いよいよ、PowerShot G5Xを、本来の写真機ではなくてハイビジョンカメラとして使ってみました。
家庭用ハイビジョンカメラを超える有機ELファインダーを持ち、画質的にも、1インチCMOSセンサー搭載+キヤノンDiGiC-6搭載でかなり期待がもてますが、実際の使用感はどうか?!気になるところです。
まず画質ですが、さすが1インチセンサーだけあって、表現力の豊かさは相当なもの。
本職のハイビジョンカメラ「HDR-PJ760V」も、小さな1/2.88インチセンサーとしては画期的な画質なんですが、G5Xと比較してしまうと、検証の必要性が全くないほど、G5Xが優れています。
このため、確かに4K映像ほどではないにしろ、1080/60pの映像からの200万画素静止画の切り出しは大変美しく、少なくとも2L判プリントなら躊躇なく使えそうです。
キヤノン純正アプリの「ズームブラウザEX」を使うと、ハイビジョン映像から簡単に静止画が切り出せるわけですが、1080/60pだと、最高で秒間60枚の200万画素写真を撮ったのと同じになります。
ただし、EOS 7D Mark2の秒間10コマよりも6倍も優れている!!とは決して言えないものがあります。
ビデオカメラは、動きを美しく見せるために、シャッター速度は1/60秒程度になるため、平たく言うとシャッター速度が遅くて動体ブレは抑えにくいものがあります。
秒間60コマの大半がブレブレの失敗写真になる危険性もあるため、なかなか微妙なところがありますね。
PowerShot G5Xは、光学ズームが約4倍程度しかないため、クローズアップにはデジタルズームが使えます。
ズームはとてもなめらかで、(ズーム速度の変化、微速度ズーム可能な)ビデオカメラほどではないにしろ、(ズーミングが見苦しくない)美しい映像を撮影する事が可能です。
デジタルズームは、大画面テレビで見てしまうと、あからさまに解像度が落ちているのが分かるため、画質にうるさい向きには厳しいでしょう。
ただ、解像度が落ちても大きく撮りたい需要はありますんで、デジタルズームの搭載は嬉しいものです。
PowerShot G5Xは、マイクもステレオで、なかなか臨場感があります。
ただ、リニアPCM録音のEOSムービーと比較すると、ちょっと軽い感じはしますね。
あと、画質は、コントラストの高い見栄えのする画で、写真がそのまま動いている印象があり、先鋭でパンチがある分、ちょっと目が疲れてしまうかも知れないですね。
■ハンディカムは負けたのか!?
画質においては、PowerShot G5Xは、キヤノンの映像エンジンDiGiC-6と、1インチセンサーによって、相当なアドバンテージがあるのは間違いないです。
ただし、ハンディカムは負けたのか!?と言うと、これは根源の話になってしまうんですが、写真機はあくまでも写真を撮影するためにああいう形になっているのであって、これを長時間ホールドして映像を撮影するのは、かなり不自然で心にひっかかるものがあります。
ただ、機材を二台も三台も持ち出せない時は、より体の小さいPower Shot G5Xだけで済ませられるのは大きく、魅力的なのは確かです。