2012年6月16日土曜日

HDR-XR500Vを持っていてなお、HDR-PJ760Vを買う理由とは

HDR-PJ760Vがとても欲しい。
今回の記事では、「既にHDR-XR500Vを持っているというのに、さらに新しいハイビジョンカメラを買う理由は何なのだ」という点について、色々考えていきたいと思います。

■(1)業務機ルックのカッコ良いボディ■

いきなりデザインの話か!と怒られるでしょうが、カメラやクルマって性能だけじゃ成り立たないですもの。
逆に、性能の数字だけで買うと絶対に不幸になってしまうのです。
これだーっ、というデザインとそれに見合った操作性があってこそ話が始まるというもの。
その点、HDR-PJ760Vは心配がありません。

■(2)外付けマイクいらず■

外で撮影していると、風による「ボボボー」という音がとてつもなくやっかいで、海辺の観光地なんかで撮影していると高確率で泣きが入ります。
そのため、あの毛がフサフサ付いた外付けマイクの装着につながってしまうんですけど、HDR-PJ760Vは、アドバンストサウンドプロセッサによって、ボボボー音をカットしてくれる!! これは実は相当にデカイ機能です。

■(3)ワイドコンバータいらずの高性能な広角レンズ■

やはり、26-260mm F1.8-3.5の超広角ズームレンズ搭載というのは果てしなく大きい。
(訂正)26-260mm F1.8-3.4でした(テレ端が明るい)。すみませんでした。
43-516mmのHDR-XR500Vも、ワイドエンドコンバージョンレンズさえ装着すれば広角端が30mm相当になるし、ズーム不能だから画質も確保出来るのですが、重量が65gあるし1万円以上する。
何もなくて26mmからの超広角撮影が可能というのは、家庭用ビデオカメラでは長年の夢の実現でもあるわけですよね。これは素直に喜ぶべきでしょう。

このレンズだけでも大きな価値があろうというもの。
たとえば、EOS KISS X2で大雑把に言えば、EF-S 16-160mm F1.8-3.5レンズがあるようなもの
うらやましいなぁと。

しかもこのレンズ、超高性能のカールツァイス・バリオゾナーT*(ティースター)で、ソニーの説明を読むと・・・

おおおー特殊低分散レンズ、高屈折レンズ、非球面レンズのフル搭載なんですね!!

以前この記事の中で「特殊低分散レンズは使っていないみたい」と書いてしまって申し訳ありませんでした。

■(4)16:9比率センサーによる高画質■

当時、小型ハイビジョンカメラに大革命を巻き起こしたHDR-XR500Vは、もう十分に高画質ではあるのですが二つの大きな未練を残していました。

それが、ハイビジョンで画素をフルに使えない4:3比率センサーである点と、ハイビジョン規格の上限である1080/60pには手が届いていないという点です。

どっちも解消したHDR-PJ760Vは、そういう精神的コストが大改善されていて気持ちも良いです。
16:9比率の有効画素615万の裏面照射+クリアビッド配列の1/2.88インチセンサーは、シャッター速度1/60秒でついに最低被写体照度6ルクスを達成。
HDR-XR500Vも相当に高感度(かつ高画質)なんですが、にも関わらず11ルクスと控え目です。
その二倍かぁ!!という驚きが大きいですね。


■(5)USB充電が出来る!!■

地味に大きいのは、何とUSB2.0ケーブルが本体に内蔵されててしかもUSB充電が可能である点です。

モバイル充電パックとかも使えるんじゃないかな!

これは地味というよりは、旅行などではドデカイアドバンテージなのではないでしょうか。
あ、PSVITA(プレイステーションヴィータ)などと食い合ったりしないように運用に注意しないといけないですけれど・・・。

■(6)待ちに待ったフォーカスアシスト!!■

あまりに待ちすぎて、キリンのような長いノドになってしまったくらい待った、絶大なアドバンテージです。
正直、高画質ファインダー搭載でもアシストが無いカメラは使えないし、低画質ファインダーでもアシストありのカメラは全力全開で使える!!というくらいの劇的な差を生み出す機能なんですよ。

マニュアルフォーカス時に、画面が拡大されて、正確にフォーカスが出来るようになっています。
むしろ、何でHDR-XR500Vに搭載してなかったのか不思議でしょうがないくらい必要な機能でありました。
さらに、ピーキング機能搭載というのは飛び上がって喜びたい進化。
ピントの山に色を付けてくれるピーキング搭載までは贅沢かなと思ってましたが、鬱憤を晴らすように搭載されて来て大歓迎の巻です。

■(7)待ちに待ったゼブラパターンの復活!!■

ゼブラパターンって、HDVのHDR-HC3には搭載されていたんですよね。

それがHDR-XR500Vでは消滅してて、美味しんぼの海原さん調で、ドスドスドス(足音)「ゼブラの無いハイエンド機を作ったのは誰だぁ!!」てな具合だったんで、これはもうソニーにはお礼を言いたい。

そもそも、いくらクラス最高画質といえども、やはり1/2.88インチセンサーなりのダイナミックレンジゆえハイライトの伸びは弱いわけで、ゼブラパターンなしでマニュアルの露出調整には無理があったですねー。
というか怖い。

■(8)チルト式ファインダー■

HDR-XR500Vもしっかりとファインダーを搭載していて、しかもカラーブレーキングを起こす低コスト液晶を搭載したHDR-PJ760Vよりも見やすい。
ですが、可動範囲がより大きいファインダーの搭載は大きい。
ここが有機ELファインダーなら家庭用カメラの全ての話は終わっていたというくらい、HDR-PJ760Vはファイナル・スペック・カメラになっているわけです。

■(9)マニュアル機能の本格搭載■

今までの話とも重複するのですが、ついに本格的なマニュアル機能が搭載されて来ました。
具体的にはシャッター速度や絞りを直接指示可能です。
「え? HDR-XR500Vではマニュアル操作出来なかったっけ?」と驚く方もいらっしゃるでしょうが、そうなんです。
HDR-XR500Vは、ソニーの哲学で「カメラの明るさ」をコントロールするという事になってまして、もちろんそれも一見識であるのですが、シャッター速度や絞りが自由にならなくて泣きが入る場面というのは確実にあったわけです・・・。
それだけ映像エンジンBIONZのオート制御に自信があったと好意的にとらえていますが。

ただ、相変わらず「カメラ明るさ」での調整は可能のようで、いわゆるハイブリッド哲学マシンと言えるでしょう、って書いてて意味不明ですみません。

ちなみに、オート・ゲイン・コントロール(AGC)搭載で、カメラが勝手に電気的な感度アップ(ゲイン・アップ)をしないように抑える機能が付きました!
画質最優先の場合は、めちゃくちゃ重宝するでしょうね。
シャッター速度、絞り、ゲインアップ値の全部を自由に出来るのは、一眼レフでは当然でも、小型ハンディカムではまさに快挙。
というか、一眼がここまでハンディカムを圧迫しなければ搭載されなかったであろうし、皮肉でも嫌味でも何でもなくて素直に「一眼動画やってくれてありがとう」という気持ちですよねーここまで来ると。

■(10)カメラの歴史を変える視神経レベルの空間手ぶれ補正■

カメラの歴史を、撮影のやり方そのものを変革するほどの、超絶な手ぶれ補正「空間手ぶれ補正」が搭載されているのは、背筋が伸びるほどの快挙。

人間の視神経が眼球を制御するように、レンズが被写体に対して静止するという、手ぶれ補正の根本にまつわる理想を実現化しています。

センサーも含めて、レンズユニット全体を空間に浮かせてしまえ!!という発想は、ダイレクトな原理だけが持つ圧倒的な説得力がありますね。
歩くよりも走った方が速いとか、そういう類の。

ソニー公式サイトの空間手ぶれ補正のスゴさが一発で分かる動画です。こりゃかなわねぇー

これは、3CCDと並んで、大センサーの一眼では不可能な事なので、小型ハンディカムの普遍の大アドバンテージとしてずっと守られるであろうと思います。

■(11)SDカードとメモステの両方が使用可能■

これも地味に大きいです。
実際に、手持ちの32GBのメモステと32GBのSDHCカードをいつでも回せる状態にしてあるので、容量不足は全く心配ないなという状態。
内蔵メモリも96GBもあって嬉しい。
内蔵ストレージの容量は、さすがにHDR-XR500Vの120GBハードドライブには及ばないですが、逆に溜めすぎてエライ事になる前に処理する気になって良いかなーと。

■(12)HDR-XR500Vの美点をフル継承■

HDR-PJ760Vを写真機として使う時の大前提となる美しい6枚虹彩絞りや、東日本大震災後の暗闇の中で、実際に我が家の目として大活躍してくれたナイトショット等の美点はフル継承。
ストレートにHDR-XR500Vのスーパーパワーアップバージョンとなってるのがエライ!!

■などなど■

夢中で書いていたら相当長くなってしまいました。
こんだけ熱気を吹き出していて、お金なくて買えない現実の厳しさよ・・・