日本の1050円クラス多機能ペンは、各社が素晴らしい製品を多数投入している大激戦区。
その中にあっても、クラス随一の高級感を備えているなぁと感心したのが「ぺんてる・ビクーニャEX・ブルー」です。
ビクーニャEXは、プラパッケージに入って販売されていましたが、このプラパッケージ越しだと軸の美しさがいまいちよく分からない感じなので、見逃さないようにちょっとだけ注意が必要かも知れません。
ちなみに、ビクーニャは、アルファベット表記だと、「Nの上にチルダが付いた" VICU~NA "」となっておりますが、チルダ抜きの「VICUNA」や、カタカナで「ビクーニャ」でも良いようです。
ビクーニャEXは、フォーマルな場所でも使いやすいパリッとした紳士系のデザインになっていて、万人にお奨め出来るスタイリング。
そして、下軸がしっかりとした真鍮製で、その軸に半透明のブルー樹脂製の外装が巻かれている「レイヤード構造」となっています。
軸の質感についてですが、これ、プラパッケージ越しだと、パッと見ネイビーブルーの単色塗装にも見えるのですが、光を当てると途端に深みを感じる濃紺となり、その立体的な質感に驚かされます。
同クラスの多機能ペンであれば、パイロット社の「エボルト」や、プラチナ万年筆社の「ダブルアクション1000シリーズ」等が実現している「アルマイト染色」も素晴らしいのですが、このクリアー樹脂によるレイヤード構造もかなりのものですね。
ロングタイプの天冠部分の形状は、なかなか好みが分かれる場所だと思いますが、定番のクローム・コーティングでそつなく仕上げられています。
このあたりの金属加工技術、クロームコーテイングの技術については、日本メーカーなら特に何も言及する事が無いくらい、全く不安が無いのが地味に凄いところだったりします。
ビクーニャEXの見どころは、高品位な機能切り替えメカニズムにもあります。
1050円クラスの多機能ペンだと、良し悪しは別として、どうしても "ガッチャン、ガッチャン"という大きな音を出すものが多いですが、ビクーニャEXは、さすがに無音とはいかないものの、小気味良くカチッ、カチッという小さい音で切り替わります。
図書館や会議室など、あまり音を立てたくない場所では、このパフォーマンスはなかなか重みのあるものではないでしょうか。
そして、メーカーも一番に謳う魅力が「世界一の低粘度油性インク・ビクーニャ」リフィルのボールペンです。
私がボールペンにハマるキッカケとなった感動インク「ジェットストリーム」に対抗するのが、このビクーニャなんです。
三菱鉛筆はジェットストリーム、パイロットはアクロ・インキ、ゼブラはエマルジョン(油中水滴型)を体験して来た私ですが、第四のサラサラインクの書き味は一体どのようなものなのか!?
ちなみにリフィルはしっかり金属製で、型番は「XKBXES7」となっております。
さて、ビクーニャ・インクの威力はどのようなものなのか!!
うーん、なるほど!!
色はググンと濃くて、スケートのように滑らかに走るペン先。
これは確かにジェットストリームに匹敵する走りのインクだなぁと!!
普通の油性インクよりは、薬液系の用紙での安定性は劣る感じはありますが、普通の用紙にはスラスラ書けますね。
ジェットストリームがそうであったように、これを初めて使ったら、「ボールペンはちょっとなぁ」という方にもかなり強くアピールするのではないかと思われます。
0.5mmシャープペンシルも、カチカチと不快な雑音もなく、メカニズムそのものは3150円クラスにこのまま流用しても通用するのではないか?と思わせるものがあります。
手頃でしっかりした多機能ペンをお探しの方は、ビクーニャEXは外せない選択肢の一つになると思います。