本日二回目の記事となります。
さて、待望のHDR-XR500VとHDR-XR520Vですが、店頭で実際に使わせて頂きました。
店員さん、いつも本当にお忙しい中ありがとうございます。
この場をお借りして深く御礼申し上げます。
今回は、録画した映像を持ち帰る前提なので、自分の4GBメモリカードをセットして、メニューからメモリカードに直接録画するモードに切り替えて使ってみました。
店員さんも積極的にアピールしていましたが、ワイド側で従来の10倍もの能力を発揮するという新型の手ぶれ補正は、確かに言うだけの効能がある印象です。
もちろん、三脚を使ったようにガッチリと映像が止まるわけではありませんが、片手でテキトーに振り回しても、セカセカした忙しくて見苦しい感じの振動は発生せず、コツをつかめば三脚が無くても、もしかすると風景撮影なんかを短時間に気軽にキレイにこなせてしまう可能性があり、スペックうんぬんを超えた高い価値を発揮してくれるかも知れません。
価値といえば、ハイビジョン映像を撮影しながらフォトボタンを押すと、ハイビジョン映像がそのまま約830万画素(3840×2160ドット)の静止画として同時記録される機能があるので試してみました。
フォトボタンを押した後、書き込み中を示すインジケーターが表示されるのですが、メディアへの記録に数秒間を要するようです。インジケーターが表示中でも、別にそれに関係なく映像の録画の方は一時停止可能なのですが、慣れないとそれに気をとられて撮影に支障が出るかも知れませんね。
このカメラは、マニュアル操作をするのに、カメラ前方に装備されている「マニュアルダイアル」が威力を発揮します。
このダイヤルは、デザイン的なアクセントにもなっているのですが、操作性もかなり良好ですね。
主に「明るさ」のコントロールをこのダイヤルに振付けて使ってみました。
このカメラは、フルオート撮影ですと、家電量販店の店内でも顔色が暗く出るほどに明るさが控え目になってしまう傾向が見られました。
ですが、マニュアルでダイヤルをひねると、本当にめちゃくちゃ明るく出来ますね。
ただ、明るく出来るのは結構なんですが、明るさオーバーで映像が白とびしてしまう危険の察知に関しては、ゼブラパターンもヒストグラムも両方無いので、思ったより怖いものがあります。液晶の表示を信じるしか無いですが、エクストラファイン液晶モニタでも怖いのに、粗い表示のファインダー液晶はどうなんだろう。
また、色についてですが、オートホワイトバランスだと、家電量販店の蛍光灯の下ではかなり青っぽい映像になる傾向が見られました。
最初はオートで撮影していたのですが、ちょっとダメだなと感じ、ホワイトバランスを自分で調整出来る「ワンプッシュ」モードを使って、ホワイトバランスを修正して撮影してみました。
このカメラに限らず、ビデオ撮影時に色が悪いなと思った時は、センサーとかの性能ではなくて、単にホワイトバランスがおかしいだけという事もあるので、マニュアルで調整するクセをつけると吉かも知れませんね。
それと、オートフォーカスですが、ピント合わせまでがちょっとゆっくりという感じです。
被写体にレンズを向けると、ワンテンポ呼吸をおいてからフワッと合っていく感じで、まさか一眼レフカメラのAFのようなスパッとしたスピードを想像していると、いけません。
また、顔認識のフレームが表示されるのは良いのですが、認識とピントが連動してないのかな?
実際に、人物の顔に認識フレームが表示されていても、ピントは顔にまだ来ていないという事がありました。
そういうもんなんですかね。顔認識そのものを使ったのが初めてなので、この類の機能の常識をイマイチ理解してません。
ただ、一度合ったフォーカスがオタオタしない、意図しない被写体にフォーカスを横取りされてしまうというような事態が起きにくく感じるので、フォーカスに関してはソニーなりの深い考えがあるのかも知れません。
このあたりは、買ってからジックリ使ってみて判断したいところですね。
肝心の撮影した映像のチェックですが、カメラの小さい液晶モニタでは無理(全部キレイに見えてしまう)なので、自宅でハイビジョンモニタを使うまでおあずけでした。
再生機材は、いつも通りプレイステーション3があればバッチリ。AVCHD形式だろうと、MPEG2 TS形式だろうと、ものともしません。
さて、いよいよプレイステーション3で、待ちに待った映像の再生の段になりました。
メモリカードをPSPにセットした後、USB2.0ケーブルでプレイステーション3に接続。
念のため、プレイステーション3の本体に映像ファイルをコピーする手間をかけなくても大丈夫。
PSPにセット済みのメモリカードから直接再生出来ます。
実際の映像ですが、このブログには、フルハイビジョン映像をアップロードするわけにもいかないので、再生の模様を撮影した写真を掲載して済ますことをお許し下さいませ。
HDR-XR500Vの映像は、私が持っているHDVカメラのHDR-HC3とは、全く比べようもないくらい解像度が高いです。
言うまでもなく、女性の顔のアップは特にヤバイです。皮膚表面のアラを肉眼よりも克明に映し出してしまう程なので、まじめに視聴の前には殿方は絶対に一回チェックしないといけません。
また、エクスモアRセンサーの性能が余裕を生み出しているのか、1/2.88インチという、クラスとしては大きいけれども絶対的には小さいサイズのセンサーといえども、映像の階調が予想以上に豊かで、すなわち立体感を豊富に感じます。
明るさをマニュアルでかなりアップしても、階調が平坦になる段階までが、結構粘る感じです。
個人的には、やっぱりHDR-FX1000などで採用されている3センサー方式に思いが残りますが、ここまでの映像が得られるエクスモアRセンサーならば、センサー数をしのごの考えている事はないのかなと思いました。
それよりも何よりも、HDR-XR500Vの映像には、クラスとして当代最高のアドバンテージである「背景のボケが美しい」という特性があります。
花が舞う桜の季節に使う小型ハイビジョンカメラは、HDR-XR500V(HDR-XR520V)しかありえない!!と断言していいと思います。
小型ビデオカメラは、どんなに映像がキレイだと言ってたとしても、最後は、背景が変な三角形でグシャグシャになる段階で、個人的にはガックリして終わりな部分がありましたが、HDR-XR500Vは、ようやくその壁を突破してくれました。
また、ハイビジョン映像と同時に記録される830万画素の静止画ですが、繰り返しますが、クラスにおいて当代最高のアドバンテージとも言える背景のボケの美しさがあるので、十分に写真として通用する完成度になっていると思います。
もしも、写真コンクールに出品する時に、それがデジタルカメラOKである場合は、もしかすると通用してしまうかも知れません。ハイビジョン映像からの切り出しではなく、写真として認めてもらうには、主催者と相談する必要があるかも知れませんので、自信ありません。ここは申し訳ありませんが、各自様でお問い合わせくださいませ。
830万画素では巨大すぎるので、1920×1080ドットのフルハイビジョンサイズにリサイズしたものを掲載します。
なにしろ、背景のボケの美しさがあるので、16:9のサイズでさえなければ、そのままデジタル写真として通用しそうな勢いです。
ハイビジョン映像を撮影しながら、同じシーンがこれだけのレベルの画質で切り出せるに等しいわけですから、その用途の広さを考えると武者震いが起きてしまいます。
素晴らしい風景は、後から印刷もしたいもの。
もうこれなら大丈夫!!
ただ、静止画はともかくとして、肝心の動画の映像の方ですが、MPEG2 TS (25Mbps)のHDVカメラと比較すると、個人的にかなり気になる点があります。
AVCHDのクセなのかどうなのか分からないのですが、やたらと被写体の輪郭や背景のボケの中に、圧縮ノイズみたいなチリチリした感じが見受けられますね。
なんなんだろう。このチリチリ。HDVのMPEG2 TSでは感じなかったので、このチリチリが余計に気になります。
AVCHDは、一筋縄ではいかないのかな? どうなんだろう。
結局、実はHDVをメモリカードで記録したものが一番なのだ!!というオチだと予想外(HDVは、テープだけの規格ではなくなり、現在はコンパクトフラッシュに記録出来るようになっています)。
そうだ。AVCHD形式といえば、忘れてはならないのが5.1chのドルビーデジタルによるサウンドです。
HDR-XR500Vは、メニューからの設定で普通の2chステレオにも変更可能となっていましたが、5.1chオンリーで録音しました。
その音質うんぬんを語る前に、ドルビーデジタル5.1chの持つ音響効果そのものに気圧されてしまいました。
プレイステーション3に光デジタル接続した5.1chのスピーカーから流れ出るサウンドの、何という臨場感の凄まじさ。私の部屋の中なのに、現場が時空を押しのけて出現したかのような音響です。
同じ5.1chを活用したゲームとは違って、自分で何気なく撮影した映像の音声に計算などが入る余地は無く、容赦の無いサラウンドに取り囲まれるわけです。
何しろ5.1ch録音の経験すら、以前にHDR-SR12で少しだけテスト撮影させてもらっただけなので、いちいちおおげさに感動してしまう事をお許し下さい。
しかし、カメラ本体のあんな小さいマイクで、こんなにキッチリとドルビーデジタルが録音できてしまうもんなんですね。
色々とHDR-XR500V(HDR-XR520V)には、進んだ時代の勉強をさせられてしまうようです。