2015年7月20日月曜日

PowerShot SX710 HSの1500mm相当、3000mm相当の威力

PowerShot SX710 HSは、25mmからの最大光学30倍すなわち750mmまでズーム可能ですが、さらに、プログレッシブファインズーム(超解像?)を使うと、まさかの1500mmまでズームが可能です。

1/2.3インチセンサーは、どうしても画質に余裕はあまり無いので、デジタルズームかけるのはどうなのか?と心配になりますが、とにかく撮影してみました。


これが、ズーム倍率60倍、驚異の1500mmで撮影した水玉です。

等倍で見ると、ドットが拡大され、粒状感が強調されてしまうため、全体的にざらついた描写にはなるものの、思ったよりずっと画質が良い感じ。

このあたりになると、2000万画素が生きてくる感じですね。

ちなみに、このカメラは、単純に高倍率ズーム搭載してるってだけでなく、それを快適に活用するための機能がしっかりしてて素晴らしいです。

ズームにしても、光学30倍から、プログレッシブファインズームに移行する前に、一旦ズームが止まります。

いわば、光学とデジタル間にノッチのようなものがあるので、機能ONにしたままでも撮影者がコントロールしやすくなってます。


(※EOS KISS X7+EF-S 22mm F2.8 STMで撮影)

1500mmともなると、このカメラに付いている「フレーミングアシスト」ボタンが、本当にありがたいです。

正直、あまりにもズームし過ぎていて、どの場所を撮影してるのか迷子のように分からなくなるので、全体の構図を確認出来て、しかも全体の中で、一体どの場所にズームしてるのか?四角い枠で場所をナビゲーションしてくれるこの機能は、ありがたいの一言を超えるありがたさです。


これも1500mmで撮影しています。

たしかに光学30倍からのデジタルズームではあるのですが、遠くからでは見えなかったディテールが、ハッキリと浮かび上がってくるので大きな意味があると感じます。

APS-Cなどの大センサー搭載カメラなら、別にトリミング対応でも良いのですが、いかんせん元の質に余裕のない1/2.3インチセンサーはそうシンプルにいきにくく、超解像・プログレッシブズーム等が出来ればそっちが良いと思います。

しかも、1500mmの手持ちでも、ホントに手ブレがしにくい。

ソニーの無敵を誇る空間光学手ブレ補正には負けるにしても、こんだけ手ブレしにくいポケットカメラというのは、応用範囲が広がりますね。


1500mmは、遠く遠くの花の撮影にもなんとか行けるかな?というところ。

1/2.3インチセンサーでも、光学750mmの焦点距離になると、ぼけの量もでかくなるため、一眼レフに近い表現もできなくはないです。

表現うんぬんの話になると、やはりEOS M2を買うべきなんでしょうが、PowerShot SX710 HSは、多彩な機能を持っているため、発見や工夫も多くなってなかなかのものです。


ちなみに、電柱を、光学最大750mmと、1500mmで撮影して比べてみました。

画素数が2000万もあるため、思ったよりナチュラルにズームされている印象ですね。

ただし、デジタルズーミングの弱みとして、どんなに倍率をアップさせたとしても、光学ズーム終了時点と比べて、情報量そのものは全く同じままなんですが、ともあれ、拡大による細かい部分の視認性の劇的アップという価値は高いと思います。

このあたりは、2000万という非常に多い画素数の使いどころですね。


1500mmで撮影した花です。

かなり遠くですが、その場所で見たままの構図で撮れるというのは大きいですね。

「あ、いいな」と思っても、近寄ると構図が変わり、全然印象が違うものになり、「あ、(もう)いいや」・・・となりがちですが、1500mmくらいあるとそういう悲しみはかなり緩和されるのが良いですね。


ところが、このカメラには、1500mmどころか、常軌を逸脱したような「3000mm」というモードがあります。

倍率60倍を超えて行く領域で、ここも、ズーム時にはノッチがあるんで、一旦止める事が可能ですが、最大倍率120倍。

これが、倍率120倍、もはや冗談の世界「3000mm」ズームで撮った、雨粒がついた屋外のハンガーです。

等倍で見ると、1ドットが1500mmよりもさらに拡大されて、正直かなり厳しいのですが、全体で見ると2000万画素の「地ならし」効果もあって、劣化は明らかにあるものの、なんとか使えるレベルで撮れています。

というよりも、3000mmでも、ここまで手ブレが目立たないポケットカメラ、PowerShot SX710 HSの能力は大いに賞賛に値すると思います。


輪郭等にハッキリとデジタルノイズが乗るため、さすがに作品撮りとかには無理かもって思いますが、ともあれ3000mmで花を撮って見ました。

ただし、この画だけ見てしまえば、そりゃ確かにノイズだの劣化だの色々と騒ぎ立てる事は可能ですが、そもそもこれだけ撮れているってだけでも凄い事だと思うんです。

だいたい、この花は、遠くにありすぎて、肉眼で見てもピンク色であるくらいしか判別できず、花の形とか分からないレベルなのに、ここまで克明に、しかも手ブレなしで撮れてる、その意義はでかいと思います。

高画質とはいかないまでも、見えないものが見えたという方向で打ち出して行けばいいかなぁと。


ただ、今回は、1500mmや3000mmと言った、常識外デジタルズームについて書かせて頂きましたが、このカメラは、光学ズームの範囲内では本当に良好に使っていけます。

水玉を、25mmで撮影してみました。


また、25mmか750mmかという極端な選択も良いのですが、中間ズーム域はさらにとても安定した描写をしてくれます。

花にしても、中間ズーム域だと、標準や中望遠レンズ装着カメラの感覚で、画質を期待してドンドン使っていけます。

背景のぼけも、このように、なかなかさまになってるかなと思います。

画質を追求してくると、やはりEOS M2を買いたい、という場所に行き着いてしまうと思うんですが、自由に色々手軽に撮れるのも大切で、PowerShot SX710 HSは、すごく良い感じです!!