劇場にて久しぶりの邦画「散り椿」観ました。
大作系の時代劇なのですが、相変わらず、日本映画は登場人物がめちゃくちゃ多いですね。
「殿、利息でござる」みたいに、人物が多数いても丁寧に観客に感情移入させられる作品はあらためて凄い・・・が、この映画はそこまでは上手く作れていないかな?
この作品は、ある事件を背負って藩から逃げた武士が主人公。
恋女房の奥さんが病死してしまうのですが、その際の遺言で、なんとその奥さんを争った事もある親友を助けるため藩に戻る事になります。
なんかこう、人物に感情移入する前に、複雑な状況や人物関係を飲み込まないといけないため、映画慣れしてない方は割と厳しいかも。
もちろん完全な新作なのですが、あたかも、この作品の前に丸々一本「前作」があって、それを観ないとよく分からないよ的な作りに感じました。
主人公を演じる岡田准一さんの殺陣のキレは見事の一言に尽きるし、見所は沢山ありますが、前半は「新作にあるまじき続編感」が漂いなかなか落ち着かない。
ジャンルは全く違いますが、どことなく、高倉健さん、鶴田浩二さんのヤクザ映画のようなペース配分という印象。
過去を背負った男が、何を成し遂げたいのかいまいち掴み切れずに鬱屈した毎日を送る。
キナ臭いが平穏な日常の中で、いくつかの事件が起きたりする。
反目しあう友との激突と和解。
頼りなかった舎弟(的な人物)がやがて成長するも、状況は悪化。
悪党は、私利私欲に目のくらんだドス悪い全く情状酌量の余地も改心する余地もない凶悪人。
凶悪人による卑怯で理不尽な攻撃に耐える日々。
そして積もり積もった怒りがついに大爆発!!・・・みたいなペース配分。
途中までは、やや嫌な予感もしたのですが、見終わったらもう大満足でした。
終盤の盛り上がりは相当なものでした!!