まず最初にお断りさせて頂きたいのですが、EOS R7そのものは、最高度に素晴らしいカメラだと思います。
こんなスーパーカメラに文句をつけるなんて!!というくらい素晴らしいカメラです。
特に性能に関しては、これにケチをつけていたら、数年前のプロカメラマンさんがタイムスリップして来てタコ殴りにして来るくらいの最高っぷりです。
今回の感想は、EOS R7への文句とかじゃなくて、「超高性能なミラーレス(ノンレフレックス型)カメラ」全体が、自分には合わないかも知れない、そういうお話なので、EOS R7自体は全く何も責任ないです。
小さい感じは全くないし、感動が薄い...
まず、EOS R7ですが、「APS-Cで小さい」「超高性能」「7の称号」と、極限までハードルが上がった状態で操作してしまった、という前提があります。
実際に握ってみると、確かにEOS 90D等の一眼レフよりは高さが低いのですが、グリップ周りがそのままのボリューム感なので、小さいという感想は全く出てこないです。
また、超高性能機だからこそ、シャッターを切った時の感動を期待してしまうのですが、これはR7のせいではなく、超高性能ミラーレス機全体の特性として、全く無いです...。
メカシャッターが鳴動するのですが、ガチで比較すると、EOS 90Dですね、これがまるで鳥が羽ばたくような感動的なシャッターフィーリング、シャッターミュージックを奏でるのに比較して、遠くでガチャガチャ鳴ってるなぁ...うーーーーーーんという感想。
ここで出てきたのが、一眼レフの中堅機「EOS 90D」ですが、比較対象としてこれを操作してしまうと、EOS R7に限らず、超高性能を謳うミラーレスカメラ全体への興味が、潮がサーーーーっと引くように無くなっていくのが分かります(EOS R7のせいではない)。
超高性能ミラーレスに立ちはだかるEOS 90Dの高い壁
無論、性能面で言えば、今やミラーレスの方が圧倒的な時代なのは分かるのですが、店頭で握り込んで見ると、性能じゃなくて感動の面で、EOS 7Dの後継どころか、まずEOS 90Dに全く歯が立たない感じです。
↑サイズ感も、EOS R7は、グリップ周りがデカいので、小さい感じが全くしない...だったら、EOS 90Dそのままにして立派感を増やしたら良かったかも...そんな気がします。
とにかくシャッターを切った時、握った時の感覚が圧倒的にEOS 90Dが勝る...というか、一気にEOS R7への興味が引いていきます。
世の中は、EOS R7は「7の称号」「EOS 7D Mark2の後継」と言いますが、実際の第一印象は、EOS 7D Mark2とは比べられないし、そもそもEOS 90Dのクラスよりも下という感じです(性能面は最高でしょうが...)。
EOS 7D Mark2の後継という感じでは全く無い感想
とにかくEOS R7はその動体補足性能とか、性能面では最高峰だと思うし、性能面に文句はつけようがありません。
ただEOS 7D Mark2は、単純に性能面だけが称賛されたわけではなく、その威厳のある「APS-Cフラッグシップとしての品格・威厳」という精神面の高みも含めて評価されていたんだと思います。
↑店頭で実際に試用させて頂いて、EOS 7D Mark2よりも上ですが、それに一番近いのが、泣く子も黙るプロ専用機「EOS 1D」です。
EOS 1Dのシャッターフィーリングの感動は凄まじく、もはやミラーレスが入り込む隙間が無いです。
この威厳が、EOS 7D Mark2にはあって、EOS R7には無いので、なかなかこれをEOS 7D Mark2の後継と言ってしまっていいのだろうかという懊悩が出てきてしまいますね。
キヤノンもあえて「APS-Cハイエンドではあるが、フラッグシップとは言ってない」とインタビュー記事で発言してましたが、ミラーレス全体として、1Dや7Dの腹の底から頭のてっぺんに突き抜ける威厳と感動が足りないため、どうしようか...と迷ってるように思えました(個人の感想)。
EOS R3は発売したが、EOS R1は発売出来ていないのも、このあたりがどうしても作り出せないからなのかも(???)
体が小さなカメラなら事情は全く違って来る
そんな感動だの威厳だの言ってたら、未来のカメラ全部買えねーじゃん!!って破目になるわけですが、そうではないのが「体の小さなカメラ」です。
ミラーレス、キヤノンで言うところの「ノンレフレックス型」カメラのこのシャッターフィーリングの淡白な特性ですが、超高性能を全面に押し出したカメラだと「何だぁ...😢」となるところ、体が小さなカメラだとその小ささとの相乗効果で「お、新しい感覚かも😊💕」と良い方向になって行く感じです。
↑代表的なのが、私も日々絶賛している「EOS KISS M」の後継機の「EOS KISS M2」です!!
シャッターを切ると「カチッ、カチッ」という、一眼レフとは全く別物のスイッチが入るみたいな音と微振動があるのですが、これが新しい。
明らかな小ささと共に「おーーーこれからは、この時代か...」と妙に納得感があります。
今のままだと、私個人に限り、超高性能機は一眼レフじゃないとなんかこうお金を出しにくいまま行きそうな感じです...
EOS R7そのものは間違いなく素晴らしいです!!
繰り返したいのが、EOS R7そのものは間違いなく素晴らしいカメラです。
こと性能においては、一眼レフを過去のものにするくらい最高なのは、海外・国内のインプレッションからも明らか。
ただ自分には合わないかなぁというだけです。
↑悪口とか批判ではなくて、純粋に個人の感性として合わない点ですが、やはりデザインが好みではないです...
EOS 7Dは、フラッグシップなのにちゃんと内蔵ストロボを付けてくれていたのに、R7はアッサリ廃止して全く納得出来ない、という譲れない部分もありますが、バターを切ったようなペロンとした前面デザインがちょっと合わないのと、背面がちょっと。
マルチコントローラーの所にダイヤルがあるのですが、これは使いやすいと思うんですが、ここにダイヤルあるのがちょっとなんかこう、気持ち悪くて見た目が...ごめんなさい!!
便利なのは理解できるんですが、ここにダイヤルあると気持ち悪いです...
この感想自分だけかも。
あと、ここにダイヤル来たせいで、上面が殺風景で安っぽい感じ...
EOS 7D Mark2の後継の前に、そもそもEOS 90Dに全然かなわない。
↑ただ、やった!!というのが、EOS R7は、驚異の日本製です!!
他国差別ではないのですが、日本製というのは、値段高くとも納得出来る特大のビッグボーナスなので嬉しい。
今回EOS R7に冷たく当たりましたが、それは別にEOS R7のせいではなくて、ジャンルの問題という感じ。
EOS R7そのものは最高に素晴らしいカメラで間違いはないです。
ただ自分には合わないのと、正直、EOS 7D Mark3を一眼レフで出してくれればなぁという、もうかなわない淡い願いが出てしまっただけ...