今回の記事では、EOS KISS X7に、私が所有させて頂く、唯一の万能型ズームレンズ「EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USM」レンズを装着し、仙台市科学館の写真を撮ってきましたので掲載させて頂きたいと思います。
■機材編
(※機材はEOS KISS X2で撮影)
EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMは、私のカメラ人生にとって、とびきりの特別な存在であります。
EOS 20Dとセットで購入させて頂いたため、真に1本目の、生まれて初めての一眼レフ用交換レンズとなり、その思い出の深さは他に代わるもの無しです。
EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMレンズは、まさにキヤノン屈指の不遇なレンズとして、歴史に名前が残るくらい不遇なレンズでした。
新世代のEF-Sレンズの期待を一身に背負い、両面非球面レンズをキヤノンとして初採用。
その破格の期待の高さは、しかし、17mm端の画質で躓き、海外でのテストや評価は正直きついものとなってしまいました。
このEF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMは、今見ても、最高に素晴らしいデザインだと思います。
デザインの流儀は、フルサイズ用のUSM搭載レンズをベースしているのがお分かりいただけると思います。
それと、17-85mmという万能タイプでありながらも、非常にコンパクトに仕上がっているのも美点です。
軽量コンパクトで鳴らすEF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMと並べて写真を撮ってみましたが、最短時の全長に大差が無いというのは正直驚きです。
当たり前ですが、レンズ径はそれなりに大きいです。
フィルター径は67mm。
なぜか今のタイプでは廃止されている、誇らしげな前面のCANON MADE IN JAPANの表記にも、心が踊ります。
EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMは、確かに17mm端の画質は厳しいものがあります。
ハイライト部分には倍率色収差(色ズレ)が盛大に出るし、歪曲も、いわゆる陣笠型と言われる複雑怪奇な歪み方で、後処理で歪曲を除去しようとするプロをも泣かせるタイプ。
しかしながら、極端に言えば、そこさえ解決すれば、高性能の万能ズームとして憂いなく立ち上がるのに・・・というところまで来ていた、「非常に惜しいレンズではあった」わけなのです。
なんという前フリ。
EOS KISS X7に装着すると、例によってのEOS KISS X7補正により、よりレンズの立派さが先鋭化されますね!!
レンズ好きの方は、どしどしEOS KISS X7を買って、レンズの勇姿を楽しみましょう・・・などと煽るつもりは120%あります。
EOS KISS X7 Mark2(仮)もこの「超小型化・さらに・撮影の楽しさもバッチリ」路線をブレなく継承して欲しいです!!
うむむー・・・やはりEF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMレンズは格好良い!!
ルックスだけでなく、このレンズは使いでもあります。
たとえば、指標に合わせて、17mm、24mm、35mm、50mm、70mm,85mmという、多彩な単焦点レンズの集合体として使っても楽しいですよ。
手ぶれ補正の段数は3段分ですが、ぶっちゃけ3段分あれば困らないし、EOSムービーにもこの手ぶれ補正は有効なので旅行にもバッチリです。
■写真編
キヤノンDLO機能で、
再誕するEF-S 17-85mm F4-5.6 IS USM
◎まずはじめに◎
EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMの飛翔する足を引っ張り、酷評という名の地面にくくりつけていた泣き所が、最広角17mm端の描写でした。
特に、ハイライトの部分に発生する、盛大な倍率色収差(色ズレ)は、神経質に画質を気にする気にしないとか言う以前のレベルで、「今までなら」17mmはいっそ使わない、もしくは、使ってもハイライト部分が極力画角に入らないように細心の注意を要する・・・というレンズでした。
しかし、このレンズは、キヤノン純正レンズだけが使えるレンズ最適化技術「デジタル・レンズ・オプティマイザ(DLO)」に対応しているので、それを当て込んで、あえて従来までは避けていた17mm端、逆光でハイライトがバカスカ入る構図で撮影しました。
ここからの写真は全て、従来までの大弱点だった17mm端でのマニュアルモード撮影です。
DLO機能は、まさに劇的です!!
17mmで、逆光なのに、あれだけ、あれだけ盛大に出るはずだった、倍率色収差(色ズレ)がさっぱり出ないー!!
これだ、これだ、これだーーーっ!!(良い意味でブチキレ)
EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMユーザーの方ならば、この17mm端で、この逆光で、赤とか緑色の色ズレが全然出ない
事がいかに大きな事か、海王星の気流くらいの猛烈な勢いで分かっていただけるかと思います。
わかりにくいですか、すみません。
レンズの話ばかりして申し訳ないです。
この大迫力の骨格は、太古に存在した巨象のもので、仙台市の出来る前の大地を悠然と歩いていたのですね。
まさに浪漫ですな。
ちなみに、この巨象の骨格ですが、特別展とかではなく常時展示されているので、仙台市にお立ち寄りの際には是非!!
ちなみに、この最後の一枚だけは、35mm域で撮影しました。
元々、EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMレンズは、24mm端からは十分に高性能なのです。
24mmや35mmは、歪曲の補正に関して言えば、むしろ単焦点レンズを超えるほどの優秀さなので、泣き所だった17mm端がついに問題なくなった今、EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMレンズは再誕した!!と胸を張って言えると思います。
ちなみに、キヤノンの開発者さんによれば、DLOはとてつもなく処理が重たいので、今はまだカメラに搭載して、リアルタイム処理する事は出来ないのですが、プロセッサが能力を持て余すくらい強力に進化すれば、やがてはEOS本体に搭載され、JPEGのポンと出しでもEF-S 17-85mm F4-5.6 IS USMが安心して全域オールレンジ・グリーンで使えるようになりますね!!
電子的な進化は速いので、EOS KISS X7 Mark3くらいには早くも実現されたりして!!