2010年2月26日金曜日

EOS KISS X4の実機レポート(2) 素晴らしい高画質。1800万画素は完全にメリットとなっています。

EOS KISS X4の実機レポートその2です。今回は、画質編となります。(2/27の6:30に追記・修正しております)

前回も書かせて頂きましたが、仕事の都合でお店に到着したのが閉店間際・・・というか、閉店が近い事を知らせる音楽が流れる中での実機体験となりましたので、実写もかなり大慌て。
とりあえず、JPEG写真で高感度だけ撮って来ました。

被写体は全て展示してあったEOS KISS X3です。写真のサイズは、私が撮った写真をこのブログに掲載させて頂く時の1068x712ドットに統一しました。レンズは、全て、EF 18-135mm F3.5-5.6 ISを使っています。

■1800万画素は、大きなメリットとして完成■

結論から言うと、EOS KISS X4の画質は、1800万画素がそのままメリットとなっている、驚愕の高画質と言って良いのではないでしょうか。

X2の時からそうでしたが、カラーノイズは存在していても見苦しくなく、全体的な印象が良いのです。
ノイズ量のベンチマークテストとかでは不利でしょうが、ノイズをつるつるに除去するのをやめ、フィルムの粒状感のような「情感」の方向にチューンナップしている印象があり、最終的に「写真」として全ての要素を美しく揃える実力は、もはや職人芸と言って良いのではないでしょうか。

この1800万画素は、かつて、EOS KISS X2がAPS-Cセンサー限界を1200万画素に引き上げたのと同じで、いよいよAPS-Cの限界が1800万画素まで引き上げられたと言って良い仕上がり。

自社開発のCMOSセンサーと映像処理エンジンを持つEOSは、製品の発売と技術の進化が一体化する面白さがあり、今後どういう方向に進化してゆくのか非常に待ち遠しいものがあります。

EOS KISS X4は、1800万画素を実現しながらも、高感度も極めて高いクオリティー。もはや当然という感じで、EOS KISS X2が上限としていたISO 1600は、余裕で常用可能だと判断します。

いや、常用可能どころか、へたをすると、ポートレイトでさえもISO 1600が使えるかも知れないです。スポーツ写真ならば、躊躇無く使っていけるのではないでしょうか。

ISO 1600がここまで高画質だと、EOS KISS X2から見ても確かに大きなメリットがあるなぁと。

ISO 3200も、等倍で見るとややディテールは甘くなるのが分かるものの、カラーノイズも決して見苦しい出方をしないのが驚き。ディテールに関しては、最終的に1800万画素が力づくで情報を拾い上げてくれるため、写真プリントでは十分な結果を示してくれる印象。
総合力では、機の誉れ高いEOS 20Dの820万画素センサーよりも安定しているのではないでしょうか。

いよいよ、最高感度(拡張なし)のISO 6400です。
ここまで来ると、さすがに精細感がやや失われる印象はあるし、カラーノイズもモクモク出てくるのは否めないですが、決して緊急避難的な感度ではなくJPEGでもそこそこいけるし、なおさらRAWならば、ノイズ処理を少し工夫してあげれば十分に使える品質だと感じます。
ただ、人物に対しては、どの程度許容するのか見極める必要はあります。
ISO 6400がどんどん使っていけると分かれば、暗い場所で高速シャッターが切れる可能性が高まり、EOS KISS X4を写真機として一段階上のステージに押し上げるかも知れません。

操作性地獄でもEOSムービーは魅惑の高画質■

ビデオカメラと比べると地獄的に撮影がしにくいために、あまり印象の良くなかったEOSムービーですが、画質そのものは確かに素晴らしいの一言・・・というか、ダイナミックレンジに余裕がありまくりで、ふくよかな立体感があり、極めて上質な映像が楽しめます。

それと、1920x1080ドットのフルハイビジョン映像ですが、私のノートパソコン「Aspire 1410」でも、余裕で再生が出来ます(ビデオチップがHD映像のアクセラレーション対応しているからのようです)!! 
これには二重にびっくり。ファイルは.MOVですが、約14秒で約80メガバイト。

ただ、30pということもあって、手持ち撮影は、完全にどうしようもなくNGですね。
とにかく手持ちだと、映像のフレームが、1920*1080/30pという事も災いして、致命的なまでにガックガク揺れるため、大画面テレビで観ようものならば、乗り物酔いみたいになる人が続出してしまいそうで、これはいけない。三脚に据えて、しっかり撮影しないと。

このあたり、手持ちでも無敵に近い安定度を誇るハンディカム「HDR-XR500V」とは天と地ほど差もあり、今の段階では、やはりEOSムービーは画質偏重のプロ向け機材と言えるでしょう。

操作性に大きな難があるため、万人向けにはなっていないEOSムービーですが、こと表現力においては、確かなものがあります。
大型センサーとEFレンズによるコンビネーションは比類がなく、特にレンズ固定式のビデオカメラでは、いかなるクラスをも相手にしないと思います。
何でもかんでも撮るのは無理がありますが、普段はハンディカムで撮影しておいて、ここぞという場面でEOSムービーという選択肢があるのは、文句無くありがたい時代になったなぁと思います。

背景のぼけは、とにかくよくぼけるので、使い方を間違えると過剰な方向に行き、単に画面の情報量を埋め立ててしまうだけになりかねず、考えて使わないといけないかも知れません。
写真では、ぼけによる省略は大切ですが、こと映像においては、情報量が少ないと不安になる事もしばしばあって、バランスが大切かなぁと。