私が一眼レフを始めた時、2005年に、親しい人から記念にプレゼントされたレンズがあります。
シグマ28-200mm F3.5-5.6というレンズなのですが、APS-C専用ではないフルサイズで28-200mmという焦点距離の幅広さ、F値も、F3.5-5.6となかなかの明るさ。
過去にブログにもこのレンズの記事を書かせて頂いておりました(今思い出した)
まさに渡りに船のレンズなのですが、例によって、どうにもキヤノン一眼レフの光学AFと相性が合わなかったのです。
不意のピンズレ、絞り値が、たまに設定と乖離した写りになる事があり、電気的な制御がたまに滑っているのかな(確証なし)?とか。
このあたりの話は、プレゼントして下さった方とも「なんでだろうね」と話をして、相性が良いカメラが出たら使うという事にしてましたが・・・結局、光学AFだと、キヤノン純正じゃないとイマイチ良くないんじゃないか??という結論に達してしまいました。
↑しかし、ミラーレス時代となり、同じように安定性に問題があったシグマ30mm F1.4 EXレンズが完全復活!!
一眼レフの光学AF「だけ」の時代が終焉し、ミラーレス時代になった今、もはや、純正とサードパーティの安定の差は消滅したのではないかと考え、ついに28-200mm F3.5-5.6をEOS KISS Mに装着しました。
体の小さなEOS KISS M(EOS M)は、マウントアダプターの効果もあり、あいかわらず、どんなレンズも相対的により大きく立派に見える効果が付与されますね。
↑このレンズは、AFで盛大に「ジュイーン!! ジュッ!!」とメカニカルなモーター音を響かせますが、無音や静音が当たり前になった令和の今、逆に、メカ心を刺激してくれて素晴らしいです。
今って、時代が一周して、レンズに限らないんですけど、昔の製品の情緒みたいなものが大きく魅力を発揮してる気がしますね。
令和では、平成の初期や昭和の時代が大きく再評価される予感がするのですが、どうでしょうか!!
というわけで、朝の町歩き撮影に出てみました。
■思った通り大復活!!
↑いよいよ実写なのですが、まず、結論から先に言うと、思った通りでした。
光学AF時代にあれほど厳しかったこのレンズ、ミラーレスのEOS KISS Mでは完全復活しました!!
AFのピンズレはないし、絞りも安定し、快適に使えます。
ミラーレス時代って、イメージ的には「古い物を切り捨てて、新しいものに移行する冷たい時代」かと思ったのですが、全くの逆でした。
「古い時に不遇だったものが、最新の技術で救われ、色鮮やかに蘇る!! 新世代と旧世代が共存する夢の時代の到来」となったのを確信しました。
↑15年以上前に既に古いレンズの扱いだった、シグマ28-200mm F3.5-5.6ですが、EOS KISS Mのタッチ&ドラッグAF、バリアングル液晶に完全に適合し、爆発的な快適さを手に入れました。
舗装路面を突き破って生えている雑草の写真も、らくらく撮影。
おいおいおいという感じ。
↑画質も、一眼レフ時代よりも遥かに良い感じです。
確かにレンズ描写はフィルム時代を踏襲してフンワリ柔らかいのですが、EOS KISS Mの本体が異常に進化してるので、二つが合わさってほどよくデジタルの冷酷さが中和されて、味のある描写に昇華されてます。
これって・・・個人的には、小さな巨人の名機「PowerShot G9X Mark2」の画質に通じる所があるのではないか??
↑EOS KISS Mのタッチ&ドラッグAFもあって、例によって、まるで新しく今日28-200mm F3.5-5.6レンズを買って来た!!という勢いで快適に撮影が出来ます。
しかも焦点距離が28-200mmと非常に幅広く、便利この上なしです。
このレンズの特性として、望遠側の方が画質は安定し、広角側は、収差がより大きくなる・・・つまり広角側は不得手という事になるのですが、EOS KISS Mくらいデジタル面が進化してると、先ほども申し上げた通り、中和されて非常に味のある良い感じの画質になってますね。
↑沼で水鳥を撮影しましたが、心配したAFも安定性も、やはり全く問題ないです。
ミラーレスのEOS Mは、古いフィルム時代のレンズを令和の時代に復活させる!!という事はもう確実かと思われます。
パーフェクトな純正と比較すると、若干は諧調不足で、硬い画質かな?という気はしますが、癖を把握して使えば問題なさそうです。
↑色合いは、玄人好みというか、やや渋めの方向ですが、これはドキュメンタリータッチ狙いには力を発揮しそうです。
↑愛車のアイの写真も撮ってみました。
画質的にもAFの速度的にも大満足です。
このレンズも、15年もの年月を経て、いよいよ飛び立つ時が来たか・・・!!