2014年4月13日日曜日

電気自動車「三菱アイミーヴ」のカタログを読む

ガソリンのアイが我が家に納車されてから一年を越え、その走り、スタイリング、設計思想全てが、日増しにどんどん好きになっていっています。

今回の記事では、そのアイの良さを全て引き継いだ電気自動車「アイミーヴ」の最新カタログを読んでみたいと思います。


アイミーヴは、世界初の市販電気自動車という歴史的な存在にして、ドンドンと肥大化する自動車の中にあって、ミニサイズ・ミッドシップエンジン(モーター)・リアドライブという稀有な存在です。

販売上の位置づけは確かにファミリーカーとはなっているのですが、ガソリンのアイがそうであるように、その実態は、技術者が持てる全てを投入した、かつ、簡単にはカテゴライズしにくい「生活重視型」4シータースポーツカーとなっています。

アイ・シリーズは、このギャップがあるため、評価がバッキリと割れるミニ・スーパーマシンなのですが、そこも含めてがアイという個性かも知れません。


アイはファミリーカーという建前ですが、それはよく考えると大きなアドバンテージのように思えます。

こういう爽やかで家族的な良い写真が使えるのも、その一つかなぁと。

暖かな陽射しの中で、マシンであるクルマも家族の一員となれる。

なんか、心に染みるというか、じんわり来ますねぇ。


やはりアイのサイドビューは震えるくらい格好良いですね!!

ツートーンカラーも良いなぁ。

このページでもそうですが、アイミーヴで強くプッシュされているのは、やはり「家で充電」出来るという事ですね。

家というからには、家庭用の普通の100V電源でも充電可能なのですが、これはディーラーさんに行って話をしていたりしても感じるのですが、あまりおすすめはしたくない感じみたいです。

100Vいけるとは言え、聞く所によれば、ずっとヘアドライヤーを付けっぱなしで長時間(最長で14時間程度)いるのに近いため、家電感覚で充電はちょっと設備に負担が酷いみたいなんですね。

ただ、いざという時に100V充電可能という事は大きい。
エマージェンシー用途としては優秀でしょう。

推奨されている200Vであれば、ゼロから満充電までにかかる時間は、typeMで4.5時間、typeXで7時間。

うーん。
ただ、個人的には、ここがやはり引っかかる点ですね。
長距離通勤であり、帰宅後も何かあれば会社から電話で呼び戻される事がある・・・というような私のケースでは、これで間に合うのか心配なところではあります。


カタログでは、外での充電について書かれております。

家ではゆっくり充電ですが、外では「急速充電」って事になりますが、これ、実際にアイミーヴのオーナーさん達のブログ等を拝見すると、想像以上に実用性があるようですね。

仙台ではちょっと見つけられていないですが、関東の方とかになると、スーパーの駐車場に設備があって、20分くらいでチャージ完了出来るようです。

まだ電気自動車の台数が少ないので、順番待ちがシビアだったりって事も今のところは無いようです。

外ではここが生命線になるから、まるでタクシーの運転手さんになるくらいのしっかりさでもって、場所を記憶しておかないといけないかも。

充電に関しては、上位グレードのtypeXが二倍長くなってるのですが、これは単純にバッテリの容量がデカイからですね。
逆に考えると、typeXは、いざとなったら半分くらいで打ち切って発車してもいけるのかなぁと。


シリアスな問題、走行距離についてかかれたページを読みます。

やたら「40km」をアピールしてて嫌な予感がしますが、これくらいなら何をどうやっても大丈夫という距離を書いているんだろうと思います。

実際にディーラーさんで、私の場合って事で、実際に愛車のアイの燃費と走行パターンを伝えて話合った所、だいたいtypeMでも、60kmなら安全圏というざっくりした分析結果が出ているんで、 typeXならもしかすると余裕があるかなと。

ちなみに、アイミーヴは、実は、初期と今ではかなりバッテリーの持ちが変化しています。

回生ブレーキが完備され、エンジンブレーキ(アクセル離した時)と、ブレーキを踏んだ時の両方で、バッテリーの充電をしてくれます。

実際に、オーナーさんの話を聞くと、山に登ったらバッテリーをほぼ使い切ってしまったけど、山を降りているうちに充電されてそのまま平地を走行して行けた・・・という事もあるので、この回生をうまく使うとかなりいけるのかな。

あと、重要な事は、エアコンが「ヒートポンプ」に変更された事です。

これって、確かダイキンの技術で、寒い日でも空気中に残った暖かみを出来る限り回収して効率よく温めるかなりの技術を伴った方式です。

ただ、それでもなお、アイミーヴのカタログでは「あんまりエアコン使うな」的な注意が並んでいます。

事実、三菱ディーラーの技術者さんと話をした事があったんですが、走行時はこっちが拍子抜けするくらい心配してなかったんですが、冬場のエアコン使用によるバッテリ消耗を酷く心配なさってました。

ここが全然読めなくて、アイミーヴをおすすめしづらい地獄ポイントになってたみたいです。

電気自動車は、とにかく冬場を考えて、対策を整えてから買わないとヤバイ事になりそうです。


このページは重要です。

アイミーヴ、ようやっと、走りの楽しさを強くアピールし出してくれましたね!!

そうなんですよね。

アイ系のマシンは、重量配分が45:55で、ブレーキング時に50:50に限りなく近づくとか、そもそもの設計が秀逸です。

ただ、パワーユニットだけはどうしても力不足であります。
3B20 MIVECエンジンは、個人的には素晴らしいエンジンですが、世の中全般にパワーをアピールするような性質にはなっていません。

しかし、電気モーターならば、新幹線を軽々と時速300km/h以上に加速させる特性を見ても明らかなように、燃油では及びもつかない圧倒的なパワーを発揮します。

これはミニサイズマシンにこそ、大きなアドバンテージを与えるものです。

優秀なシャーシ、愛すべきルックス、そして、アイが軽自動車枠であるためにどうしても与えきれなかったハイパワーを与えてくれる。

これぞ日本にしか作れないスーパーカーと言えるでしょう。

写真も良いアングルですねー。

ただ、実際にはバッテリーの消耗が心配で、心理的に加速はしづらいみたいです。


ここはアイのわかり易さをアピールしているページですね。

電気自動車ならではの、走行距離を伸ばす工夫も分かりやすく、なるほどの塊。

Ecoポジションが良いのか、回生ブレーキが強いBポジジョンが良いのか?
このあたりはよく分からないところです。

個人的には、なんとなく、Dポジションはほとんど使わない予感もしますね。

あと、アイはMIEV power BOXというのを14万円くらいで買うと、家電用の電源車になれるんです。

野外イベントとか、家族のキャンプとか、災害時とかを想定しているみたいですが、それは良い事ではありますが、いかんせんアイミーヴ本体の電気が無くなったら恐怖な事になるので、そこはどうなんでしょうね。


安全性はかなりのものですね。

これはベースのアイがそうなんですが、本当に堅牢です。

ワゴン車と違って、車内にごっついフレームが張り出しているため、室内の広さは大した事がありません。

ただそれが安心感となっています。

パジェロミニからの乗り換えでも全く不安を感じなかったアイですが、もちろんアイミーヴにもその美点は継承されています。

アイは、車体の下にもぐってよく掃除とかしているから、じっくりと見ていますが、上も下も、これを軽自動車の安い本体価格で売るのはさぞ勇気がいったろう、と思うくらいガッチリ作られていて驚異的。

(メーカー的には嫌でも、ユーザー的には、高くて良いものを安く売ってくれるのは最高にありがたい事ですが。)

アイミーヴは、ガソリンのアイよりも、さらに上。

シャーシにバッテリが強力に備え付けられ、より剛性アップしてるんです。
加えて、安全装備として、ガソリンのアイには存在しない横滑り防止装置からトラクションコントロールまで完備。

エクセレント。

ちなみに、バッテリをカセット方式にすれば良いという声があるようですが、交通事故の時に危険なため、そういう目先の便利さは追求していません。


typeMもtypeXもどっちも欲しい!!


こんなクルマが、現実的な値段で買える日本に感謝です。


ただ、本当に電気自動車にして大丈夫なのか、ここで話がループしてしまいますね。

もし購入するのでも、有料で構わないから貸出を受けてチェックしたいなぁ。

まぁそれはともかくとして、ガソリンのアイが生産中止になったのは痛恨の極みですが、アイミーヴがある限り、個人的に、まだまだ自動車には絶望しない!!