欲しくともあまりの値段の高さに手が出せなかったボールペン「ウォーターマン・パースペクティブ・デコレーションブルーCT」ですが、2013年に奇跡としか言いようのない特大級の値引き販売が行われ、ついに手にする事が出来ました。
値段の話題から入る事をどうかお許し願いたいのですが、このパースペクティブは、定価ベースだと何と1万5750円(!!!)。
あのシャーボXプレミアムさえも楽々と超えてしまう超高額ペンで、私にとっては、購入するのなら相当な覚悟が要求されるペンでありました。
しかし、ある日、オンラインショップで一時的に1/3以下の仰天価格で販売されていて、「なんだァ。びっくりしたァ。どうせ価格の付け間違いだよ。ここで注文するとお店に悪いからいいや」と一旦スルーしたのでした。
しかし、後日やはり気になって再び見たら・・・まさかの販売継続、しかもさらなる値下がり!!! これはマジ物だと分かってあわてて発注!!!
おそらく、価格的にここまでの奇跡をみることは、今後の人生においてそうは無いだろう・・・というレベルです。
何度手にしても喜びが色あせないウォーターマンの化粧箱を開くと、見目麗しいパースペクティブが姿を現してくれました。
そういえば、今までウォーターマンのペンというと、ペンシルだけしか使った事が無くって、ボールペンはこれが初めてです。
取扱説明書によると、輸入代理店は「ニューウェル・ラバーメイド・ジャパン株式会社」となっておりました。
素材は、真鍮(CuとZnの合金)であり、重量は43gとかなりのもの。
クリップやトリムには、一般的なクローム(Cr)ではなくて、なんと貴金属の元素46パラジウム(Pd)を使用。
正確には、パラジウムに元素28ニッケル(Ni)を加えて、美しさと強度を確保した貴金属コーティングです。
パースペクティブは、モダン建築・都市空間をモチーフとしていますが、デコレーション・シリーズには、さらに透視図をモチーフとした模様が、ラッカー・コーティングの下に描かれています。
天冠部分のウォーターマンのロゴは、意外にも彫刻ではなくてプリント仕上げ。
貴金属のパラジウム(ニッケル・パラジウム)を施したクリップは、中央部に窓が開いていて、ポケットに差した時、服の生地がそのまま模様となる工夫がなされています。
このあたりは、さすがフランスならではの計らい、という印象を受けますね。
このグレードのペンとしては、もはや心配など必要は無いのかも知れませんが、ペン先はもちろん全く揺るぎが無く、盤石の安定性を誇っています。
実際に筆記してみると、リフィルは日本製に近い、油っぽ過ぎず、淡泊過ぎない、万人に好まれる調合という印象を受けました。
書き味は申し分ありません。
また、グリップの段差に指がちょうどひっかかって、ここまできらびやかなペンでありながら、握りやすさもちゃんと抜かりなく、さすがはウォーターマンのペンと唸る完成度であります。