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2010年9月2日木曜日
家庭用の映画カメラとしてかなり使えるEOS 7D
写真機としては、もうこれ以上必要のない、上限いっぱいの性能を極めている感のあるEOS 7D。
実際に私も「もっと性能の良いカメラは発売されるが、それらが出たとしてもEOS 7Dが揺るぐ事はない」と考え、発売から約1年経過した段階での購入を果たしました。
写真機としては、予想していた以上に素晴らしいEOS 7D。しかし、もっと予想以上の事がありまして、それが、動画撮影機、ハイビジョン撮影機としてかなり使えてしまうという事実です。
それも、「家庭用ハイビジョンカメラ」ではなくて、一品格上の「家庭用映画カメラ」と呼称したいほどのパフォーマンスを叩き出してくれます。
そもそも、EOS 7Dのハイビジョン撮影には、あまり大きな期待はしておりませんでした。
ソニーのNEX-VG10が発売されますが、まずは今年は「写真機」を極めておくためにEOS 7Dを購入するのであって、付属のハイビジョン撮影機能は、来年購入(希望)のソニーNEX-VG10までの「つなぎ」だろうなと考えていました。
ところが、このブログでも、ツイッターでも繰り返し書いているように、EOS 7Dのハイビジョン撮影は、そんな「あなどる」真似を許さない、素晴らしいものだったんですよね。
まず、全く期待していなかった操作性ですが、三脚使用を前提とすれば、本職のハイビジョンカメラよりも上なんじゃないかというくらい快適。 (EVFが存在しないという構造的弱点も、三脚使用前提ならばある程度は緩和されてくれますし。)
シャッター速度、絞り、ISO感度、画質の変化、ピントの確認などを、カメラの表面に多数設けられたダイヤル/ボタン類によって素早くアクセスして変更出来る、写真機譲りの操作性。
しかも、作りこんだカメラの設定をその場限りにせず、モードダイヤル上の[C1][C2][C3]の三箇所に記憶できる親切設計。どんな状態からでも、即、作りこんだ設定にカメラを切り替える事が出来る快速さは、一度味わうと他のカメラに行くのが逆に不安になるほどの宝です。
操作性といえば、たとえば「本職」のNEX-VG10は、どうでしょう。
操作パネルが液晶モニタのフタの裏側にあるため、まずは液晶を開くというアクションがあって、さらに、ダイヤルは一つしか無いため、絞りの変更->決定、シャッター速度の変更->決定、という余計な手間がかかってしまいます。
EOS 7Dが「本職」と違うのは、とにかくオート機能の欠如です。
手持ちで被写体にカメラを向けるだけで、カメラが何でもやってくれるという、ビデオカメラの感覚を持ち込んでしまうといけません。
しかし、EOS 7Dは「家庭用ハイビジョンカメラ」ではなくて「家庭用映画カメラ」であると分かると、この問題は急に問題ではなくなります。
撮影中にはピントや露出を変化させず、事前に決定したピント、露出で1カットを撮りきる。
こういうカメラなのだと理解してしまえば良いわけです。
ピントと言えば、EOS 7Dは、事前にピントを決めて撮影するというのなら、実は最強レベルです。
「クイックモード」というモードにすると、オートフォーカスに一眼レフの超高速・超高精度のAFセンサーがそのまま使えます。ピント合わせ中には画面がブラックアウトしてしまいますが、一瞬なので気になりません。
しかも、スポット1点フォーカス、領域拡大AF、19点自動選択、ゾーンAFなどなど、EOS 7Dが持つ多彩なAFモードが利用できてしまうわけです。
撮影中に動き回る被写体にピントを自動で追従させるというような事は無理ですが、とにかく「ある一点に厳密にピントを合わせる」という事に関しては、右に出るものがいないほどの能力を発揮してくれるわけです。
それも、画面を10倍まで拡大して厳密なピント合わせが可能であるため、大画面テレビで観て初めて「ピントがズレてしてショック」という事がありません。
三脚も含めて重装備になるため、友達と遊びに行く時や旅行などに持ち出しにくいのが難点であり、そういう場合は、小型のソニーHDR-XR500Vの出番だとは思いますが、気軽な撮影にもEOS 7Dが使えないかどうか色々研究してみます。