2009年8月22日土曜日

パジェロミニのデザイン

大型スポーツカーに乗っていた反動からか、今では軽自動車が大好きな私。
しかし、その軽自動車の中にあってもパジェロミニは、スポーツカータイプと並び個人的には突出して優れたデザインを持ったクルマだと思っています。

スポーツカータイプと共通する部分は、無理して室内空間を広げようとしていない(広げられない)点にあります。
軽自動車は、限られた規格の中で少しでも室内空間を広げようと努力しているため、どうしても似たようなカタチになってしまいますが、パジェロミニは独特の構造からそうはいかない事情もあり、それを逆手に取ってかなり自由にデザインされているのが分かります。

まず、このブログでも何度か書いていますが、パジェロミニのデザイン上の特徴は、長いボンネット
これは、軽自動車では希少とも言える、直列四気筒エンジンをタテに置くレイアウトから来る必然的な形状となっています。

そして、テール部分を見て欲しいのですが、室内空間重視であれば、普通、テールは垂直に切り落としたような形状になりますよね。しかし、パジェロミニはなんとテールに角度がつけられています
リアウインドウ部分が、ルーフに向かって角度が付けられているのです。
荷室が狭くなるのと引き換えにして、独特の、山型のルーフデザインが出来ているわけです。

じゃあ、室内は完全にダメダメなのか? というと、決してそうではないのもパジェロミニの強み。
前席は、頭上空間も含めてかなりの余裕があります。そして、これまたこのブログで何度も書いていますが、とにかく見晴らしの良さは最高の部類です。
クロスカントリータイプでありますから、車体そのものが高い位置にあり、シートも高い位置にある(シートの高さは運転席のみ調整可能)ため、ダッシュボードが視界を妨げず、その開放感は得がたいものとなっております。フロントウインドウが素直な形状なので、ピラーも変に視界に入ってこず、疲れ知らず。
難しい仕事で悩んでいる時の通勤なんかでは、パジェロミニに乗っている事に感謝するほどなのです。

全てのしわ寄せが来ているのが後部座席。もともとドアは2枚(テールゲートは含まない)のクルマですから、広さ以前に乗り降りがメチャクチャ不便というのもあります。ただ、後部座席のシートバックを最大にリクライニングさせると、そこそこの広さは感じます。スポーツカーの後部座席と比べたら相当に広いと言えるでしょう。

それと、パジェロミニは、クロスカントリーという血筋から、ボディ剛性がとても高いクルマです。
これは、2ドアの形状がガッチリとした骨太フレームを生み出しているためですが、このフレームの張り出しが室内に及んでいるので、室内幅をワゴンタイプと比較してはいけません。
また、15インチかつ肉厚の大径タイヤを収める巨大なタイヤハウスが容赦なく後部座席にせり出している不利も隠せません。もっとも、これを逆に利用して、肘掛のように見せかけ、カップホルダーや小物入れを設けているのは小技として光っています。

それと全体的に、カッチリした直線を活かしたデザインが奏功しています。
三菱は、個人的に「直線デザインの三菱」と思うくらいに国内メーカーでは珍しく直線がウマイのです。

ネットを見ると、パジェロミニには、実はアイのエンジンを使ったミッドシップ5ドアのバージョンが試作車まで作られた(けどコスト高から発売は中止)という話がありました。これが本当ならば、どういう形だったのか、とにかく見てみたいですね。
現行の魅力であるロングボンネット形状に対抗出来るほどの魅力があれば、新しい世界に踏み込めるかも知れないという意味で大歓迎なのです。