長らくカメラ保管庫で眠らせていた、キヤノンの伝説の名コンデジ「PowerShot G3」ですが、EOS KISS X7のペアとなるカメラ探しの一環としてついに再始動させる事としました。
■PowerShot G3について
私は写真やカメラは全て独学なのですが、基礎の全てを学んだのが、このPowerShot G3と、これの初代機、PowerShot G1でした。
モードは、全てフルマニュアル。
当時のオート撮影は、正直、あまり良いものではなかったので、おっつけフルマニュアルにせざを得なかったのですが、マニュアルで撮る癖がついて、それは今日のEOS KISS X7にも脈々と引き継がれています。
ずいぶん昔のコンデジだから、さぞや古く感じるかな?と心配していたら、もともとが、高級レンジファインダーカメラをモチーフとしていたため、全くの杞憂で、むしろ、今見てもかなりの高級感があります。
金属製調(アルミ調?)のボディはずっしりと重たく、コンデジというよりは、当時はお金持ちしか買えなかったデジタル一眼レフ・・・の代わりになる高性能(当時としては)カメラ、という位置づけです。
ただし、嬉しい光学ファインダー搭載ではあるものの、いかんせん実際の視野とのズレが酷く、1.8インチ液晶モニタに頼るしかないというのが現実ですね。
当時は、なんとか光学ファインダーでの撮影を続けようとしましたが、途中でやめてしまいました。
私はビデオカメラ育ちでもあるため、電子の映像を見ながら撮影するより、本物の景色を見ながら撮影したいと願っていたのですが、その思いは、この後にようやく手にする事が出来た一眼レフ「EOS 20D」を待たねばなりませんでした。
PowerShot G3は、なんと、APS-C換算で21mm - 87mm F2.0-3.0 (35mm換算では35 - 140mm)の大口径ズームレンズを搭載しています。
まず言っておきたいのは、当時のデジカメは、今みたいにISO感度に頼った撮影は出来ません。
高感度技術が未発達の時代であるため、ISO感度は50が基本、あとはレンズの明るさや、シャッター速度を遅くする事による光量の増加を工夫する・・・という時代です。
それと、PowerShot G3は、操作性そのものは良好なのですが、あらゆる動きがゆっくりで、おそらく、現在の快適なカメラしか知らない人では、このカメラにはついてこられないのではないか?と思います。
電源ONで、レンズが伸びるのですが、「ブイイイーーーーン」と本当に重々しくゆっくり伸びてきます。
AFも、牧歌的です。
AFが遅いと言われるEOSコンパクト「EOS M」ですが、PowerShot G3でやって来た者から見ると、高速としか言いようがありません。
■PowerShot G3の画質
今だからこそ高画質にびっくり
PowerShot G3は、ISO感度50前提ですが、一眼レフの画質に慣れきった今から見ても、すさまじい高画質です。
等倍鑑賞にも耐えられる画質で、現在の1インチの高級コンデジにも負けないと思います。
当時は、無理な高画素競争が激化していた時代で、他社が500万画素を出す中で、キヤノンだけは「高画質を維持するため、390万画素に抑える!!」と、まさかの390万画素にこだわったため、無理がなく、むしろその後のデジタル一眼レフが「え?こんなもん?」状態になるほどでした。
当時は、すげぇぜキヤノン、一生ついていくぜ!! と思ったものでしたよ。
(※舌の根も乾かないうちに500万画素版が出たりしてました・・・キヤノン)
センサーは、1/1.8型CCD。
当時から言われていましたが、ダイナミックレンジが広めで、白の中の階調も豊かに出ていて、カメラ雑誌でも「まさか」の絶賛でした。
それと、初代のDiGiCを搭載しているため、色もパンチが効いていて楽しいですね。
レンズの解像力は大変なもので、一眼レフでは、ハイグレードのLレンズに匹敵するのではないでしょうか?
ただし、センサーサイズが小さいため、絞り込みは厳しく、F/2.8からF/4くらいまでかなぁと。
ここらへんの幅の狭さを解消したければ、やはり1インチ以上センサーを選ばねばならないでしょう。