2017年8月20日日曜日

雨降りのナイトズージアムでEOS 7D Mark2に惚れ直した話(2)

■前回の記事はこちらです(別ウインドウ)■



さて、いよいよEOS 7D Mark2で、夜間・ライトアップ・素早く動くスマトラトラの動体撮影という、個人的に未知の領域に突入しました。

とにかく難しい。

まず、常時マニュアル撮影していた私ですが、ハッキリ言って、ライトアップの光を白飛びさせてしまうし、猛烈な勢いで変わる状況に対応がしにくい。

そこで、初めて「シャッター速度優先AE」を使ってみました!!

動体撮影となると、シャッター速度がかなり重要。

さらに、露出の失敗を減らす事を優先し、どうしても写真が暗くなる時に、カメラの判断でシャッター速度を自動で落とす「セーフティシフト」をONにしています。


なんと、いきなりスマトラトラのおやつタイムになりました。

かなり待たされる事になりましたが、待つ価値のある風景を見る・撮る事が出来ました!!

シャッター速度1/320秒の状態で、シャッター速度優先AEにしてるのですが、各種のセーフティをONにしているため、EOS 7D Mark2が独自の判断で、シャッター速度は1/80秒にまで落ち、ISO感度は6400を飛び越えて、8000に上がりました。

最高感度は1万6000で、その場合でも画質は維持されるのは確認している7D2ですが、念のため、8000を上限に撮影。

実際かなり暗い状況なんですが、露出は大満足。

ピントもがちっと合います。

7D2は、AFが動体を追尾する「AIサーボ」と、指定した場所にピンポイントで合わせる「ワンショット」を、電撃の素早さでスイッチングする能力があります。

これが全体を通して大活躍で、AIサーボだと危なそうな時は、すかさずワンショットにしてAIサーボを叩き直し、流れるリズムで撮影する事が出来ました。

こういうのは、スペック数字をずらずら並べても全然分からない本物の良さ。

キヤノンのカメラは、スペック数字なんかより、実際にフィールドに持ち出した時に気に合うタイプで離れられません。


ここぞ、EOS 7D Mark2のみせどころ!!

おやつ(鶏肉)を食べていたと思いきや、突如として、ぱっと身を翻してこっちに高速で接近してくるスマトラトラ!!

とてつもなく激しいピント移動が巻き起こる、動体撮影の華のシーンがやって来ました。

しかも、暗い中での動体撮影。

EOS 7D MarK2は、トラにピントを食いつかせてしっかり捉えてくれます。

AIサーボで外しそうになったら、すかさずワンショットにスイッチング。

よしOKと思ったらAIサーボで追尾。

EOS 7D Mark2と、まさに協力して写真を撮る感がものすごく、カメラというよりも、完全に生きた人間のパートナーとさえ思えてきます。

機械なのに、人間とか言うなよと思われるでしょうが、クルマやカメラは、時として人間を超える人間になる瞬間があるのです。


ズドドドと猛烈に接近してくるスマトラトラも、バッチリ撮る事が出来ました。

EF 50mm F1.8 STMの内蔵モーターは、かつてこれ以上フル稼働した事があっただろうか?というくらいの勢いで唸りを上げています。

そう、50mm F1.8の遅いモーターで、これだけ撮れてもう感動で震えそう。

弱ったカメラマンをがっちり助けてくれる、EOS 7D Mark2は、才色兼備・良妻賢母・最高相棒と、前回の記事でも書かせて頂いたフレーズがぐるぐる頭をめぐります。


AIサーボ、ワンショット、ワンショットと、まるで人間の相棒に語り掛けるようにして刻々と変わる状況に対応。

あーーーー、こういうのが、やっぱりプロ用カメラって事なんやなーーー・・・・としみじみと思ったり。

普通の高性能カメラは、単にカメラがすごい。

プロ用のカメラは、カメラマンの窮地にかけつけて助けてくれる。

恩返しは、大切に扱う事くらいしかできないけれど・・・。


おやつ(鶏肉)をくわえてブンブンと歩き回るスマトラトラ。

普通なら、写真撮りにくいから動かないでーとか思ったかも知れないですが、EOS 7D Mark2なら、「むしろ、どんどん激しく動いてくれーー!!」と声援をおくってしまう。

暗い場所に行っても、EOS 7D Mark2のAFは揺るぎない。

なんだこのスーパーカメラ。

今、おそらく、キヤノンの技術開発の研究では、より凄いEOS 7D Mark3用の超・超・超絶AFシステムが開発されていると思うのだけど、7D2よりも凄いとかって、私には想像する事も出来ないや。

ただ、納品義務のあるプロカメラマンさんが、過酷な状況で困って苦しんでいる時に、颯爽と現れて助けるスーパーヒーロー、これがさらに強化されるのだと思うと何となくああそうかという気も。

さっきから何言っているのか、すみません・・・そんだけボルテージアップしちゃってました。

ホントすみません。


暗い中、イルミネーションを背景にして素早く動き回るスマトラトラ。

EOS 7D Mark2は、しっかりと捉えてくれます。

各種セーフティが働いているので、露出も満足だけど、シャッター速度はちょい厳しい・・・でも全然いけてる!!

カメラというより、優秀な人間の相棒が助けてくれている感覚。

これって、人工知能なんじゃないの!?

ナイト2000とか、しゃべらないだけで、EOS 7D Mark2には、ものすごい知性が入っているんじゃないか、そんな疑惑すら感じるSFっぽい夜でした。


こんだけ厳しい状況での動体撮影!!

でも、こんだけ写る!!

なんか、自分で撮った写真を自分で見ていて、汗が額に浮かんできました。

あはは・・・7D2、良い意味でヤバイ。

あっ、日本語が・・・でももうそれしか言いようが無いぜい!!

こういうカメラをこの世に誕生させてくれてありがとう。


シャッター速度優先AE初めて使ったけど、イルミネーションも白飛びしない状況に抑えてくれるし、ううううーむ・・・なるほどこういう感じか!!

あと、どんどんカメラに雨水が降り積もるんですが、タッチパネルが無いことにより、濡れようがなんだろうが全く気にする事もなく快適な操作が出来ました。

そうなんですよねー・・・。

普段は全く考えないけど、7D2ってカメラは、単純なハイスペックカメラというスケールではおさまっておらず、プロカメラマンが豪雨だの凍結だの過酷な環境で快適に撮影するために生み出されているから、いざという時にものすごい良さのパンチを食らわしてくれます。

しかも、50mm F1.8 STMレンズのお陰もあり、予想外に軽いシステムやし。

うううううーーーーーむ。

カメラに対する惚れメーターがレッドゾーン(良い意味で)に振り切れてしまいました。


あと、カメラは当然のことながら、EF 50mm F1.8 STMもやっぱり良いレンズですね。

AFの動作速度は最低ランクとは言え、静かでなめらかなSTM。

贅沢を言ってしまうならば、そりゃあ多少は、7D2の性能に対しては遅さによる力不足を感じなくはないですが、私ごときなんかは、そこまでシビアに求めるほどじゃないし。

この軽さ、小ささ、コンパクトさで、明るさがF/1.8というのは今回の条件ではベスト・オブ・ベスト。

シャッター速度優先AEだと、常時絞り開放F/1.8、ISO感度8000になってたんで、このレンズじゃないとまずかったというか、今回は本当にギリギリ崖っぷちだったなぁと。


スマトラトラの夜間撮影でボルテージが最高潮に上がりましたが、他の動物たちも色々撮れました。

夜の闇を背景にして、ゆっくり休んでいるシロクマ。

どこに行っても、新鮮な空気に満ちた時間でしたね。


ライトアップされた、雨の猿山の風景!!

EOS 7D Mark2は、過酷な状況の撮影で真価を発揮するのですが、それほどのカメラであるから、逆に言うとどんな撮影も余裕で対応してれますね。


雨の夜のズーパラダイス、その園内風景は「夏の夜の夢」みたいな感じでとても貴重なので、動物だけではなく風景もどんどん撮っています。


なんと、レッサーパンダのところで、夜のおやつタイムが開催されていました。

個人的には柴犬に次いで、この世で二番目にかわいい動物の地位に昇り詰めているのがレッサーパンダさん。

貴重な美しい夜景も見られる上に、レッサーパンダのかわいい姿まで!? 夢の国かここは。


なんか、レッサーパンダが柴犬や猫とかを遥かに超える勢いでマイペースで面白い。

大好物のおやつを飼育員さんがあげようとしたら、最初は「いらない」って感じで拒否したのに、フェイントですぐにおやつを急にグイグイ欲しがって、飼育員さんも「なんで最初いらないって言ったのー?」って思わず大弱りしてしまった、というコントみたいな流れがありました。


レッサーパンダかわいいなぁ。

ほぼ人間なんか眼中にない勢いの常時マイペースっぷりがまた魅力。

50mmの画角も、今回本当にジャストではまりました。


セルコホームズーパラダイスの限定イベント「ナイトズージアム」は、雨でしたが、想像を超える良い風景が沢山見られて最高でした。

また行きたい!!

あと、雨ということで、雨の夜ならではの景色が撮れたというのもありますが、EOS 7D Mark2の本当の凄さの片鱗でも味わう事が出来て、このカメラにベッタベタに惚れ直ししてしまいました!!

このカメラはグレートカメラだ!!


■雨で濡れた機材の手入れ

ちなみに、雨で濡れた機材の手入れですが、水道水を含ませたタオルで全てを拭いて、さらにからぶきします。

その後は、除湿剤を沢山入れたドライボックスの中に機材を入れて、だいたい一昼夜から、時間的な余裕があれば2、3日は乾燥させます。

最初は、ドライボックスの湿度メーターが一気にウェットになり、一昼夜くらいでベストに戻って来るさまが面白い。

ただ、雨はやはり大敵。

雨がカメラに入って、ショートとかは非常にまずいので、そもそも濡れないように対策するのがまず第一番かなぁと。