2017年1月3日火曜日

つくづく強力!! 使って思い知ったデュアルピクセルCMOS AFのミラーレス撮影能力!!

今回の記事では、新年の町歩き撮影を題材にして、EOS 7D Mark2が搭載する「デュアルピクセルCMOS AF」によるミラーレス撮影がつくづく強力!!と思い知った話を書かせて頂きたいと思います。

合わせて、そのデュアルピクセルCMOS AFによって、今までミラーレス非対応ゆえに意気消沈していた「EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMレンズ」が大復活した話もメインで書かせて頂きたいのです。


まずはじめに・・・EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMがどう意気消沈していたのか、それを書かせて下さい。

私が知っている(持っている)キヤノンのミラーレス撮影というと、EOS KISS X7に搭載されている「ハイブリッドCMOS AF2」です。

これは、まず高速にセンサー像面に配置された位相差センサーで「大雑把に」ピントを近づけ、最終的な精度はコントラストAFに切り替えて正確に出すという、まさにハイブリッド方式なんです。

しかし、センサー像面に位相差センサーを配置するという事は、すなわち撮影に使う画素を潰してしまうため、高速な位相差センサーはパラパラとまばらにしか設置出来ません。
このため、位相差センサーが使えない場合もあって、その場合はずっとコントラストAFでピント合わせになります。

決して悪いものであると言っているわけではありません。
そう、この方式は確かに速度は若干遅いのですが、ピントの精度は抜群に高いため「待てば良いモノが仕上がる」方式であり、これからも大活躍してくれる大好きな方式です。

ただし、意気消沈ポイントがあって、それは「ミラーレス用設計をされてないレンズは挙動が怪しくなる」事でして、EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMはモロに引っ掛かります。
高速なUSM搭載機なのに、コントラストAFとの相性が最悪で「ココココココ」と激しい音を立ててスムーズにピント合わせ出来ないのです。


しかし!!ここからが大復活ポイント!!

EOS 7D Mark2 + EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMレンズだと、ミラーレス撮影もバッチリもばっちり!!

ミラーレス撮影でも超高速AFが可能なんです。

え!?何で何で!?

このデュアルピクセルCMOS AFは、EOS 7D Mark2専用に開発されたセンサーにおいては、なんと、2020万個の画素全てが位相差センサーとして機能するブチ切れ方式なんです。

位相差センサーをセンサー表面に配置するのではなく、画素そのものが位相差センサーになる・・・。

どうやってそんなの作れるの!?という技術的な困難は当然あるとしても、「聞いたら一発で納得する、いわばワンパンチ・テクノロジー」みたいなものかな。

ワンパンチ・テクノロジーは、今勝手に私が作った用語ですが、たとえば、ソニーの裏面照射センサーや、3CCDセンサーとかもこのワンパンチに当たる技術だと思います。

3CCDは光の三原色をそれぞれ専用センサーで受光するから色が美しい、裏面照射センサーは配線で遮られないセンサーの裏側から受光するから明るい、そして、キヤノンのデュアルピクセルCMOS AFは、画素全てが位相差センサーになるから超高速!!

ワンパンチでぶっとばす分かりやすいパワー。


というわけで、EOS 7D Mark2にEF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMレンズを装着し、新年の仙台の町を町歩き撮影して来ました。

メインはもちろんミラーレス撮影。

めちゃくちゃAFが速い!!

言ってしまえば、一眼レフセンサーの方式に近いフル・位相差センサーだから速いのは当たり前なんですが、新幹線が速い!!と知ってても実際に目の前をズバァァーンと走られたら「速ぇぇぇぇぇ」と言ってしまうわけで、当たり前なんて言葉は、この感動の前には何の壁にもならない!!


EOS 7D Mark2は、キヤノンAPS-C機初のプロスペック機という事もあり(初代7Dはまだ単なる高性能APS-C機であってプロ機には認定されてなかった)耐久力最優先のため、タッチパネルも可動式液晶も非搭載。

しかし、強化ガラスと光学弾性体に密閉された液晶パネルは、とてつもなく視野角が広く反射による害も少ないため、まず可動式液晶は驚くほど無くても気にならない存在でした。

ただ、EOS KISS X7で大きな威力炸裂してる、タッチパネルだけはちょっと欲しいかな。

こういう構図の時、下の方にAFポイントを移動したい場合、タッチだと「ここ!」って一発で済むから純粋に手早い。

ただ、確かにマルチコントローラーの操作性も良いから「問題」って程の事は無いですし、酷寒の地でプロが分厚い手袋で操作するのを考えたらタッチパネルなんて論外・・・という考え方も分かる。

どだい、故障率をギリギリまで下げたい、耐久力を少しでも上げたい、そういう現場の高度な判断によって成り立っているカメラにケチなんか付ける気はありません。


胸のすく構図で新年の町を撮りたい、でも、何かちょっとした味付けをしたい。

長く伸びる道路に一台だけの小さく写るバイク。

ミラーレス撮影でも、AFが超高速なので望んでいた構図で撮れました


静かな朝の新年の町に、人や猫がぼちぼち姿を現してくれる。

ミラーレスでもレスポンスがやっぱり速いので、この位置!!という所でピタっと撮れる!!

さらにミラーレスの静かなサウンドも新年の朝に似合います。


静かと言えば、これはミラーレスではなくファインダーによる撮影なんですが、EOS 7D Mark2の静音シャッターはミラーレスじゃなくとも静かです。

もともと過酷な環境に対応する高剛性設計ボディゆえに振動も無いし、その意味では、EOS 7D Mark2は、静かさを狙ってのミラーレス撮影は意味の薄いカメラではありますね。

ただ、EOS 7D Mark2は、静かなだけでなくレスポンスも静かなりの音もよくチューニングされていて素晴らしい。

まさにカメラ・ミュージックであります。


ちなみに、町歩きしていたら、EOS 7D Mark2を持っている嬉しさのあまりテンションが上がり過ぎて何キロも何キロも進み、ついには山の中に突入してしまいました。

山の中でもミラーレス撮影。

といっても、謎の階段など随所に人の痕跡であり、この冒険感はまるでオープンワールドRPGみたい!!

昨年から町歩きしまくってるし、EOS 7D Mark2が来てくれてからというものはさらにハードに歩き回り、お正月なのに、運動量がかなりアップして体重が落ちています。


ついに、町歩き撮影がエスカレートして、めちゃ遠い八木山動物公園まで到達してしまいました。

EOS 7D Mark2の魔力おそるべし。

ミラーレス撮影も凄い凄い。

酉年にぴったりの鳥の絵越しに仙台の町を撮影。

ここ、地下鉄八木山動物公園駅の広場だったりするんですよね・・・地下鉄なのに見晴らしが良いって・・・仙台すげぇ。

ちなみに、EOS 7D Mark2は、光学ファインダーなのに電子情報満載のインテリジェント・ビューファインダー2、プロ機に相応しい精緻なクオリティを誇る視野率100%光学ファインダー搭載なので、言ってしまえばEOS KISS X7ほどにはミラーレス撮影の重要性は高くは無いですが、それでも、光学ファインダーに接眼出来ないシーンでは大車輪の活躍。

その上で、超高速AFもあるのですから、これはもう穴掘って土下座レベルの感謝です(表現がすみません)。


お正月の飾りつけをしている八木山動物公園ゲートに来てしまいました。

八木山動物公園の方に新年の挨拶。

しかし、歩きすぎて全身から湯気が出てる状況で、ちょっと前、町の人々に帽子取って挨拶したら(((頭から湯気が昇ってコント)))みたいな事になっちゃった傷があり、帽子は取らないで挨拶してしまいました。

本当にすみませんでした。

湯気ブワーは、爆笑されモンできついっす。


地下鉄八木山動物公園駅の屋上の床。

ミラーレス撮影の分かりやすいアドバンテージとしてこんなギリギリのローアングルでもラクラクと撮影。

液晶の視野角が広い上に、光学弾性体による反射防止もあり、バリアングル液晶はここまで来ても特に必要を感じない!!

この流れはEOS KISS X7でも似た感じ。

KISS X7の場合は、本体がめちゃ小さいので、液晶が観にくくなっても容易に角度を変えて行ける事もあったけれど。

タッチパネルはあれば欲しいけど、両手でしっかりとカメラをホールドしたまま、マルトコントローラーでピント位置を指定出来るメリットも捨てがたい。

将来的には耐久力の問題も解消されタッチ・マルチコントローラー両方の装備が普通になるでしょうけれど。


トラ模様のオブジェ。

ミラーレスが速い速い。

普通のカメラじゃなく、一眼レフとして世界でも最高グループに属するAFを持つEOS 7D Mark2において、ミラーレスでも「速い」と言わしめるのは実は大事件じゃないかと思います。

あと、昔の位相差センサーみたく、速いけどピント精度がテキトーみたいなやつじゃなく、ピント精度もばっちりです。

センサー像面の技術だけに、ある程度はコントラストAFのようなピント精度を上げる工夫がブレンドされていると思われます。

実際、動画なんかは条件よって「コントラストAFに切り替わります」と明記されているので、超高密度版のハイブリッドCMOS AFとしても機能する感じですね。


町歩きの醍醐味、謎の階段発見!!

こういう時にミラーレス撮影が速いと人さまが来られる前に瞬間で撤収出来て助かります。

キヤノンはこのデュアルピクセルCMOS AFに相当な自信を持ってて、ミラーレス専用機のハイエンド版を出す時「今までのミラーレスに満足しているか」などと思い切り煽りキャッチコピーを付けて来ました。

自分で作っておいてハイブリッドCMOS AFをバカにするようなキャッチコピーを大メーカーがつけちゃいかん!!と思ったりしましたが、良し悪し論は置いておいて、確かにこれだけのシロモノであれば、何とかしてこの凄さを伝えたい!!自慢したい!!という気持ちは分かるような気がします。

確かに、デュアルピクセルCMOS AFは、キヤノンの開発者の方が「こんなすげーもん作ったぜぇぇぇ」とテンション上がるのも分かる。

確かにこれはすげーーー。

大メーカーが煽るのはいかんけど、確かにこれはみんなに広めて褒めてもらいたくなるし、激しくほめたい!!

EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMレンズもミラーレス用レンズとして大復活・大浮上どころか大空に羽ばたくようになったしありがたい!!

しかも2年も前からこのような大したモノ作ってたキヤノン、やっぱりすげー(すげーしか言いようがない)なと思う新年でした!!