EOS KISS X7にぞっこんの私ですが、冷静に考えると、カメラとして一番大活躍しているのは、タブレットの「Xperia Z Ultra」のカメラかも知れない。
今回の記事では、Xperia Z Ultraのカメラとしての話を書かせて頂きたいと思います。
私のXperia Z Ultraは、単品購入のWiFiモデルですが、スケジュールや地図、メモといった「スーパー・ザウルス的PDA」として手放せない存在になっています。
そんな常時携帯する端末だからこそ、これに搭載されている800万画素デジカメは、記録・メモ用途として大車輪の活躍だったりします。
いわゆるスマホ・カメラに属するものになるのですが、薄型を極めたようなスタイリッシュデザインもあいまって、撮影が意外と楽しい。
起動は俊足で、あっと思ったらすぐに起動して撮れる。
コンデジを買わないでずっと来ているのも、Xperia Z Ultraの力も大きいかも。
■Xperia Z Ultraを真剣にカメラとして撮影
Xperia Z Ultraは、なんだかんだ言って、天下のソニーが誇る最新構造のセンサーである「積層型裏面照射CMOS Exmor RS」を搭載しています。
ただし、デジカメの画質を決定付ける映像エンジンが、差別化のためか貧弱(ノーブランド品)ゆえに、出てくる写真は、いかにもデジタルといった粗い輪郭処理と、全く安定しないホワイトバランスにかなり苦しめられます。
ただ、動作そのものは機敏ですこぶる快適だし、色々とデジカメ黎明期の事を思えば、メインのカメラとしてもなかなかいけるかな?というところ。
Xperia Z Ultraの映像エンジンは、ソニー自慢のBIONZではなくて、ノーブランドのやつですが、明暗差が激しい朝の渓谷の撮影とかに強いのは驚きます。
キヤノンで言うところの、オートライティング・オプティマイザが強度にかかる感じで、光と影を生かした撮影というのは難しいですが、光と影をうまくひとまとめにした画がスパッと出るのは、ちょっと驚かされます。
この写真も、実は木々と水面の明暗差が激しく、もしも昔のデジタルカメラ(どんな高級品でも)であれば、木か水面のどっちかが黒く潰れてしまうケースですが、Xperia Z Ultraはみごとに纏めてくれています。
正直、こういうのが、(スマホカメラとして能力が下の方の)Xperia Z Ultraでパッと撮れてしまうなら、スマホカメラ隆盛に大納得してしまいます。
むしろ、マニア以外で、わざわざコンパクトカメラ買う事ってなくなるんじゃ・・・とか思えてしまう勢い。
あくまでフルオートなんで、表現の意図うんぬんは無いのですが、逆光の中の表現もなかなかのもの。
とにかく、黒つぶれを全力で回避する性質になってるみたいで、時として思わぬ表現力に感心させられる事も多いです。
Xperia Z Ultraは、とにかく液晶がデカイ6.44インチであるため、根源的に、デジカメの背面液晶とはもう全く印象が違います。
カメラで撮るというよりも、目の前の風景をそのまま切り取ってバッグに入れるかのような印象があり、空間メモリー機という感じ。
操作も画面タッチだけなので、カメラを使っている気にはならないものの、空間スキャン作業という新しいものだと考えると、なかなか楽しいですね。
サブカメラとしても大活躍で、メインの撮影は、EOS KISS X7でばりばりやり、その状況説明用の資料写真や、メモ的な写真は、数多くがXperia Z Ultraの役割だったりしています。
とにかく、でかい液晶にワンタッチでパッと写真が撮れるので、本当に有能なサブカメラとなっています。
ただし、ノーブランドの映像エンジンというのが痛いのか、このXperia Z Ultraには大きな弱みがあって、それが「色」なんです。
とにかくオートホワイトバランスが安定しない、というか、信用に値しないので、人の肌やカラフルな花とか、色が重要なシーンを撮影する前は、かなりの不安が沸きあがります。
うまく撮影出来た時は、ほっとして力が抜けそうです。
オートホワイトバランスに関しては、ほとんど大昔、デジカメ黎明期のモデルだってこんなもんかって感じです。
風景写真も、ディテールとかの話になると辛いものがありますが、そこそこ行けるかなという印象。
カメラを忘れて来ても、なんとか写真を持ち帰る気になれるくらいの画は撮れるかな。
ただ、色は気になります。
もともと、個人的に色はキヤノンのが好みで、ソニーの色はあまりに青くて好きじゃない・・・という不利があるのですが、それを差し引いてもXperia Z Ultraは色が安定しない。
多分、キヤノンがカメラを担当したら、色で悩む事はなくなるんだろうなと思います。
カメラもそうですが、常時携帯する端末に「ついでに」付いている機能というのは強いです。
単純に画質だけで決めるなら、Xperia Z Ultraは、カメラとして単独で持ち出す魅力は無いのですが、android端末と高度に融合しているからメリットが大きい。
スマホ時代の機材は、なんかこう、釈然としないけど、便利だからしゃあない・・・というパターンがあまりにも多く、なんかこう、大きな力で流されるだけの自分の無力感みたいなものを感じて切なくなりますね。