2018年12月15日土曜日

節電PCのASUS E203NAで、EOS KISS Mの2400万画素RAW現像したところ、意外な結果が!

節電PCとして活躍してもらってる手持ちのASUS E203NAですが、その節電力はハンパなものではない大変素晴らしいものでして、なるべく数多くのシーンで使いたい。

そこで、今まであまりにも荷が重いであろうと避けていた、EOS KISS Mの2400万画素RAW現像をやってみることとしました。

■慎重な前準備

↑余裕のあるPCと異なり、ASUS E203NAは、とにかくメインRAM、CPU、ストレージの全リソースがギリギリです。

Windows 10は徹底チューン済で、バックグラウンドでアプリが勝手に動くのを止め、通信も行わないようにし、タスクスケジューラで定期的に処理が動くのも止めています。

まず、背後で何も重たい処理が動いていないのを確認してから、仮想メモリの設定をします。

2400万画素のRAW現像では、とてもメインRAM 4GBでは足りるわけもないので、仮想メモリ(ストレージにメインRAMの不足分を逃がす仕組み)が膨らむはず。

念のため手動で16~8192MBに設定しました。


↑PowerShot G9X Mark2の2000万画素RAW現像以上の事はやらないつもりだったので、ASUS E203NAには、キヤノンの最新RAW現像ソフトであるDPP4 (Ver 4.8.30)をインストールしていませんでした。

EOS KISS MのRAW現像をするために、4.8.30をインストールしました。

ちなみに、DPP4そのものは無償ではあるものの、キヤノンの製品のシリアルナンバーが必要なので注意が必要です。

もう一つちなみに、このバージョンがあれば、従来32bitのDPP3でしか現像ができなかったEOS 10DやEOS 20Dでも、ついにDPP4(64bit)での現像が可能となり、キヤノンの対応は最上級と絶賛したいくらい素晴らしいものです。


↑もう一つ重要な点は、ASUS E203NAのストレージの少なさです。

本体ストレージの空きは26.8GB。

RAW現像の速度を上げるため、本体ストレージに現像したいRAWファイルを置く必要があります。

2400万画素RAWは、ぎゅっと圧縮されて容量の軽い.CR3形式と言えども、やはり1ファイルで20MBくらいはあり、枚数が多くなると心もとない部分ではあります。

現像を終えた写真は、迅速に、メモリカードドライブに移し替えるとして、本体ストレージの空きも大きなポイントになります。

ただ、PCのリソースについて、かなり気にしないといけないのは実は結構楽しい。

コンピューターを使っている実感みたいなものが分厚く来ます。

昔のPCは、誰もが、OSの一挙手一投足に気を付けていたもので、ASUS E203NAはその古き良き時代が戻ってきている感じではあります。


↑いよいよ2400万画素の現像をします。

CPUの利用率はもちろん100%と、その近辺を延々と推移します。

メモリは、限度枠いっぱいの3.9GBまるまる使い果たす瞬間もあり、やはり限界が酷いです。

ただ、徹底チューニングにより、背後で予期しない重い処理が動いていないこともあり、想像よりも軽い動作です。

驚くのが、物理メモリを使い果たして仮想メモリを使い出した時の速さです。

HDDだと露骨にフリーズするようになるのに、eMMCだと、HDDを遥かに超える速度が奏功してか挙動の変化がよく分からない感じ。

それと、DPP4は、CUDAコアを持ったnVIDIA-GPU以外のGPU支援には非対応、現像ではそもそもGPU支援には非対応なのに、タスクマネージャでモニタリングすると、利用率は低いものの、GPUがちょいちょい使われているのが気になります。

Celeron N3350は、GPU支援により、それが無い昔の高速CPUをあるいは逆転する芽が残されており、GPUの鼓動はなんだかワクワクしますね。

それと、やっぱりリソースはギリギリなのに、システムが安定しています!

現像枚数が10枚程度と少ない事も奏功しているかも知れません。

ストレージの残量に余裕があまりないので、何十枚の現像などは今回は検証しませんが、枚数が多くなると不安定になる事もあるかも知れません。

まず、裏でスクリーンショットを撮ったり、ブラウザ立ち上げてブログの記事を作成したり、複数の処理を立ち上げて処理をしながらの現像は・・・。

1枚あたりの現像時間は(後ろで複数処理をしながらだと)3分27秒でした。

確かに遅いは遅いものの、Core i7-2630QMとHDDマシンで1分37秒なので、そこまで絶望的な処理では無いような気もしなくもない。

ただやっぱり七年前の第2世代という古いCPUなのに、Core i7には、Celeron N3350ではなかなか近寄れないですね。

しかし、現像以外の処理を止めて、これに集中したところ、なんと、1分30秒という時間を叩き出し(速い!)ました。

おかしい! Core i7-2630QMでは、1分37秒であり、それよりも7秒も速い!?

どういう事だ・・・!?


■デジタルレンズオプティマイザ(DLO)の有無で時間が変わる!

そう、実は、単なる現像だけだと速いのですが、レンズを最適化する「デジタルレンズオプティマイザ(DLO)」をかけると、かなり処理時間が変わります。

キヤノンのレンズは、光学とデジタルのハイブリッドで100%の能力を発揮する方向に舵を切っているので、やはりDLOはかけたい。

DLOありの最終的な現像所有時間は・・・

1枚あたりの現像時間は2分28秒となりました。

何せ、Windows 10を徹底チューンし、背後で余計な処理が無い状態で計測したので、これがASUS E203NAのベストに近い数字であろうと思われます。

こうしてみると、後ろで複数処理を動かしていて、なおかつDLOありの現像をしているCore i7-2630QMは、1分37秒。

単独処理でDLOありのCeleron N3350は、2分28秒。

圧倒的な差ではないものの、やはりCPU処理がメインになると、7年前のCPUとは言え、Core i7-2630QMは明快に強いです。

その分、TDPも45Wとかなりのものでハッキリとした発熱があります。

それを考えると、TDPが6WでここまでやれるCeleron N3350の健闘が光りますね。

というか、eMMC合わせても思った以上に快速で気持ち良い。


節電PC、節電PCと言っていたASUS E203NAですが、使い方によっては、古くてHDDしか無いマザーシップPCを時として超えてゆくのが分かりました。


↑ちなみに、仮想メモリですが、約1.42GBをストレージに確保していましたが、ここからは膨れませんでした。

背後で複数の処理を起動していたりしないのが奏功したようですが、単独処理、枚数が10枚程度なら、メインRAM 4GB + 仮想メモリ1.42GB程度で間に合うのが分かり(条件によって変化すると思われます)、一つの目安が出来ました。