2018年10月8日月曜日

EOS KISS MにマウントアダプターEF EOS-Mを装着する!(2)実写編

前回、いよいよEOS KISS MにEF EOS-M(マウントアダプター)を装着し、第一号レンズをEF 50mm F1.4 USMと決めました。

そのまま、朝の町歩き撮影に出て、一体EF EOS-Mの使用感はどうであろうか? いざ試そうぞ。


↑車庫ミラーとアサガオが顔を並べていたので、絞りF/5.6でシャッターを切りました。

AFは、とてもスムーズなので、大デフォーカス(大ボケ状態)からの復帰も、一眼レフとほぼ同等くらいの感覚です。

ただ、デュアルピクセルCMOS AFは、一眼レフの位相差センサーよりも、どうも低コントラストな位置へのピント合わせがやや苦手(この辺り、直接キヤノンの方に聞いてみたのですが、明快な答えは得られませんでした)なので、ピントを合わせる位置によっては、なかなかフォーカスが合わず、EF EOS-Mのせいなのか、どうなのか混乱する場面があろうかと思います。

このあたりの挙動は、頭でああでもない、こうでもないと考えるよりも、もう体で覚えて行くのが手っ取り早い気がしますね。


↑道端の草を、さっそく、絞り開放F/1.4で撮影してみました。

ここで分かった事があって、システム・ネイティヴたるEF-Mレンズならば、(そう設定してれば)AFを合わせた後で、ピントリングをわずかでも動かすと、ピント位置がブワーッと拡大されて本当に便利なのですが、この機能、EFレンズ(少なくともEF 50mm F1.4 USM)では作動しません。

電子接点がEF-Mの方が多いというのは、こういう先進の便利機能が使えるって事で、接点が少ないEFは、まぁ今まで一眼レフでやれてた事をそのままやりなさい、という事なんでしょうかね。

もちろん、拡大機能を使えば、EFレンズでも自由にピント位置拡大が出来るので、やはり快適です。


↑建築中の家の足場の影が面白くてシャッター切りました。

カメラの重さ感は、ミニ一眼レフのEOS KISS X7にEF 50mm F1.4 USMレンズを装着したのと、ほぼ同等という感じ。

ただ、どこを持ってもぶ厚い(厚みがキュートでかわいいですが)EOS KISS X7と違い、薄い部分があるEOS KISS Mの方が、やっぱり取り回しは良い感じです。

EOS KISS X7がそうであったように、ずーっと片手でカメラを持ったまま1時間くらい、坂ありの道を散歩しても、カメラが重たく感じる事はありませんでした。

これが、EOS Rだったら、最初のうちは軽いと思っていても、歩き続けているうちに、やはりある程度は機材の負担がズ・・・って感じで来るでしょうね。

根拠は同じくらいの重さ感のEOS 20Dがそうだからです。


↑朝の町歩き撮影は、朝の太陽が作ってくれる強烈な光と影がどんなテーマパークにも劣らないくらい楽しいです。

何の変哲もない柵が、何か特別なもののように見えて来るのだから、朝の町歩き撮影はやめられません。


↑トラックが走る姿ですが、路面のマーキングが面白く、そちらを主題にして撮りました。

EOS KISS Mは、スナップや町歩き撮影の、ゴッド・アイテムなのではないか?と思えて来ていますが、EF 50mm F1.4 USMレンズでも、その魅力はどんどん高まって行きます。


↑朝の光を浴びた、オレンジの建築現場のネットとコーン。

色彩の組み合わせがパッと目に飛び込んで来て思わずシャッター切りました。

ここまで、一眼レフと比べて、全く違和感が無い撮影が出来ています。

ただ、パーフェクトに近い静粛性とスムーズさを誇るEF-Mレンズを基準にすると、レンズがスコーッ、スコーッと音をたてて派手に動く、特にEF 50mm F1.4 USMのようなフィルム時代のスターは、個性が強いですね。

この個性を愛せるかどうかが、カメラを趣味として捉えるのか、結果だけを求める、パソコン用の画像スキャナーとして冷たく扱うのか、天下の分かれ道なような気がします。

私は、EF 50mm F1.4 USMのこの個性が好き。

それをちゃんと失わずに使えるEOS KISS Mにも感心させられます。

今や、効率しか考えずに、人の心を考えないブームの日本に住んでいると、フィルム時代のカメラの大らかさに心が癒されて生きてゆく元気すらもらえますね。

本当はもっと大きなパワーをもらえているのですが、こんな小さくしか表現できない自分がもどかしい。


↑車庫の中で朝の光を反射しているクルマ、それが形成する不思議な模様。

写真欲が高まると、色々な風景に目が行ってくれますね。

これがなかなか写真欲が高まらないと何も見えないので困ります。

その写真欲を高めてくれているのは、間違いなくEOS KISS M。

EF 50mm F1.4 USMレンズも熱く燃えているぜ!!


↑ハトが家にー。

しかし、AFとMFの切替ですが、EFレンズは何とEOS KISS Mのカーソルキーに割り当てた「MF切替」キーが効きません。

レンズ本体に付いてるMF/AF切替スイッチで切り替えるようになってます。

EOS KISS Mを買わせて頂く前は、それが普通だったのに、今や「あれっ? わざわざレンズのスイッチで!??」みたいな思考になってるのが恐ろしい。

マウントアダプターに、EOS Rと同等のコントロールリング欲しいなぁ・・・とも思ったのですが、電子接点の数が8つしかないEFレンズは、それは不可能なんだろうな。

一眼レフと同じ事が出来て、大満足ではある。

それはもう大喜びなんだけど、EF-Mレンズや、あるいはRFレンズが使える、最先端ボディとの組み合わせで使える先進の便利機能の数々までは使えないので、ちょっと寂しくなる時もありますね。

今までの事がちゃんと出来るだけでヨシとしなければならないとは言え、先進機能が使える(ピントリング連動拡大とか)と、そりゃもう快適性が段違いなので、長い目で見ると、主流はRFレンズあるいは小型軽量を鉄壁で守るEF-Mに移り変わって行くのだろうなぁと思います。

まぁ私はそんな先まで生きている事はないので、未来のカメラマンたちに選択をお任せして先に土に還って行くわけですが。


↑ハトが並んだところ。

挙動は、一眼レフと比べても違和感ないですね。

ただ、最初にEF EOS-Mに装着するレンズは、もっとこう高速なEFレンズにした方が良いかも知れないです。

EF 50mm F1.4 USMは、あまりにも挙動が個性的なので、うっかりと、EF EOS-Mの機能が低いとか悪いという誤解をしてしまうかも知れないからです。


↑花を絞り開放F/1.4で撮影しました。

F/1.4だと、ピーキング表示、ピント位置を拡大出来るミラーレス撮影は強い。

大口径レンズを使うのであれば、もはや一眼レフの光学ファインダーはその役目を終える日が近いのかも知れません。


歩きながらふと草むらを見ると、蝶がさかさまになって、強い朝の光から身を隠していました。

あわてて撮影。

色々と、写真欲が高まっていると、見えなかった景色がどんどん見えてきますね。

何もなくともこの写真欲を高くキープ出来る才能が欲しい。

プロカメラマンさんが凄いのは、技術もさることながら、この写真欲が良い意味で貪欲だからなのかなぁと。

私はプツンと欲が切れてしまう事が多いので、ドーピングだろうが何だろうが構わぬので、写真欲を高いまま維持したいものじゃ!