2015年9月26日土曜日

初めてEF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMレンズをEOS KISS X7に装着してみました

手持ちの超広角ズームレンズ「EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM」ですが、よくよく考えたら、まだEOS KISS X7には一回も装着した事が無いのに気が付き、あわてて撮影してみました。


EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMレンズは、初期のEF-Sレンズの屋台骨をたった1本で支えた、名玉の中の名玉です。

このレンズの登場前夜は、APS-Cは、望遠やマクロに強いというメリットを過小評価され、とにかく広角に弱いという部分が過剰にクローズアップされていました。

それを打ち消し、個人的には、フルサイズを視野に入れたレンズ選びをしようとしていた私の方針も変え、むしろ、このレンズの誕生により、広角の悩みが解消された今、積極的にAPS-Cが良い!!と思い今に至る程のレンズ。


このレンズは、あのデジタル一眼レフの歴史に残る名機「EOS 20D」とペアで開発されていたものの、登場はEOS 20Dよりも後になった(EOS 20D同時発行のムック本にも、発売予定レンズとして名前と製品写真だけ出ていた)のですが、初弾の製品でありながら、もはや最初にして最後と言わんばかりの気合の入れようで、単純に超広角の世界をキヤノンAPS-Cにもたらしただけにとどまらず、「えーーーっ」と声をあげてしまうほど常識を外れた軽量コンパクトっぷりに、歪曲収差が極めて良好に補正され、さらにAFが超高速・高精度で、操作性までも大満足でほぼストレスなしという快挙まで成し遂げていました。

ただ、本体は軽量コンパクトではあるのですが、レンズフードが異常なまでにデカく、超広角レンズが普通の存在ではないというアピールにもなっていました。

このフードはハッキリ言ってアカンです。

どんな爽やかイケメンが持っていても、このフードを見ただけで周りからは手のひらを返したように不審者として警戒される事は請け合い(!!)の、一般的な人が普通の生活では絶対に見ないような異様な形状をしておりますです・・・。


異様な巨大レンズフードのせいで、EOS KISS X7に装着すると、かなりの特殊機材みたいなルックスになりますが、レンズそのものは385gしかないコンパクトっぷりで、撮影はとても快適です。

このレンズは、10mm端の注目度が高いのは当然なのですが、実は14mmがめちゃめちゃ良い感じです。

この写真は、焦点距離14mm、絞りは開放F/4です。

しかも、14mmの歪曲は、たったの0.04%程度しかなく、実質はゼロと言えるくらい。

ぼけも綺麗で、単焦点の14mm F4が出てもそう大差はつかないのではないか?などと思えてしまうくらい。


これも14mmの絞り開放F/4です。

ただし、この写真はライブビューで撮りました。

指でフォーカスポイントをタッチして指定し、指定した枠に親指AFボタンを押し込んでピントを合わせる・・・という動きですが、一眼レフAFでは超高速ですが、ライブビューAFはちょっと遅いですね。

3回くらいピント位置が動く感じで、「コッ、コッ、コッ」とピント位置をシークするような動きを見せつつ合焦する感じ。

このあたりは、STM搭載レンズじゃないと辛いところか。


これも14mm、絞りはF/5.6です。

14mmの画角はとても良い感じですが、単焦点で14mm買おうと思ったらとんでもない値段になるので、このレンズは本当素晴らしいです。


愛車のアイを14mmで撮ってみました。

ナンバープレートだけ、加工で塗りつぶしているのを許して下さい。

14mmだと、ぎりぎり、超広角特有のひっぱられ感が抑えられ、自然なワイド感が得られるのかなと思います。


ちなみに、ワイド端の10mm、絞りF/5.6です。

苔むした通路の壁面。

こういう写真は10mmだと楽ですが、超広角になればなるほど、本来は歪曲する部分が強烈に補正され、四隅が引っ張られるような独特な描写になるのですが、それがちょっと不安感を煽ります。

このあたり、キヤノンAPS-Cと、15mm対角線魚眼の組み合わせの方が、イメージに近く撮れるのかなぁと悩んだり。


10mmの絞り開放F/3.5です。

このレンズじゃないと撮れない画というのもあるので、10mmは10mmで良いのかなぁと。

10mmとて、このレンズは歪曲がとても良好に補正されていて、わずか-1.25%(マイナスはたる型の歪曲収差)しかなく、登場した当初は、実写レビューであまりの歪曲のなさに評論家の方々も大騒ぎしていましたね。



それと、このレンズは、望遠端の22mmがとても使いやすい!!

22mm、絞り開放F/4.5で撮影した椿の実ですが、ワイドでありながら自然で、あれやこれや本当に撮りやすい。

個人的にジャストフィットするのはEF-S 24mm F2.8 STMレンズなんですが、それに近い。

歪曲は0.46%とやはり良好に補正されていて、直線基調の被写体にも臆せずに挑めます。

22mmは、ぼけも自然で綺麗なので、花の撮影にも積極的に使えるし、個人的には、人様から依頼を受けた集合写真を22mmで撮り切った事もあるくらいです。



急にEF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMを思い出したのは、軽量・コンパクト・写りが良く・価格も求めやすいという四冠王レンズ「EF-S 10-18mm F4.5-5.6 IS STM」が欲しくなり、色々と検討する中で、手持ちのこのレンズはどうだっけ?と確認したくなったためです。

個人的に、普段は単焦点レンズが中心なので、なかなかこのレンズを持ち出す機会が少ない(というか、EOS KISS X7では今回が初)のですが、新しいのを買うより、まだまだこれ一本でいけそうな感触。

手持ち撮影動画とか、ライブビュー系は厳しいでしょうが、EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMがあればいいし!