仙台の文具店にて、一目惚れしてしまったペンがありました。
それは、セーラー万年筆の多機能ペン「優美蒔絵・麻の葉」です。
全く少しも購入予定になかったのですが、あまりにも心を動かされたため無理して購入。
白が眩しいセーラー万年筆のギフト用包装紙で包んで頂きました。
この包装紙も大切に仕舞っておく所存であります。
優美蒔絵は専用のケースに入れてもらえます。
とても立派で、良い物を買えた気持ちがさらに高ぶってきますね。
もう言ってもしゃあないですが、同じお店で買わせて頂いた、価格が二倍も上の「ぺんてる社・ランスロット5シリーズ・シルバーリーフ」は、裸のまんまで紙袋に突っ込まれてたのですが・・・この扱いの格差はどういう基準・・・!?。
ケース本体の素材はプラスチックですが、カラーリングとフォルムは、まるで硯入れを思わせてくれる和装が気に入ってニッコリ。
ケースを開けると、メタリックブルーとゴールド仕上げの「優美蒔絵・麻の葉」ペンがその姿を現してくれます。
それにつけても、このペンを見ると、ネットのみでの買い物の難しさを思い知ります。
ネットでは「優美蒔絵」シリーズの数々を見ていたのですが、色々な図柄が存在している中で、この「麻の葉」は、地味っぽく見えてしまって、正直、完全に無視していたのです。
ところがしかし・・・
うわぁ!!なんて素敵なペンだ!! と店頭で一目惚れしたら、それがネットでは無視していた「麻の葉」そのものだったのです。
立体加工された麻の葉の模様は、実際に見れば、地味なんてとんでもない話でした。
古き良き日本の伝統美が輝いていて、心の中に妙な懐かしさを呼び起こしてくれるのです。
しかも、決してそれ一辺倒ではない若々しさや鋭さも穏やかに表現されており、癒されながらも慈しみたくなるペンに仕上がっています。
このペンを彩る「麻の葉」の模様って、昔は、生まれた赤ちゃんにこの模様の着物を着せて健康を祈願したそうです。
母に聞いた所、私も生まれた時に、この柄の着物を着せてもらっていたそうなんです。
何というか、このペンに強烈に惹かれたのって、そういう記憶がどこか心の深層に残っていたからかな・・・。
一本のペンというけれど、気に入ったものとの出会いは本当に尊いものだなぁと思います。
「優美蒔絵・麻の葉」の、この麗らかな雰囲気と言ったらどうでしょう!
パーカーやウォーターマンのような、舶来品が持つ円熟した美も素晴らしいですが、日本にしか出来ない「和」の美を堪能すると、自分が日本人に生まれた非常な幸運を噛み締めたくなりますね。
例によって、最近の日課にしてる自己流・ペン字練習で沢山の字を書いてみました。
このペンは、軸の太さや重量バランスが極めて良く、軽やかで自然な書き味を楽しめますね。
確かに、高級ラインの「ぺんてる社・ランスロット5シリーズ」と比較してしまうと、多機能ペンという構造上の弱みもあってか、書きながらペン先からカチカチと音がしたりするため、気になる方は気になるかも知れません。
ランスロット5のような絵に書いたような高級ペンとはいきませんが、このペンは、「日本ならではの特長を持った立派なペンが欲しい。それもお手頃価格で。」という欲求に極めて高いレベルで応えられているのは確か。
とても良いペンなので、もう一本「枝垂れ桜」などの、他の図柄バージョンも持ちたいくらいですね。
これから、セーラー万年筆のペンにも、大きく注目させて頂きたいなと思います。