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2009年10月18日日曜日
キヤノンEF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMレンズで撮る、蔵王の紅葉
今年初めての蔵王の紅葉を、キヤノンの超広角ズームレンズ「EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM」で撮影してみました。
正直に打ち明けると、朝もやの残存と強い太陽の光によって、かなり難しい撮影でした。
1枚シャッター切るのに何度も露出の決定をやり直したんで、枚数は全然。
写真の前に、まずはこのレンズについて書かせていただきますね。
このレンズは、単にキヤノンEF-Sレンズラインナップの一本というだけではありません。
キヤノンのEF-Sレンズを、評判的に長期間たった一本で支えてきた、まさにEF-Sの屋台骨と言えるレンズなんです。
このレンズは、「キヤノンのAPS-Cカメラは広角に弱いのだ」という悪評を一気に覆すために生み出され、その役目を十分以上に果たし、そして今もなおキヤノンAPS-Cカメラの超広角から広角を強固に支え続けています。レンズの部材構成は、Lレンズに匹敵しています。Lレンズ以外では採用実績の無い部材「スーパーUDレンズ」を採用した唯一のレンズでもあります。
10mmからの超広角レンズとしては、驚異的なまでに歪曲収差が徹底補正され、直線命の建築物の撮影にさえも使える水準にあり、ワイド気味のスナップ写真までこなせる22mmまで抜かりがありません。
超広角レンズであるため、ボケの量は少ないものの、絞りは円形絞りを採用しており、22mmであればボケ味そのものは良好。
しかも最短撮影距離は24cmをマーク(殆どの単焦点レンズを超える)しており、構図の自由度も高い水準にあります。
オートフォーカスは、最高速度クラスの超音波モーターUSMを搭載しており、その速度とピント精度は抜群であり、肉眼でのピント合わせが困難な超広角レンズの不安を、快適なAFシステムが万全フォロー。
しかも、これだけのレンズでありながら、385gという軽量コンパクトレンズ。
キヤノンのAPS-Cの生命線であり、その存在価値すらも左右する、EF-Sレンズの女王と言って良いと思います。
私がこのレンズを使う時は、単焦点レンズの集合体として使っています。
どういう事かと言うと、撮影の前に、まずは使いたい焦点距離にズームリングを合わせてから一眼レフファインダーに接眼するようにしているわけなんですね。
さて、このレンズで撮影した、今年初めての蔵王の紅葉写真ですが、各焦点距離ごとになかなか気に入った写真が撮れましたので、それを掲載させて頂きます。
カメラはEOS KISS X2。撮影モードは全てマニュアル撮影モードです。
■純正の単焦点レンズには存在しない10mmの世界■
焦点距離10mmは、純正単焦点レンズには存在しません。この焦点距離を使いたければ、このレンズが絶対条件となるんですね。
当然ながら、胸のすくような画角が特長ですが、なんでもかんでも10mmなら良いのか?というとそうでもないんです。
そう、たしかに画角は広がりますが、その代償もあるわけです。
遠近感が、肉眼で見ている分よりも、極端に強調されてしまうのです。
どういう事かというと、肉眼ではちょうど良い風景が、10mmレンズを介したとたんに、中央部が奥にギューンと遠ざかり、その代わりに、手前に予期しない余計な空間が広く出現してしまいます。それを計算しながら使わないと、なかなか気に入る写真が撮れなかったりしますねー・・・。
超広角レンズは、決して広く撮影するレンズではなくて、被写体に接近するためのレンズと言えるのではないか、と私は思っています。
これを覆す超広角レンズは、シグマ15mm F2.8のような対角線魚眼(ダイアゴナル・フィッシュアイ)レンズを装着したAPS-Cカメラでありますが、それはまた別の機会に書かせていただければと思います。
■Lレンズならば30万円!!の14mm■
個人的に雲の上の存在の超広角Lレンズ「EF 14mm F2.8L II USM」。これと同等の14mmの画角も、EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMレンズならば得られます。
もちろん、泣く子も黙る超広角単焦点Lレンズの画質には及ばないでしょうが、EF-Sもかなりの実力なのは間違いありません。
14mmは、10mmほどの極端な効果は無いものの、明らかな超広角の効果はキッチリ反映されるという、なんと言うか絶妙なバランスがあります。
■スナップ写真もドンドン行ける22mm■
このレンズはどうしても10mmや14mmといった超超広角レンズとしての注目が高いですが、実のところ、22mmが使えるという事がより価値を高めている印象があります。
単焦点レンズのEF 20mm F2.8 USMよりも少しだけ望遠になっているため、おだやかな画角の風景写真や、気軽なスナップ写真に、嬉しくなるくらいの便利さでもって対応出来るんですよね。
最短撮影距離が24cmと極めて優れているため、花の撮影なんかにも活用できます。
もちろん、22mm時はレンズの名が指し示すまんまで開放F/4.5ですから、ボケ量や明るさには制約があります。しかし、円形絞りの採用が効いているのか、ボケ味そのものは実に素直。ズームレンズの中ではかなり優秀ではないかと思います。
なんて、色々と偉そうに書いてしまって申し訳ありません。
月並みですけれど、楽しく写真を撮れれば何でもいいというか、それが一番ですね。