連れが服が欲しいというのでホイサッとクレジットカードを渡し、その間に私は文房具屋さんにダッシュ。
数十秒でいきなり一目ボレするような美しい筆記具と出会えました。
それが「パイロットS3(エススリー)ノンカラー(0.5mm)」と
「パイロットS3(エススリー)透明ライトブルー(0.3mm)」です。
まずは、パイロットS3(エススリー)ノンカラー(0.5mm)について書かせて頂きたいと思います。
※すみませんでした。当初カラー名を「透明ブルー」としていましたが、「透明ライトブルー」「型番はHPS-30R-TLB3」でした!
間違えていました。本当に申し訳ありませんでした。
「おお、このピュアーな白き輝きと来たらどうだろう!!」
白い軸を包み込む軸は、そう、言うなれば・・・まるで超透明度を誇るUSAはフロリダ州に点在する泉みたいな美観だなぁと。
もともと、S3は、透明ブラック0.5mmを所有させて頂いており、実に「美術性が高い!」とビックリし、その書きやすさに二度ビックリし、好きなロットリング300とどっちを使うか葛藤が出るくらいの逸品なのですが、フランス風に言うと「美しい物語は終わらない」といったところでしょうか。
しかし、まずは、もちろんパイロット社だけではないのですが、全筆記具メーカーに言いたい事があります!!
もうバーコードシールを軸にベタ貼りするのは本気でやめて欲しい!(シリアス)
樹脂軸に傷をつけないように、水をつけたティッシュでシールのカドを立てて、ゆっくり剥がす作業は・・・
まぁ、綺麗に剥がせたら結果オーライでなんかこう意外と楽しかったりするけれど・・・糊の痕が残るパターンだとそうも言っていられない (糊の痕は消しゴムで除去可能)!!
特に、このS3は違うけど、たとえば塗装軸に貼られていた場合なんか、シールと一緒に塗装も剥げるというホラーパターンもありえるわけです。
さて、パイロットS3(エススリー)ノンカラーですが、ペン尻方向から見ても、え~~って言うくらい実に美しい。
「これシンデレラさんのガラスの靴って、現実にあったらこんな感じじゃあ・・・?とか思ってしまいます。
デザインそのものも、国産シャープペンシル屈指の曲線美を誇ると感じますが、ここまで透明樹脂を使いこなせるものなのか?
言ったら、定価ベース315円の普及価格シャープペンシルだけど、製作者のセンスが鮮鋭であれば、価格など無関係に人を強く感動させうるのが筆記具という素晴らしい世界なのであります。
繊細な曲面美に、リング状スリットが多数切られたピュア透明な樹脂グリップ。
樹脂の微細な粘りをも活用してなかなかの滑り止め性能。
そして、その筆記性能は一流なのであります。
軸の一部までも金属製のノーズコーン(口金)に含んだペン先は、製図用シャープペンシルとして間違いのない実力をも併せ持っています。
不思議なブルーだ!S3(エススリー)透明ライトブルー(0.3mm)
引き続きまして、透明ライトブルー(0.3mm)について書かせて頂きたいと思います。
ネットの商品写真だけ見ているうちは、正直「透明の青い筆記具って、ちょっと事務的でありきたりなのではないか?」と思ってましたが、店頭で実物を見たらとんでもない!
明るい透明のブルーが、下地となる白軸と見事な連携プレーを決めていて、塗装や単体の樹脂ではとても出し切れないであろう不思議な魅力を放つブルーに輝いていました。
ブルーと言っても、軽々に大海原とも言えないし、かといって大空とも違う、そう、「秘境の地底湖が醸し出すブルー」ってこんな感じなのではないだろうか!という思いになりました。
既に所有させて頂いておりました透明ブラックも、今回、透明ライトブルーよりも先に記事を書かせて頂いた「ノンカラー」も、どちらも心に染み入る美しさでしたが、この透明ライトブルーも全然負けていません。
このS3シリーズは、内部構造が、白一色でシンプルというのが奏功していて、透明樹脂を限度枠いっぱいまで引き立てている印象。
見ているだけでも、何か心が静かになれるようなブルー。
普及価格帯のシャープペンシルにこういう美しいペンが存在することに、日本の筆記具の底力を見る思いです。
実は、上位バージョンとして素材に「含浸カバ材(がんしんカバざい)」を使った「S20(エストゥエンティー)」もあって、こちらも並外れた美しさを持っており、パイロット社の開発能力には舌を巻くばかりであります。
実際に筆記してみると、0.3mmという細さですが、軸の設計が優秀なのか、芯そのものの材質も優れているのか、多少強く筆圧をかけても芯折れする気配もなくドンドンと筆記出来て楽しい!!
樹脂製とはいえ、前述した通り、ペン先は、軸の一部も含んだオール金属であるため、剛性も全く問題ありません。
このあたりは、私が気に入っている「ロットリング300」よりも確実に強靭(!!)であるため、人様から「求めやすい値段で優秀なシャープペンシルが欲しいぞ」と聞かれたら、もはやS3(エススリー)を「候補の上位」に挙げないわけにはいかないです。
S3の0.5mmと0.3mmは、どちらも本当に書きやすい。
樹脂軸の卓越した優良ペンがミーティングを開くとしたら、ドイツからは「ロットリング300」や「ステッドラー925-65」という、揺るぎのないスーパー・ペンが出席しますが、日本の代表団には、間違いなくS3(エススリー)が加わるのでありました。