ドイツの高級筆記具メーカー「ファーバーカステル」の名作エモーション・ペンシル。
その中でも、この「ファーバーカステル・エモーション・メープル・ペンシル」は、樹脂とメープル材の構成によって、価格的ハードルが高いエモーション・シリーズの中にあって、最も求めやすい価格を実現したペンシルになっています。
ケースは温かみのある質感を持った紙箱です。
エモーション最高級ラインの"紙製外箱+プラスチック製ペンケース"ほどの豪華さは無いものの、これはこれで嬉しいものです。
紙製ケースの中から台紙を引き出すと、いよいよエモーション・メープル・ペンシルが姿を現してくれます。
シリーズの中では求めやすいとはいえ、れっきとした高級筆記具であるため、丁寧に作られた取扱説明書も付属していてやはり気持ちが良いものです。
エモーションならではの美しくも独特なデザイン。
初めてエモーションを見た時は、まさにその名前の通りの感動がありましたが、実際に手に取ればその思いはさらに強まる一方です。
砲弾型のペン軸を構成するメープル材は、古色蒼然としていてある種の威厳を与えてくれる感があります。
エモーションペンシルの芯先は1.4mmという極太芯。
これは、入手性の悪いファーバーカステル独自サイズ芯なのですが、オンライン購入という強い味方があるので特に問題ありますまい。
エモーションの芯の繰り出しは、ノックでもツイストでもなく、このペン尻部分を回転させる事により行います。
回転させるたびに、無段階で芯が繰り出されるため、芯の長さ調整は思いのままというメリットがあります。
回転の滑らかさは、さすがに金属製パーツの上位ライン製品よりは、ほんのちょっとだけ負けるかな?という気がしますが、重みがつけられていて安っぽさなどはありませんから安心です。
ファーバーカステルのロゴが入ったメープル材。
まるで長い歴史を持った家具に身を委ねているように心が落ち着いてきます。
さて、実際に筆記してみると、1.4mmなんて太すぎて常用は難しいのではないか?と思われるでしょうが、1.4mm芯の実際の硬度がHBかHくらいかな?
かなり硬めなので、太芯で馴染み深い「粉のような柔らかさ」というものが抑えられていて、とにかくその太さからくるイメージより線が細い感じ。
メモ帳への書き込みが簡単とは言いませんが、これは常用できると思います。
ウォーターマン・メトロポリタン0.5mmと比較すると、もちろんエモーション1.4mmの方が太いのは当然ですが、驚くほどに差が小さいのです。
1.4mmだけで丸一日通して筆記してみたくなりますね。
(追記)実際に仕事で丸一日使ってみました。
念のため、ラミー・スクリブル(0.7mm)にも待機してもらっていたのですが、1.4mmのエモーション・メープル・ペンシルだけで、プログラム開発中の分析メモとか重要な会議を乗り切れました。
芯の硬度があるので、常にカドを使う事によって、ほぼ0.7mm強くらいの実用性がありました。
ただ、芯の摩耗面を使うと、そこはもう1.4mmならではの「鉛筆ライク」な太芯の書き味。
筆跡に色々な表情を出せるペンシルとしてこれからも大活躍が期待されます!!