑張りが伝わるからこそ好感度もかなり高い。よし、こっちも頑張ろうという気になれるんですよ。これが大切なんだなぁと実感できる。
長くなりましたが、オーディオテクニカAT9941は、EOS 7Dのサウンド録音の必殺アイテムです。
EOSムービーのサウンドは、長らく家庭用ハイビジョンカメラが泣いてきた貧弱な高圧縮サウンドと決別して、リニアPCM録音を可能としています。テープ時代のDVカメラはリニアPCM録音だったんですが、久しぶりに家庭用に帰ってきた形になりますね。
EOS 7D本体には、いかにも雑音に苦労しそうな場所に付いたアナログマイクしか装備されていませんが、このリニアPCM録音というフォーマットの強さのお陰で、音が篭ってしまうものの、そんなに使えないわけでもないのがビックリなんですが、まぁいかんせん映像のクオリティとは釣り合ってないのは確かで、なるべく早くオーディオテクニカAT9941を買うのが良いかなぁと。
音質は、当たり前ですが、劇的に違います。
たとえば、早朝の自然風景の撮影に持ち出した時、現場であたり一面に響き渡る虫の声が、右に左にフリフリフリフリーと立体的に走り回りながら再生される感動は、内蔵マイクでは味わうことが出来ないのです。
それと、マイクにフサフサした毛をかぶせるんですが、これはウィンドウマフと言って、マイクに風が吹き付けた時に「ボボボボ」という音が録音されるのを防御するアイテム。
外の撮影では、常時付けていた方がよろしいです。
私の場合は、当初、「せっかくAT9941カッコ良いマイクなのに、毛で隠したくないっつーの!!」と思って付けなかったら、見事にボボボ音が録音されてしまいました・・・。
それとウインドウマフを付けていると、一眼レフファインダーに接眼した時に額に当たるマイクの不快感を緩和してくれるという意外な効果もありますよ。
EOS 7Dは超一流の写真機でもあるわけで、EOSムービー時のスタイルとの共存は重要な問題ですね・・・。
ただし、重要な注意点があるんです。
外付けマイクだけに、電源スイッチがOFFになっているのに気が付かないまま撮影すると、完全無音になってしまいます。
これがまた、電源スイッチを見ないと、今がONだかOFFだか分からないんですよ。
EOS 7Dは音声関係のモニタ能力が無いので、注意が必要です。
まぁ、サウンド関係まで細かく実装しろというのは、現段階ではあまりにもキヤノンに対して過酷。
ここは将来的な進化に期待するところでしょうね。
EOSムービーの歴史はまだ一世代目に過ぎないのに、これだけの事を家庭用にもたらしてくれたわけで、感謝こそすれ、文句などありません。
とにかく、これから二世代目、三世代目と温かく見守りつつも熱く使いたいものです。
写真機としては頂点に到達したEOS 7Dですが、EOSムービーはまだまだこれからだけど、現時点のキヤノンのやる気の凄さを見れば、将来に大きく大きく期待もできるし、本当に家庭用ハイビジョンの未来は眩しいほどに明るいと思いますね。
EOSムービーによって家庭用のタガを外してしまったキヤノンに対して、急速な反撃をしかける御大ソニー、パナソニック。この日本の技術力の誇りにも関わるハイレベルな戦いは、もはやオリンピックを観るレベルに達しております。みんなかんばれー。夢をありがとう。