2024年9月8日日曜日

(映画)「エイリアン・ロムルス」観てきました。初代リスペクトに溢れた傑作。

家族にちょっと病気がみつかり、これから長い戦いになりますが、落ち込んでいてもしょうがないので病院の帰りに家族と「エイリアン・ロムルス」観てきました!!

初代エイリアンへのリスペクト溢れる傑作!!

今回の作品は、初代エイリアンに対するリスペクトに溢れた傑作!!

SFホラーの金字塔として歴史にその名前を残した初代エイリアンですが、ホラーなのはこの初代作のみで、その後に作られた続編は「面白さ重視・エイリアンを題材としたモンスターパニック映画」になっており、初代だけ完全に毛色が違う作品となっています。

このことが、シリーズ全体を通してファン層を分ける特徴にもなっているのですが、初代の不吉な恐怖は本物。

私は、初代の頃は映画館で観られず、幼い頃に東北放送でテレビ放映した吹替版エイリアンによって、いまでも悪夢にエイリアンが出てくるため、これは完全にトラウマになっています。

という感じで、初代に対する理解力が極まったスタッフが結集して作った、「初代エイリアンの完全な、潔癖な、本当の正統続編と言える仕上がりになっています。


とにかく、初代エイリアンに対する解像度が高い!!

エイリアンの異常なライフサイクルは今やよく知られている「フェイスハガー>チェストバスター>ゼノモーフ(初代の時はビッグ・チャップと呼ばれていたはずですが、今は響きがより不吉なゼノモーフが正式になってる模様)」ですが、これを「あなたたち知ってるでしょ!!」とやらずに、一つ一つのサイクルを丁寧に細部まで描いているので、初代を知っている人は「おお、こういうディテールになってるのか...」知らない人は「うわ...ドン引きー」と、どちらもホラー映画を楽しめるようになってます。


語らずにはいられないPS4版ゲーム「エイリアン・アイソレーション」

リドリー・スコット監督のインタビューが堂々掲載されている劇場パンフレットにも一切語られず、特にどこにも話が出てきていないのが寂しいですが、エイリアン・ロムルスの「成功」を語る上で絶対に外せないのが、PS4版も出ているビデオゲーム「エイリアン・アイソレーション」だと思います。

これは、迷走していた映画エイリアンシリーズ(初代以外は別物)に活を入れ、とにかく忘れがちだった「ホラー映画としての初代エイリアンのリスペクト」に溢れた、いわば、エイリアン・ロムルスの道標的な作品でした。

未来の話なのだけど、ブラウン管モニターが使われたレトロが混じった世界観(これが怖い!)、ひたすら怖いエイリアン。

アンドロイドの不協和音。

どうやったら「怖いエイリアン作品を作れるのか」を提示した名作です。

もしエイリアン・ロムルスが気に食わない方がいらっしゃるとすれば、初代愛に溢れる作品というのは、先にこの「エイリアン・アイソレーション」が濃密にぶちかましてしまった、ロムルスは焦った映画メディアが、ゲームメディアに慌てて追いつこうとしたように見える...感じでしょうか。

時間軸的には、この作品の後が「エイリアン2」になってしまうわけですが、それはそれとして、今回の作品は「初代」の流れを新しく分岐させた良い作りになっています。

ロムルスは、今やアクションヒロインと化して、あんまりエイリアンに負ける感じがしなくなってしまった「リプリー」も、グダグダの地球も登場しない。

ウェイランド・湯谷という会社も、クソ薄い軍事利用目的を超えた、真の(そして不吉で異様な)目的も明かしたし(少なくとも担当の科学者は信じている)、うまくすれば続編が行けるか??