日にちが経過するにつれて、プレイステーション4(PS4)への期待が個人的に大きく高まっています。
今回の記事では、そんなPS4について、つらつらと書かせて頂きたく思います。
■ソフト会社大喜びの吉兆■
PS4は、性能を引き出すために特別の技能を必要とするCellブロードバンドエンジンをやめたのが大きく、素直なプログラミングでとてつもない性能を引き出す事が出来る設計というのが重要なポイントで、ヴィータさんのようにソフト開発会社さんが大喜びしているのが印象的です。
やはりゲームを作る側が浮き浮きしているのが一番で、良い物を作ってもらえる期待感が加速します。
■PS4の「APU」とは?■
PS4のプロセッサは、メインの処理を担当するCPUと、グラフィックスを担当するGPUが一体化したAPUと呼ばれるAMD社の集積プロセッサです。
大雑把に言うと、CellブロードバンドエンジンがCPUのみでやろうとした高度処理を、汎用コンピューティングを可能としたGPUとCPUを素直に融合することで超えてしまおうというもので、とことん現実的。
現実的と言えば、消費電力や発熱を抑えるためにノート用のAPUをベースとしているのも大きいのです。
ノート用と聞いてがっかりした方もいらっしゃると思いますが、いやいや、数年前まではネガティブな印象があったのは事実ですが、たとえば、手持ちのノート用Core i7-2630QM(2.0GHz)の4コア8スレッドの高性能ぶりを体験した後ですから、個人的にはですが「ノート用」と聞いて甘く見くびる気持ちは少しもありません。
1.8GHz(2.0GHzに高める可能性もあるらしい)で動作する、性能が出しやすい素直な8コアCPUと、18個ものコンピュートユニット(フル仕様のプロセッサ)で構成されたGPUがタッグを組んで処理をするので、時代が時代ならば、到底数万円の予算で手に入るようなコンピュータの中身ではないシロモノです。
グラフィックスにかけられるエフェクトも、現行のDirect X9世代からついにDirect X11世代に進化し、根源的に明らかに現世代とは異なったものが見られるのは確実。
事実、単純にこれまでのDirect X9世代では不可能だった映像表現が、PS4開発中ソフトにおいて「これでもか」とバンバン使われていて、世代違いの威力を思い知らせてくれています。
■超高性能APUを生かすGDDR5メモリ!■
PS4は既にあちこちで絶賛されているように、メインメモリが破格の高性能です。
本来ならグラフィックス用にあつらえた超高速なGDDR5メモリ(秒間176GBもの壮絶な転送性能)をそのままCPUが使うメインメモリにも採用し、それも、容量は8GBという巨大なもの。
とことん絵空事を廃し、現世代とは明らかに違う、進化したゲームをすばやく提供するにはどうすれば良いのか? という冷徹な視点で設計されたPS4。
その覚悟や迫力は生半可なものではないように思います。
(追記)
当然ながらPCと比較されるPS4ですが、ことメモリ周りはまるで事情が変わります。
PCは、「超高速なビデオメモリとそれを使うGPU」と「ビデオメモリよりは低速なメインメモリとそれを使うCPU」と分かれています。
ところがPS4は「超高速なメモリを、GPUもCPUもどっちも自由に使う」わけです。
PCでは、秒間176GBの帯域を持つメインメモリにアクセスするCPUなど存在しません。
また、8GBの容量にしても、PCとPS4ではゲームに使える量がまるで違ってきます。
大げさに言えば、「PCなら16GBや32GB積まないと出来ないような事を、PS4は8GBあれば出来る」という感じになるのではないでしょうか。
PS4は、既存の技術を漠然と使っているだけでは無い、という点を忘れてはいけないと思います。
しかも、生み出された次世代のゲームは、システムレベルでプレイステーション・ヴィータに無線で飛ばしてモバイル出来るという、極めつけの必殺能力があります。
ソフト開発者さんは、モバイルか据え置きかで悩む必要がなく、PS4で全力を尽くしたらそのまま何もしなくてもヴィータで持ち運べるようになるわけで、これが業界に与えるインパクトがどれほどのものになるのか、非常に興味深いものがありますね。
PS4の続報が待たれます。