前回の記事で少し書いていますが、今回の記事では、超弩級に待望していた「PlayStation Suite SDK」のオープンベータ版が無償で公開されておりましたので、それを、Windows8 consumer previewにインストールした話について、書かせて頂きたく思います。
PlayStation Suite SDK (PSS SDK)とは、平たく言うと、PSVITA(プレイステーション・ヴィータ)でのソフト開発が個人でも可能になる(!!)開発キット。
(厳密にはヴィータ専用ではなくて、PlayStation Suiteというアプリケーション実行環境をインストールした全端末が対象になるわけですけれど。)
プログラミング言語は、何とJavaではなくて、個人的にも大好きなC#言語なんですよ。
ええっ、C#言語ってマイクロソフトの製品じゃないの?と思われる方も多いでしょうが、最初はそうだったんですけれども、マイクロソフトの英断によって、汎用プログラミング言語に昇格して久しいので誰でもどんどん使える言語になっているのでありますね。
ここまで来ると、ソニー+マイクロソフト+Googleが協調し英知を結集させた恵まれた存在がプレイステーション・ヴィータとも言えるわけで、この三社が仲良くしてくれるならこちらも幸せです。
さて、いよいよPSS SDKをWindows8にインストールしてみます。
いきなりですが、Windows8は、とりあえずPSS SDKを拒否して来ます。
でも、ここでメゲてはいられません。画面いっぱいに広がるリボン状の警告ダイアログに「実行」ボタンがあるのでそこを押せば先に進めます。
冷静に考えると、コンシューマ・プレビュー版のOSに、オープン・ベータの開発環境をインストールするのですから、さすがにちょっとワイルドかも。
インストールすると、SDKに含まれるさまざまな開発用のソフトが入ってきます。
その中には、マイクロソフトのVisual Studio 2010の名前も!
ソニー・プレイステーションが、ついに、開発のプロたるマイクロソフトと協調してくれたかぁ・・・と感慨深くて目頭が加熱して来ますねっ。
むぅ。Gtk# for .NETというのは全く使った事が無いですが、インストールされます。
主役も主役、大主役であるヴィータと接続するためのUSB Driverも合わせてインストールされます。
デバイスドライバのインストールも、当たり前のようにWindows8から拒否されます。
でも、もう気にしないでインストールするしかありません。
これで、ヴィータとWindows8を接続して開発したアプリを転送する事が可能になったというわけです!!
インストールは本当にカンタン。まるでマイクロソフトが開発を担当してくれたかのように話が短くて済むのでありがたい。
バージョンは0.98.09と、限りなく1に近くて心強い。仮に0.0とか0.01aとかの「遠い番号」だったらば果てしなく不安になるところですもんねー。開発者自信無さすぎみたいな。
Windows8に無事にインストールされた、PSS SDK。
アイコンは、統合開発環境(IDE)の「PlayStation Suite Studio(PssStudio)」(Visual Studio 2010 Expressのソニー版みたいなもの)と、画面に配置するGUIパーツ開発用の「UIComposer」の二つです。
ちゃんと「特大アイコン」も用意されていて良いですねぇ。
個人的な話ですが、自作PCの快適な操作性と25.5インチの1920x1200ドット液晶モニタでやってると・・・なんか真剣に仕事に来ているみたいでチト緊張感があったりします。むむぅ・・・。
PssStudioは、マイクロソフトのVisual Studio 2010 Expressを見習っていて、一度でも使った事があれば「何となく、こうなんじゃないかな?」と当たりを付けてズンズン先に進めるのが良いところ。最初にソリューションを作るを選択して、どういう内容のものを作りたいのか選択する・・・という所も似ています。
初期状態のコードがこれです。
おおー。本当にC#言語だぁ。プレイステーションのソフトが、マイクロソフトが生み出したC#言語で開発出来る時代になったのかぁ・・・。あらためて嬉しくなりますね。
Xbox360もC#言語で開発出来るんだから、もう一致団結してしまえばいいのにーとか願ってしまいます。
ここは個人的な問題なんですが、初期のフォントだとちょっと落ちつかないです。
OptionからフォントをMSゴシックの10ptに変更してみました。
フォントをMSゴシックの10ptに変更した後のソースコードの様子です。
個人的にMSゴシックは落ち着くのです・・・。
設定を見ると、やっぱり、マイクロソフトのVisual Studio 2010をもろに意識した構造になってるんですね。
個人的には、むしろ開発環境はプロ中のプロである彼らに丸投げして作ってもらうのがベストかも?って思っていたし、Visual Studio 2010 Expressの追加プロジェクト扱いでも良いくらいだったんで、安心感は大きいかなぁ。
ちなみに、C#言語が分かっているだけじゃあ、いきなりゲーム機のソフトなんか作れるわけもなく、(VBA知っていても、それだけじゃExcelのセルはコントロールできないのと同じで・・・)作法などを知るためにサンプルが必要。そのサンプルは、Usersの下のPublic下を辿る先に配置されています!!
シェーダーのサンプルと思しきやつを開いてみます。
何を開けば良いのかは、Visual Studio 2010準拠というのが嬉しい点で、ソリューションファイルの拡張子.slnファイルだと分かるので手間がありません。
サンプルの実行は、PlayStation Suiteエミュレーター上で行ってみます。
前回の記事では、ここでエミュレーターが何故か起動しなくて解決に四苦八苦した話を書かせて頂きました。
今は何とか解決して、全く何の問題もなく実行出来ています。
Windows8が動作しているのは、Core2 Duo E6400(2.13GHz)の自作パソコンですけれど、エミュレータの起動も数秒だし、動作も軽快!このあたりは造りが非常に上手いのかな。
それにしても、ついにヴィータのソフトが、オープンベータ版とは言うものの、ついに正式に自分で開発出来るようになったんですねぇ・・・。
まだ寒い東北の春ですが、コンピュータには一足早く桜満開の季節がやって来てくれましたよ!!