2013年7月21日日曜日

まろやかな上質感と、見たことのない色合い「セーラー万年筆・プロカラー300・レイクブルー」

どこに持って行っても納得されるほどの立派さを程よい価格で実現し、今まで見たこともないような色合いを兼ねそろえたボールペンがありました!!

それが「セーラー万年筆・プロカラー300・レイクブルー」です。


私が所有させて頂いておりますセーラー万年筆社のペンというと、和風の装丁が施された「優美蒔絵」だけなので、こうして和風では無い外装のセーラー万年筆社ペンを見ると、少しだけ不思議な気持ちになってしまいます。


プラスチック製ケースを開ける前からその姿が透けて見えていましたが、ケースを開けて実際に外光がペンに反射すると、実に丁寧な造りが一瞬で判別出来て、期待が高まります。


優美蒔絵における優れた装飾技術を知っていたので、常日頃からセーラー万年筆社のペン作りへの熱意には並ならぬものを感じていましたが、このプロカラー300も全く素晴らしいものです。

価格的に考えると、同社の万年筆ルックのボールペンの中では、プロフェッショナルギア、プロフィットに続いて、エントリークラスに位置づけられているのではないかと思いますが、樹脂の艶や表面の質感、金属の研磨などに、全く手加減がありません。

特に、隙間が目立たないように、ペンの下軸に接するようにラウンドした中間リングが素晴らしい

中間リングとペン軸の間に隙間が目立つと、他の要素でいくら高級感を主張してもかなり薄まってしまうのではないかと思います。


レイクブルーと名付けられたスカイブルーとパープルの中間のような色合いは、新緑の高山を駆け抜けるような新鮮な香り。

実際に手にとってみて意外だったのは、この見事な艶を醸し出すレイクブルーの樹脂だけでなく、レイクブルー色の樹脂によって、クローム・コーティングされた金属パーツ部分の明るい輝きが妙に持ち上げられ、見とれるほど美しい事です。

元素24(Cr)クロムは、金属にコーティングすりゃ何でもピカピカだろ!と思わせておいて、実は決してそうではなく、下地の金属加工が下手だと安っぽくピカるだけに落ちてしまいます。

良いペンを作る会社は、そのあたりを知悉し、万全の職人技でもって加工をこなしてくれるため、普段使いの筆記具を美術品や芸術品と同等の存在に高める事が出来るわけです。


ペン先の繰り出しは、中間リングからペン軸を回転させて行いますが、引っ掛かりなどもちろんなく、オイリーで重みのある回し応えはかなりの"良い物感"があります。


あのファーバーカステル・エモーション・ブラックウィーブプレシャスレジンにも負けない手応えではないか?と心が浮き立ちますね。


実際に筆記してみると、リフィルそのものはごく普通の油性ボールペンで、ファーバーカステルやパーカーのような、"どっしりと紙に腰を落ち着けるような"書き味までは望めませんが、どんな場面、どんな紙にも、過不足なくスラスラとインクを乗せる事が出来ます。

極めて握りやすいフォルムと相まって、万年筆型ボールペンの世界に引き込まれて行きそうですね。