2009年9月17日木曜日

キヤノンの名機EOS 20D


キヤノンのハイアマチュアクラスのEOSは、毎回「出し惜しみしている」と批判を受けてきた悲運のクラスでもあります。しかし、初代のEOS D30を別とすれば、EOS 20Dはその流れに逆らった名機と言えると思います。

現在でも愛用者の多いEOS 20Dですが、その魅力の源泉は何といっても、画期的な高感度・低ノイズ
業界に与えたショックというかインパクトは絶大で、多数の高性能カメラが出揃っている現在でもなお、EOS 20Dに搭載されたAPS-Cサイズの820万画素センサーは極めて高く評価されております

コンパクトカメラも一眼レフも、異様なまでに「高感度で低ノイズ」を主張していますが、まさにそのキッカケを作ったカメラこそが、このEOS 20Dだったかと思います。

実際にEOS 20Dで撮影したISO 3200の写真を掲載させて頂きますね。
今朝、私が手作りで焼いたパンです。

これは、シグマ30mm F1.4 EX DC HSMレンズを装着し、マニュアルモードで撮影。シャッター速度は1/25秒、絞りは開放F/1.4。ISO 感度は3200です。

実際に等倍に拡大した、部分切り出しの画像も同時に掲載させていただきます。

このブログにアップロードしている写真は、全てフォトショップで容量節約のために画質を劣化させていますので、オリジナルはもっと綺麗ですが、このノイズのなさっぷりはどうでしょう。
これが、2004年の9月に発売されたカメラと聞いたら、やっぱりビックリしますよね。

しかも、単にノイズを塗りつぶしているのではなくて、ノイズそのものを発生させないハードウェアがセンサーに搭載されているので、ディテールやダイナミックレンジを犠牲にせず、600万画素センサーよりもさらに優秀な性能を叩き出している事が当時の雑誌などでの検証で明らかになっています。

ちなみに、2009年現在、一眼レフ最高クラスの画質として評価の高い「EOS 5D Mark2」の2110万画素センサーですが、画素の密度そのものは、このEOS 20Dのセンサーの820万画素をそのままフルサイズに広げた状態であり、さらに最新鋭の技術が投入されていますから、高画質も納得。全く無理の無い自然なセンサーだと感じます。あちらはISO 25600まで使えるんですけれど、ああ、そうだろうなぁと納得です。

個人的にEOS 20Dでありがたいのは、どうもEOS KISS X2よりもAFセンサーが良いんじゃないか、という点です。性能的には同じくらいのセンサー、いや、機能的にEOS KISS X2のものが上回っているハズなんですが、実際はEOS 20Dはどんなレンズとも相性が良いです。

今回のパンの写真、シグマ30mm F1.4の開放F/1.4ですが、ピントはオートフォーカスでピッとやったもんです。これでも大丈夫なんですから、やっぱり大したもんだなぁと。

はっきり言って、EOS 20Dは、時代に関係ないというか、これからもずっと使い続ける事の出来るカメラです。

ただ、これから中古とかで新規に買い求めようとする方に「オススメか」と聞かれると、さすがに基本仕様の古いカメラなので躊躇しますね。
どうしても820万画素センサーが欲しいという場合は、型式の新しいEOS 30D(初代のEOS D30と名前がそっくりで紛らわしい)が良いかなぁと。