先に結論から言いますと、このカメラは「初心者ウェルカム」だし、ネットでは「エントリー(入門用)」を連呼されてますが、めちゃくちゃ奥が深くて、確かにフルオートだと入門用にもなるんですが、使いこなすのはプロでも簡単じゃない気がする。
とにかく設定が細やかで、あのEOS 7D Mark IIと同等以上。
(※EOS R10の姿はXperia 1 IIで撮影) しかも、自慢のAFは、まるでカメラが生きているかのようで、知性を持った生命体みたい。
カメラが生きていて、しかも超優秀。
今までの常識しかないと、あまりの優秀さに人間の方がついていけず、カメラに押し負けるというかついていけないという状態に。
今までの常識を超えたスーパーカメラ
人間がカメラに完全に負けて、置き去りにされる!!
プレイステーションの名作ゲームに「デトロイト」という、人工の知性であるAIと、人間との対立と共存の物語を紡いだ作品がございますが、あれが、手っ取り早く我が身にふりかかった!!そんなカメラがEOS R10だという感覚です。
EOS R10は、従来のような使い方も可能ですが、ワンショット、AIサーボの中に、常に「被写体をカメラの意思で捉え続けるトラッキング」という機能を付ける事が出来るのですが、これが驚異。
「EOS iTR AF X」という、80万円もする(実質は)プロ用のEOS R3というとんでもないカメラの機能が使われているのですが、想像を超えて「知性」となってます。
「デトロイト」で描かれたように、優秀なAIと、泥臭い人間がコンピを組んで、一つの事件解決に共闘する!!うまく行けば良いが、お互いが反発しあってうまくいかない...そんな感覚です。
パートナーがあまりにも優秀で、自分が置き去りにされる焦りと寂しさ...それを体感できます!!
これ以上はもはや不要な優秀カメラ
実際にフィールドでは、EOS R10の優秀さに終始圧倒され、なまじ小さくて軽いので、喜びよりもビビりが勝ります。
↑川に架かった道路を疾走するクルマを撮影。
ナンバーが見えないようにあえて被写体ブレで撮りました。
これ、人間の感覚で「ここの位置で撮りたい」という部分でシャッター切ったのですが、タイミングがジャストで寸分のズレもありません。
スマートフォーンの、言ったら悪いですが、シッカリしてるようでテキトーなレスポンスに慣れた後だと、「ガチ本物」の凄みに真顔になります。
↑レンズは全てRF-S 18-45mm F4.5-6.3レンズですが、情報量の芳醇さに脱帽です。
これ以上の画質は、正直あっても分からないという段階まで来てますね...
それもそうなんですが、とにかくカメラの使いこなしが簡単じゃない!!この時点では、まだ設定やカスタマイズが煮詰まっていない状態なので、「えっ、AFのフレームの形がなんか変わった?!ナニコレー」みたいに、カメラの進化にこっちがついていけてない。
↑風景撮影ですが、高架線の上を新幹線が突っ走っているのに気が付き、あわててシャッターを切りました。
人間の感覚では、先頭車両が見えているのだけど、気づくのが一歩遅かったし、カメラには収まっていないだろうな...と思っていたのですが、人間の感覚と全くズレがなくピッタリ収まっててぶっとび。
EOS 7D Mark IIと完全に同等な、「人間の神経と連動した電撃的レスポンス」です。
スマートフォーンの時代と言いますが、それはあるとしても、こういう節々で「ガチ本物」との違いが立ちはだかっていて、いや時代に関係なくカメラ専用機無いとダメじゃんという気にさせられます。
↑RF-S 18-45mm F4.5-6.3も、良い仕事してくれています。
EOS R10の、生きているような知性を得た如きAFを、100%ではないのでしょうけれども、まざまざと見せつけてくれるに十分。
えーーーー今ってこういう時代なんか、やべぇな、ついていけねぇ!!もっと頑張るぞーーーーという謎の焦りが盛り上がって来ますうううう。
まぁ、RFのLレンズだとさらに圧倒的な威力なんでしょうが、30万円だの40万円だの当たり前田亜季に連発なので買えないっすう。
エントリーにもなるが、使いこなしはプロカメラマンでも簡単じゃないぞこれ
EOS R10の機能があまりにも凄すぎて、このカメラはもちろんエントリー(入門用)にもなるのですが、ネットのように、あまりにもエントリーエントリー連呼してると、ミスリードになりそう。
↑それまでの常識とプライドから、体の小さなカメラに対して自分が押し負けている!!これを認められずにエントリー連呼するのは気持ちは分かるけど、このカメラ、使いこなしはプロカメラマンでも難しい気がする。
難しいというのは出来ないという事ではなくて、奥が深いため、本当に使いこなせているのかどうか、自問自答が終わらないという感じです。
高度なAI、生きているようなカメラ、それは、カメラがついに人間に挑戦を始めたという段階になり、どうやって人間が協力して行けるのか?!新しい課題への挑戦に、メラメラと闘志が燃えます!!
まぁそう言ったら、どんなカメラだって奥が深くて、こういう問いかけはずっとあるのだけど、AIとの共存という新しい課題はEOS R10で提示されたもの、燃えて行くしかない。